「電気があればなんでもできる」バック・トゥ・ザ・フューチャー movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
電気があればなんでもできる
こんなに面白い作品だと知らなかった。
劇団四季の日本初回公演に備えて鑑賞。
年齢を超えた科学者ドクと高校生マーティンの友達関係が、タイムスリップ実験を実現させる。
1985では、タイムスリップにはプルトニウムが必要で、リビアの過激派テロリストからなぜかプルトニウムをくすねてきて使っているドク。タイムスリップマシンデロリアンは時速140kmを超えると時空を越えられる。
1955年にマーティンがタイムスリップしてみると、マーティンの家族は30年後に刑務所に入る事になる叔父が産まれたて赤ちゃんの状態。気弱な性格の父ジョージではなく、母ロレインがタイムスリップしてきた息子マーティンを好きになりそうになるため、ロレインがジョージと結ばれて無事に自分が産まれるよう画策するマーティン。
一方ドクは、1955年にはまだタイムスリップに必要な1.21ジゴワットの電力を確保する仕組みがなく、1985にもあった時計台を使い、天候を操り、雷の電力をデロリアンに繋いでなんとかマーティンを1985年に戻そうとする。
悪役ビフタネンが、もう、ずーっと嫌なやつ。
1955年には、母ロレインに執拗に寄ってくるガストンのようなキャラでパーティーの夜にはレイプまでしようもするし、
1985年には父ジョージを成人してからもいじめて巻き上げに来る。
マーティンマクフライ家にとっては因縁の相手だ。
こんなのが、パート2でカジノ王になり、トランプが着想の元だなんて。
このビフタネンを1955で見事に、ジョージがロレインを守るために立ち上がり、やっつける!
1985に戻ると、ジョージはロレインと仲良く成功していて、ビフタネンはジョージの家に就く洗車係。
マーティンには1985年に戻ってきても、可愛い彼女ジェニファーがいる。
スケボーに乗り、遅刻を繰り返すマーティンだが、近所の友達ドクの発明で時空を超えてみて、先祖の過去があり、父にも母にも若い頃があり、先祖の選択の繰り返しで今の自分があることを知った。
最高のエンディングと思いきや、未来を見てきたよ!マーティンとジェニファーの子供が大変だ!未来に行って助けよう!とドク登場。
いやいやさっき1955年から戻ってきてデロリアンを戻したばかりなのに、ドクはいつの間に未来に行ったの?!いや、そのドクは未来から来ている!未来のデロリアンはゴミからエネルギーを蓄え時空を越えられる!さぁ2015年へ!となるラスト。
1955では奴隷の名残を感じさせられる黒人皿洗いスタッフが、1985では市長選に立候補しているし、1955では俳優だったロナルドレーガンが、1985では大統領になっている。
人生自分次第とも、人生各々の選択の掛け合わせ次第とも言える作品だが、時空を越えて過去や未来を変えてしまうと起こるタイムパラドックスの危険性を何度も警告するドクが、気軽にタイムスリップするようになっている変化に驚く。
マーティンは17歳の気持ちでタイムスリップしているが、ドクは1955当時のドクと1985当時のドクで人物の時点が違うのに、ずっと発明に取り憑かれて、警戒心は強いのにマーティンとはすぐに打ち解ける。
わからないことを馬鹿にしたり拒否する人々からはとことん変わり者扱いされそうなドクだが、どんな時もマーティンの無事のために力を尽くしていて、男気がすごい。エメットブラウン博士を演じたクリストファーロイドが今もご健在で嬉しい。
若い頃にこのような作品に出会ったら、未来はいくらでも変えられると心に刻まれて、一生イキイキ過ごせそう。
元気があればなんでもできる!
いや、電気があれば!