バベットの晩餐会のレビュー・感想・評価
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バベットがいかにも善人顔というわけではないので、最後まで結末がわからなかった
姉妹2人がまず印象に残る。若い頃を演じた女優さんと現在のお年を召した女優さんが
似てて、すごいなと感じた。
映画鑑賞してると大抵、途中から結末が二択くらいに絞られるが、本作は、その場面
場面に引き込まれ、結末はまあいいやという感じになった。
天才料理人バベットは、お金を一夜の晩餐会に使い果たす。自ら芸術的な腕をふるって。
そしてフランスには帰らず、敬虔なクリスチャンである姉妹と、質素な生活を送る。
お金より大切なものを知った人は強い。
貧しい芸術家はいない さて、貧しいとは
見たことあった。
貧しい芸術家はいない。さで、貧しいとは?
笑って泣ける。
今日はカレン・ブリクセンの誕生日。
そして、我が母の誕生日。
僕にとって良い映画だった。
この晩餐会に招待された人達もうご存命じゃないでしょうね。本当に天国で賛美歌歌ってるでしょう。
原作読もうっと。
天に召される前に
とても美しい映画
地味なトーンだが清らかな内容
12人分のフルコースの値段
NHK BSプレミアムの放送で。出だし2〜3分を見逃した。でも、お話そのものはシンプルなので、理解できた。
牧師の娘2人が、清らかすぎて怖い。いくら田舎とはいえ、こんなにも慎ましく禁欲的でいられるのだろうか。いやいや、自分と比べるのがいかん。私なんて汚れちまってるよ。
そんな姉妹のもとにやって来た、フランス人女性バベット。実は料理人で、姉妹の開く晩餐会のために、宝くじの当選金1万フランを使って、自らフランス料理を提供すると申し出る。
海亀のスープ、ウズラのパイ包み、ワイン、デザート。他にもあったかな。ワインはけっこういいものっぽい。1万フランを12人で割ると、1人833フラン。日本円で15,000円ほどか? もっとか? なかなかいいお値段。
おいしいものを食べれば、機嫌が良くなるので、今までいがみ合ってた村人たちが、仲直りする。人間って単純(笑)
バベットって、マネの「フォリー・ベルジェールのバー」の女性を彷彿させる。そっくりではないけど、雰囲気が似てると思う。
信仰と現実の狭間で・・
娘に自由恋愛すら許さなかった父親の牧師、おそらく福音ルーテル派なのだろう、自身は妻帯しているのに酷い父親もあったものだ。まあ、宗教には戒めはつきもの、とは言え信心深い反面本能には逆らえないところもあるのが人間でしょう。
干し鱈と堅いパンのおかゆが常食のデンマークの寒村でパリの元皇帝料理人が腕を振るったフランス料理のフルコースと高級酒の宴、そりゃー教義はともかく笑顔で完食は頷けます。
映画では生きたウミガメやうずらの雛を見せつけて火で焼かれる悪夢まで被せるのだから意地が悪い。もっとも散々見せられた信仰心へのアンチテーゼ、人間とは?との問いかけなのでしょう。
子供の頃に読んだ「フランクリン自伝」を思い出した。ベジタリアンだったフランクリン坊や、船が漂流して食べるものは船員が釣ったお魚だけ、大きな魚をさばくとお腹から小魚が出てきたのを見て、それなら僕がこのお魚を食べても良いだろうと空腹をしのいだエピソード。人間、窮すれば背に腹は代えられないのも一面の真理でしょう。それでも程度問題、満漢全席じゃないが熊の手や猿の脳みそまで有難がる気にはなれません。まあ、折角のごちそうの映画に水を注すのも本意ではないのでこの辺で・・。渋くて深い映画でした。
自分に誇りを持ちたい人に捧げられた映画
「何を食べさせられるのか、わからないのです」
14年も奉仕してきた人が作る料理を、魔女の料理とな(笑)。
でも、材料を見ると、見慣れないものばかり。仕方ないか(笑)。
そして、晩餐会が始まると…。
宗教を超えた普遍的な物語。
さりげなく革命を絡めて、栄枯盛衰・諸行無常を語る。その中で残るもの。
心が満たされると、過去の思い出が、今に、未来に繋がり、全てのものに感謝の想いが拡がっていく。
豊かさって、物でも、栄光でもないんだなあとしみじみ。
「貧しい芸術家はいません」
「常にお客様を喜ばせてきました。力の限りを尽くして」
最高の場を自分で作りだしたバベット。
どんな境遇になっても失われない、自身への誇り。
人の満ち足りた顔を見ることが目的で、称賛を求めているわけではない。
自身への栄誉ではなく、人への奉仕に尽くした姉妹へのご褒美になる展開に唸ってしまう。
観ているだけでも幸せになってくる。
そして、生き方を考えさせられる。
静かなる名品。
美味しい映画
フランス革命でなにもかも失った天才女性シェフ、バベットが
質素で敬虔なる 神とともに生きる村の老姉妹と
縁あって家政婦として暮らします
バベットはなにも語らず変わらぬ暮らしは15年以上も経ち
村人たちも歳を重ねたある日
買い続けていた宝くじで1万フランを当てるバベット
