バベットの晩餐会のレビュー・感想・評価
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最高のグルメムービー‼️
19世紀後半、デンマークの小さな漁村で伝道生活を送る姉妹がそれぞれ、青年将校とオペラ歌手と実らぬ恋をする‼️この姉妹を演じる女優さんがホント美しくて、しかも若かりし時代と、年齢を重ねた初老の時代のふたつが舞台になっているんですけれども、演じる女優さんがそっくりで同一人物を特殊メイクしてるのかなと思うほど‼️結局別の女優さんだったんですけれども‼️やがてフランス革命で家族を失った女性バベットが、オペラ歌手の紹介で姉妹の家に住みつく‼️歳月が流れ、家政婦として姉妹に仕えてきたバベットが宝クジで大金を手にし、姉妹はじめ村人たちや今は将軍に出世したかつての青年将校を招いて晩餐会を開く。将軍はかつてパリで味わった最高のメニューとそっくりなのでびっくり仰天するが、禁欲的な村人たちが徐々に口にしていく描写、そしてあまりの美味しさに一人ひとりの表情が微笑んでいく様がホント素晴らしい‼️バベットがフランス料理のフルコースを作る丹念な描写も圧巻で、最後にバベットがパリで有名な女料理長だったことを語る‼️善良な人々の素朴な人間性というか、ロマンチシズムの幸福な香りが全篇に漂っているホントに素敵な映画で、現在に至るまでの最高のグルメ映画だと思います‼️あと、この映画を観賞する際、一番注意しなきゃならないのは・・・ヨダレ・・・‼️
才能を生かせる場があるかどうかは真の問題ではないのかも
キリスト教色を除けば一昔前の道徳の教科書に乗っていそうな品のいいお話。ちょっと雰囲気は違いますが、O・ヘンリの「賢者の贈り物」を思い出しました。欲にまみれた現代に生きる我々としては、この非常に慎ましく生きる人達から静かにお説教をされている気分になります。ただし、あくまでも彼らがそういう生活を送っているというだけであって押し付けがましさはないので、不快感はありません。
デンマークの映画が全部そうなのかわかりませんが、かなり禁欲的なのが特徴ですね。恋におぼれるなどはもってのほかと言う感じで、これがフランスやイタリアの映画ならまずそちらが話のメインになりそうなところが、終始とても慎ましいやり取りのみの描写になっています。19世紀の話とはいえ、これだけプラトニックで奥ゆかしい恋のあり方が成り立つとは、キリスト教の教えの強制力はすごいと思います。
さて、話の本筋はタイトルにもある晩餐会ですが、小さな田舎の村だけにフランス料理のフルコースなどは見るのも初めてであって、まず使われる食材からして驚愕の目で見られます。バベットの主人である姉妹の一人が海亀の悪夢にうなされるシーンは、この映画の落ち着いた雰囲気には不似合いなホラー的演出が入っていてちょっと笑ってしまいました。
見ていて思ったのは、とにかくよく食べよく飲むこと。自分ならとても無理な量です。そこだけは禁欲的ではないですが、たくさんワインやシャンパンを飲んでも酔態をさらさないのは抑制が効いていると言えますね。それにしても、これから先まず口にすることのないであろう上等な料理や酒を味わってしまうと、普段の食事が味気なく感じられたりしないんだろうかと思ったりもするのですが、それこそ余計なお世話でしょうか。
(追記)
NHK-BSで放送されていたのでまた見てみましたが、初見の時より評価が上がりました。地味だけど品があり、じんわりと染みてくる浄化剤のような作品ですね。
何といっても晩餐のすべてが終わった後のバベットの表情がいい。久々に腕を振るう機会を全うした満足感と、恐らくはもう二度とその機会がないことへの寂しさの両方が溶け合ったなんとも言えない顔なんですね。
夜空の星が近くなってきた時の「心の糧」
キャメラは北欧の寒村を映し出す。
そこの村人は貧しくも信仰を糧に
細々と生きている。
教会にふたりの娘がいる。
牧師と村人、兵士と娘、歌手と娘、
娘と村人、その日々を追う。
時が過ぎても変わらぬ信仰
しかし虚しさも重なる。
亡き牧師の生誕100年祭。
そこでの最高級の料理。
次第に村人の表情は豊かになり、
誰もが優し光に包まれる。
人生は名誉や金銭では無い。
生きる喜びと、その意味。
物語はそこで終わる。
※
俳優全員にアカデミー賞を贈ってほしい。人を見る映画
ストーリーはあらすじの通り。けど楽しむのはそこじゃない。
それぞれの登場人物が独特で印象深い。本当にその村があり、そういう人がいるだろうと思わせる。
バベットは、最初に登場した時のマント姿が、白雪姫の魔女のリンゴ売りの姿(失礼)のようなものすごい存在感で。「なんだろう、この人は」と思ったが次のシーンではそのオーラはすぐ消える。しかし後半段々とそのオーラを出してくる。最後の方でキッチンで一服する姿は只者でないオーラを感じさせる。
