if もしも‥‥のレビュー・感想・評価
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アレックスへの道標
伝統的な寄宿学校を舞台に反乱分子としてのテロリズム、衝撃的な終盤も重く受け取れないコミカルさ、マルコム・マクダウェルの横柄な態度からの奇妙な笑みは、既にアレックス・デラージを完成させているキャラに思える、唸るキューブリック!?
72年のアメリカ映画『ソルジャー・ボーイ』やイギリスの少年院を描いた『SCUM/スカム』にコロンバイン高校銃乱射事件をモデルにした『エレファント』を思い出すが、深刻さよりも全体的に緩い雰囲気と説得力のない動機に幼さが、ここまでやらかす必要性は感じられないが、現実に起こりうる問題でもある、この時代に作られた重要性。
JAIHOにて鑑賞。
伝統に抵抗する若者の極端な空想を結末に描くイギリス・ニューシネマのスチューデント・パワー
規律の服従を強いる全寮制名門校を舞台に、反逆児の過激な抵抗をシンボリックに描いたリンゼイ・アンダーソン監督の野心作。その表現は、人物も背景もオーソドックスな構図に収められて、落ち着いた流れを持つ演出です。映像の色調も伝統的な映画作りに合っています。時に前衛的な映像の遊び、盗んだオートバイに乗ってたどり着いたドライブインの小さなレストランでの女子店員とのシーンは制作年代を象徴するもの。主人公たちが受ける鞭打ちの体罰シーンは、模範的なカメラアングルとカット割りで痛みがひりひり伝わる巧みな表現。ラストのミックをリーダーとした反逆分子の赴くままの爆発を放つ凄惨な解決、このイギリスらしいブラック・ユーモアが衝撃的な余韻を残す。
ジョン・フォード監督の記録映画で解説を担当したアンダーソン監督、後にリリアン・ギッシュで「八月の鯨」を撮った映画愛溢れる映画理論家の、品の良いレジスタンス映画だった。
なんか芯喰ってない感じの映画
1968年かあ。あれこれ言う資格なさそう、だが。。
スポーツとか科学技術といっしょで映画もレコードは常に更新されてきて今がある。1968年のレコードは遥か下方にあったりする。
でも、ごく稀に時代を飛び越えてある意味で更新されないままのレコードが存在したりもする。て、この作品のことではない。この作品を観て、時代のスピードって残酷だなあ、と思ってしまったのである。
その時代で革新的であればあるほど、置き去りにされる可能性は高い。トレンドってやつですね。元々がその方向で時代の方が合ってくる、って場合は生き残りやすい。
個人的な見た感覚でいうと、計算して風潮を汲み取った感じがして、なんか芯喰ってない感じの映画。
3人の革命
割礼の検査、自転車で教室に入る教師、ひどい授業とひどい監督生。嫌になるのもよくわかる。軍隊教育のシーンもあったが、普通の学校でこういうのがあるのだろうか。。。
所々モノトーン映像に切り替わるのだが、これにどういう意味があるのかと、こればかり考えていた。1回観ただけじゃわかりませんよね。狂気の沙汰に変貌していく過程は見ごたえがあるのですが、マクダウェルの戦争オタクはある程度わかるものの仲間が増えていく過程が理解できず、ここだけはもっと描いてほしかった。
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