「隠れた名作」バットマン・フォーエヴァー マルホランドさんの映画レビュー(感想・評価)
隠れた名作
バットマンにはあまり知られていない代名詞がある。それは「世界一の探偵」という顔だ。
昨今のイメージだとダークヒーローであり多彩な機能を持つスーツを身にまといどんな数の悪人だろうが一人で対峙しスーパーマンとも戦い異次元の敵と戦うイメージを持つ人は多いだろう。しかし今作では戦闘シーンも楽しませてくれるが探偵としての一面も見れる。
いつか探偵としてのバットマンを見たいなあと思っており、その高い頭脳を駆使してガジェットも豊富に使い謎を解く話が作られたら面白いのではと思っていて、今作ではヴィランとの頭脳対決を盛り込みそれに近い形を見せてくれたという点でこの作品を非常に高く評価したいと思う。
また90年代にしてはかなりギミックの描き方がかなり頑張っている。バットモービルから噴き出る炎、スライドでロケット砲を避けるスピード感、モービルからフックが飛び出て壁を駆け上がる、バットスーツのブーツから噴き出るブーストなど当時としては造形にもこだわりを感じ細部にわたって楽しませてくれる。
今でいうVRを予期させる演出、3D映像をプリントした技術も先進的に思え興味深い。
ロビンの姿に過去の自分を重ね合わせていたのも心理描写として面白い。ロビンを助ける時にサーカスの綱渡りに重なるのもロビンのトラウマをバットマン自身が救ったのだと思うし最後にトゥーフェイスを見殺しにしたのも彼に手を汚させたくないように見えて泣かせる。
そして最後のバットマンとロビンが駆けていくシーンはとても胸が躍り素晴らしい結末だった。
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