オーラを操れる演技力とそれを画面に写し出す監督との息があった作品。
永遠の瞬間である、ある晩餐会
規律を守り質素に暮らしてきた老姉妹。ひょんな縁でフランス人の元シェフの女性を家政婦として雇うことになり、彼女はある日、自分持ちで晩餐会を開きフランス料理の腕を振るおうとする。
慎ましく、控えめに暮らす敬虔な生と、贅を尽くした世俗的な暮らしや華やかな場所を生きる生が対比されているように感じる。そしてそれでも行き着くところは、大差なく、華やかな場所でも虚しさと孤独からは逃れられない。
食を堪能し美食に慣れている人も、美食に慄き罪の意識から口をつぐもうとする村人も、ワインの、そして料理の悦楽から少しずつ心をほぐされていく、平等に。
この映画から強く印象を受けたのは、永遠の瞬間がそれぞれにあるのだということ。幸福の絶頂がけして持続的なものでなくとも、人を満たすのに十分な瞬間を味わっているのなら、それは永遠になりうる。バベットの晩餐会は姉妹や村人、将軍、そしてバベット自身にとっても永遠の瞬間であり、それとは別に将軍にもオペラ歌手にも姉妹にもそれぞれの永遠も瞬間があったはず。
人は想い出を抱いて死ぬ、近頃よくこの言葉を思い出す。
祝福された気持ちになる
ささいな欲望や嫉妬に囚われてた最近の自分の心が浄化されていくような気持ちになった。終始映像はこれでもかと言うくらいに地味で控えめ、会話も淡々と静かなんだけど私には引き込まれるものがあった、そして晩餐会のシーンは圧巻(この映画の流れに相応しい圧巻さ)でそのオチも非常に良い。美味しい料理が人を幸せにするというテーマのフランス料理版しかも最高級で最上級な!
美味しい食事は欲望の塊なのではなく、もちろん単なるエネルギー源でもない
ほっこり
が、一番短くて近い形容詞かと。
でも単によかったね、というだけでは片付けられない奥行きを感じた。
あの料理の凄さの一割もわからなくとも、
気づけば不平不満だらけになってしまってた村人達も
美味しさの前には叶わず
素直になっていく姿を見るのは爽快である。
劇中の言葉は
キリスト教の教訓というよりは
宗教関係なく、幸せに生きるためのコツのやうに感じた。
バベットの心意気とプライドにも感服するが、
将軍の言葉が自分には響いた。
この美しい世界では全てが可能なのだ
バベットがいかにも善人顔というわけではないので、最後まで結末がわからなかった
姉妹2人がまず印象に残る。若い頃を演じた女優さんと現在のお年を召した女優さんが
似てて、すごいなと感じた。
映画鑑賞してると大抵、途中から結末が二択くらいに絞られるが、本作は、その場面
場面に引き込まれ、結末はまあいいやという感じになった。
天才料理人バベットは、お金を一夜の晩餐会に使い果たす。自ら芸術的な腕をふるって。
そしてフランスには帰らず、敬虔なクリスチャンである姉妹と、質素な生活を送る。
お金より大切なものを知った人は強い。
天に召される前に
北欧の小さな教会にパリの革命から避難して来た夫人。無賃の家政婦としてかくまってもらう事になる。
前半は北欧のさびれた小さな村において独自色を加味した宗教が一家を中心に始まった話だったので、きっとおどろおどろしい話なんだろうと思ってしまい、後半における映画の美味しいところを若半分逃してしまった気がする。前半で怪しげな雰囲気を出し過ぎないでほしかった。
年老いた信者たちが生きているうちにパリ料理を味わえてよかったでしょう。
今週の気付いた事:北欧の曇り空は恐い。
とても美しい映画
とても美しい映画でした。
もちろん女優も音楽も歌も映像も美しかったのですが、一番は人の心が 美しかったです。
こんなにも見終わった後に清々しい気持ちになれる映画は珍しい。この名画は、ずっと心に残りそうです。
地味なトーンだが清らかな内容
ステファーヌオードラン扮するバベットは、デンマークの敬虔な老姉妹の下で家政婦をしていた。バベットは、夫と子供を殺されパリを追われて来たのだった。ある日、パリの宝くじが1万フラン当たったので老姉妹にフランス料理の晩餐会を催す事を申し出た。極めて地味なトーンで展開されていくが、清らかな内容だった。ただ好意の申し出の心づくしがお世話になった質素な老姉妹には負担になってしまったのは残念だったね。
12人分のフルコースの値段
NHK BSプレミアムの放送で。出だし2〜3分を見逃した。でも、お話そのものはシンプルなので、理解できた。
牧師の娘2人が、清らかすぎて怖い。いくら田舎とはいえ、こんなにも慎ましく禁欲的でいられるのだろうか。いやいや、自分と比べるのがいかん。私なんて汚れちまってるよ。
