劇場公開日 1991年7月6日

「【30年前の作品でもしっかり楽しめる不朽の名作】」バックドラフト 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【30年前の作品でもしっかり楽しめる不朽の名作】

2021年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

知的

・1991年公開のアメリカのスリラー映画。
・幼いころに消防士だった父親を亡くした、同じ分署に所属する消防士兄弟の物語。新米消防士の弟が、バックドラフトという現象を利用した放火事件の犯人を追っていく、という大枠ストーリー。

[お薦めのポイント]
・約30年前の映画なのに今だに愉しんで観れる
・兄弟愛に涙
・聞きなれた音楽が観やすさを膨張

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[物語]
・ドラマとしての主軸は、かつて目の前で父親を失った弟ブライアン(ウィリアム・ボールドウィンさん)が、そのトラウマを乗り越えて一人前の消防士になるまでの物語、だと思います。その骨組みを軸にして、兄スティーブン(カート・ラッセルさん)、リムゲイル(ロバート・デ・ニーロさん)、 市議会議員のスウェイザク(J・T・ウォルシュさん)、連続放火犯で服役中のバーテル(ドナルド・サザーランドさん)、などと関わりあう物語があかなりしっかりと肉付けをしてくれていて、骨組みをブラすことなく面白みが増した骨太肉厚物語になっていると感じました。

[演出]
・失礼ですが今まで「地味」とすら感じていた「消防士」という職業を「滅茶苦茶かっこよく魅せてくれる」映画です。消防士たちのキャラクター、火災現場の燃え盛る炎の演出、火そのものの魅せ方…一つ一つを丁寧に演出されているので、映画そのものの見応えと共に彼らのかっこよさが際立ってみえてきます。終盤の火災現場など、いったいどうやって撮影したのだろう…と興味津々になってしまうほどに見応えのある臨場感を演出してくれています。
・キャラクターの人間性や親しみ深い消防士を描き出しているカメラワークの演出もとても素敵です。火事のシーンだけでなく、この基本のシーンを丁寧に描いていることがこの映画を「THE 映画」たらしめていると感じました。

[映像]
・燃え盛る炎、爆発して飛んでいくドラム缶…火事のシーンを上から下から横からと圧巻の映像です。USJのアトラクションを思い出させてくれます。
・被写界深度をモリモリに生かした人物描写が好きでした。

[音楽]
・ハリウッドでは有名なハンス・ジマーさん作曲のBGMたち。メインテーマは「料理の鉄人」などTV番組でも多用されているので知っている方は多いのではないでしょうか。かくいう私自身も映画のサントラが好きで、もちろんこちらの映画のサントラも所持しており、たまに聞いていたので、その分、鑑賞時の共感性を一気に上げてくれます。

[演技・配役]
・スティーブンとブライアンの兄弟愛に涙しますね。兄は不器用でも強く、弟は器用でも弱い、互いの弱い部分を無意識のうちに補い合って助け合っている様子が、喧嘩するTHE男兄弟の中にも感じることができて、観ていてほっこりします。特に終盤のシーンで「みたか!あれが俺の弟だ!」って兄の台詞に涙がほろりと落ちました。笑

[全体]
・10年ぶりくらいに鑑賞させていただきましたが、やっぱり凄い。今観ても、昨今の映画に見劣りしない作品ですね。ドラマの要素、スリラー要素もしっかりしていて、人物を描写するカメラワークも大作ならではの肝となるシーンのお金のかけ具合も、全てが丁寧に計算されて作られているように感じます。最新の技術を使わなくともここまでの見応えを出してくれる、「これぞまさに昔の自分が憧れていた映画だ!」でした。

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3104arata