波止場(1954)のレビュー・感想・評価
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ギャングの中のいい奴
波止場を牛耳るギャングのボスに立ち向かう話。結局あそこまで腐敗しきって危険を脅かされる状況では自分だけ立ち向かっても多くは助けてくれず、むしろ白い目で見られ迫害されていく、という描写にリアルさ感じた。
しかしその状況で、普通だったら証言を終えた後、迫害されるのを恐れ地元を去ってしまうであろう所を最後まで1人で戦い続けるところに主人公の強さを感じた。その反面そこまで行って初めてその他大勢が動き出すというのは大衆のダメっぷりを感じさせてくれた。
神父の主張が強烈なのが新鮮だった。
若い頃のマーロンブランドも見れて良かったが、リー・J・コッブという「十二人の怒れる男」にも出ている役者がいい味を出していた。
勇気が出た
勇気をきちんと正面から描いていて感動した。波止場の労働者どもは最初、主人公を冷ややかに見ていて、余計なことするなみたいな感じだったのに、主人公の頑張りに感化されてヤクザに立ち上がる。それは主人公の行動に感動したのだろうが、結局大勢につくようないやらしい感じもした。主人公がそのまま放置されたら、それはそれで悲惨なのだが、お前らのは本当の勇気なのかと問いたい。
神父が勝手に煽って、それで人が死んでも自分はそれほど痛い目に会わず、そこもいやらしい感じがした。お前は主人公や死んだ人ほど泥をなめているのか、と言いたい気分だった。
波止場を仕切っているギャング連中が、非常にふてぶてしく、悪者らしい素晴らしい存在感だった。
ヒロインもきゃんきゃん騒ぐだけで特になんの役にも立っていなかった。
ヒロインと神父の勝手な主張に振り回されて、お兄さんまで殺された主人公が気の毒だった。
勇気を持つことは素晴らしいのだが、それが果たしていい結果をもたらすのかどうか非常に疑問であり、そんなところもリアルでいい映画だった。
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