そんな姉妹のもとにやって来た、フランス人女性バベット。実は料理人で、姉妹の開く晩餐会のために、宝くじの当選金1万フランを使って、自らフランス料理を提供すると申し出る。
海亀のスープ、ウズラのパイ包み、ワイン、デザート。他にもあったかな。ワインはけっこういいものっぽい。1万フランを12人で割ると、1人833フラン。日本円で15,000円ほどか? もっとか? なかなかいいお値段。
おいしいものを食べれば、機嫌が良くなるので、今までいがみ合ってた村人たちが、仲直りする。人間って単純(笑)
バベットって、マネの「フォリー・ベルジェールのバー」の女性を彷彿させる。そっくりではないけど、雰囲気が似てると思う。
自分に誇りを持ちたい人に捧げられた映画
「何を食べさせられるのか、わからないのです」
14年も奉仕してきた人が作る料理を、魔女の料理とな(笑)。
でも、材料を見ると、見慣れないものばかり。仕方ないか(笑)。
そして、晩餐会が始まると…。
宗教を超えた普遍的な物語。
さりげなく革命を絡めて、栄枯盛衰・諸行無常を語る。その中で残るもの。
心が満たされると、過去の思い出が、今に、未来に繋がり、全てのものに感謝の想いが拡がっていく。
豊かさって、物でも、栄光でもないんだなあとしみじみ。
「貧しい芸術家はいません」
「常にお客様を喜ばせてきました。力の限りを尽くして」
最高の場を自分で作りだしたバベット。どんな境遇になっても失われない、自身への誇り。人の満ち足りた顔を見ることが目的で、称賛を求めているわけではない。
自身への栄誉ではなく、人への奉仕に尽くした姉妹へのご褒美ろなる展開。
観ているだけでも幸せになってくる。
そして、生き方を考えさせられる。
静かなる名品。
美味しい映画
フランス革命でなにもかも失った天才女性シェフ、バベットが
質素で敬虔なる 神とともに生きる村の老姉妹と
縁あって家政婦として暮らします
バベットはなにも語らず変わらぬ暮らしは15年以上も経ち
村人たちも歳を重ねたある日
買い続けていた宝くじで1万フランを当てるバベット
その1万フランすべてを使って最高の食材、最高のワインを仕入れ
眠っていたそのシェフとしての腕前をふるう・・・
最高のフランス料理でもてなす一世一代の恩返し
贅沢とは無縁で生きてきたつつましやかな老人達は戸惑いながらも
ひとときの至福を味わう晩餐会
アペリティフのアモンティリャード
ヴーヴ・グリコの1860年物
クロ・ヴージョの1845年物
ウミガメのスープ
メインは「ウズラとフォアグラのパイ詰め石棺風」
葡萄や無花果などのフルーツ
金沢には「ヤッホー」しか言わない茶漬け屋がある
「ハレルヤ!」これしか言わないおじいさんが好きだ。何ともタイミングがよくて、周りの人たちにも意思の疎通が出来ている。ローレンス将軍の食べ方を参考にしているおばあさんも素敵だ。「食べ物の話をしちゃだめよ」と言いつつ、美味しい気持ちを隠しきれない。
食事で人を幸せにする映画の基本ですね、これ。日本ではコミックで大流行だったけど。。。最後にパパンともつながりが明らかになって、とっても心温まるストーリーになりました。見終わるととてもワインを飲みたくなる映画です。
湿ったような暗さにはどうにも慣れない。
一回目 2014.4.12。
宗教色が強すぎて、変に怖い。
ラスト、ロウソクの炎がプツンと消える・・わからない。
二回目 2020.8.7。
閉鎖的な孤島、食することでほんのひととき、凝り固まった宗教観から開放されたり、心が豊かになれた人々を描いた作品。
しかし、デンマーク作品の、湿ったような暗さにはどうにも慣れない。
何気にめちゃくちゃいい温泉映画
ときは19世紀、デンマークはユトランド半島の敬虔な教えを守る宗派の寒村でのお話し。作中で歌われる場面を除きほとんど音楽なし、たしか。
いろいろ含蓄がありそうですべてを理解できているとは到底思えないんだけど...
俗世間で栄達を手に入れた将軍の言動に気を揉みつつ、意地悪な期待もしてしまう。序盤の伏線がじんわり回収されていく...そんな晩餐会なのですが。
信仰上の理由で頭では料理のことを考えまいとするが、あまりの美味しさに箸、もといスプーンが止まらずいつになく冗舌になる村人たち。味覚と嗅覚、視覚を完全にやられたうえに、都会の食を知るゲストの蘊蓄で聴覚まで刺激されあえなく幸せな無条件降伏。村人たちの表情がすべてを物語る。
ほっこり芯から温まる温泉みたいな、そんな映画。
気の進まない職場の飲み会もメシ旨だったらアリだもんなぁ。
ストイックな戒律への皮肉も含んでるのかな。
バベットが根岸季衣似なのもなんか親近感持てた(笑)
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