その1万フランすべてを使って最高の食材、最高のワインを仕入れ
眠っていたそのシェフとしての腕前をふるう・・・
最高のフランス料理でもてなす一世一代の恩返し
贅沢とは無縁で生きてきたつつましやかな老人達は戸惑いながらも
ひとときの至福を味わう晩餐会
アペリティフのアモンティリャード
ヴーヴ・グリコの1860年物
クロ・ヴージョの1845年物
ウミガメのスープ
メインは「ウズラとフォアグラのパイ詰め石棺風」
葡萄や無花果などのフルーツ
金沢には「ヤッホー」しか言わない茶漬け屋がある
湿ったような暗さにはどうにも慣れない。
一回目 2014.4.12。
宗教色が強すぎて、変に怖い。
ラスト、ロウソクの炎がプツンと消える・・わからない。
二回目 2020.8.7。
閉鎖的な孤島、食することでほんのひととき、凝り固まった宗教観から開放されたり、心が豊かになれた人々を描いた作品。
しかし、デンマーク作品の、湿ったような暗さにはどうにも慣れない。
忘れられない晩餐会
池波正太郎のエッセイで、この映画に興味を持ち、映画館で鑑賞しました。
見た後からじわじわとまた見たいと思ってしまう映画で、DVD まで買ってしまった作品です。
タイトル通り後半はバベットの晩餐会が続くのですが、あんなに美味しそうな食事のシーンを他では見たことはありません。そして食べることで心が満たされていくのも。
ただ時間がゆっくりと流れていくので、間延びしているように感じるかもしれません。
何気にめちゃくちゃいい温泉映画
ときは19世紀、デンマークはユトランド半島の敬虔な教えを守る宗派の寒村でのお話し。作中で歌われる場面を除きほとんど音楽なし、たしか。
いろいろ含蓄がありそうですべてを理解できているとは到底思えないんだけど...
俗世間で栄達を手に入れた将軍の言動に気を揉みつつ、意地悪な期待もしてしまう。序盤の伏線がじんわり回収されていく...そんな晩餐会なのですが。
信仰上の理由で頭では料理のことを考えまいとするが、あまりの美味しさに箸、もといスプーンが止まらずいつになく冗舌になる村人たち。味覚と嗅覚、視覚を完全にやられたうえに、都会の食を知るゲストの蘊蓄で聴覚まで刺激されあえなく幸せな無条件降伏。村人たちの表情がすべてを物語る。
ほっこり芯から温まる温泉みたいな、そんな映画。
気の進まない職場の飲み会もメシ旨だったらアリだもんなぁ。
ストイックな戒律への皮肉も含んでるのかな。
バベットが根岸季衣似なのもなんか親近感持てた(笑)
静かな情熱
騙され上手の至福
未知なる料理への恐怖を、共に騙されるふりをすることで解消しようとした登場人物たちが、人間臭くて愛らしい。
現代は事実を暴くことが全てだ。
映画も含めた多くのメディアが、知る権利を盾にして、知られざる過去、知りたくもない理由、知る必然性のない経緯を、次々と白日の下に晒していく。現代のメディアは、それが面白みになって成立している。
この作品では、事実はほとんど明らかにならない。
唯一、バベットの出自が、それを知るべき姉妹だけに明かされるだけだ。
それなのに、誰もが忘れていた一つの真実が、明快に、映画史に残る大円団で描かれる。
信じる者は救われると言うが、真心から信じるふりをする者も救われるのだ。
二度と会うことのない人と、数十年、数百キロを隔てても繋がっていると、真心から信じようとする人たちが、ささやかな幸せを獲得する。
エンドロールが流れる中、すっと溜飲が下がる思いになった映画を観たのは、実に久しぶりだった。
長きにわたり、多くの支持者に語り継がれるのも納得である。
至福のおどき話
1871年の1万フランって?
1871年がどのくらいの時代かわからずでしたが、ナポレオンのあとですね。パリコミューンに普仏戦争。19世紀末なんですね。なるほど。
マーチーネとフィリパの美人姉妹は、女の幸せよりも信仰を選んだ村のみんなの聖女的存在です。
本人の選択であればいいのですが、父である牧師が決めるのはおかしいし、だいたい牧師自身が子供をもうけておいて娘には信仰を強要するのはおかしくないかい?と思いました。
若い頃の恋とも言えない程度の触れ合いの回想と、フランスから逃れてきたバベットというメイドを家に置くことにした経緯と、バベットがよく働いて姉妹だけでなく村のみんなにとってなくてはならぬ存在になってというお話です。
バベットは宝くじが当たってそのお金で晩餐会を開きます。フランス式の本格的なやつです。
ウミガメを見てうろたえる辺りは面白くもあり。
12人分で1万フランという貨幣価値がピンときたら良かったのですがよくわからなかったです。
ここの宗派は歌うことを重視しているのですね。そしてプロテスタント系なんですね。
知らない世界を垣間見る楽しみがありました。
裏を返すとそれだけとも言えます。
静謐という言葉が似合います。
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