劇場公開日 1953年7月7日

「原作をなぞっただけかのような作風に…」廿日鼠と人間(1939) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作をなぞっただけかのような作風に…

2022年8月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

スタインベックの原作本を読んだついでに、
映像化2作品を観ることにした。

こちらは「西部戦線異状なし」の
ルイス・マイルストン監督作品だったので
期待したが、原作をなぞっただけかの
ような作風には驚いた。

それでも、原作との若干の違いはあり、
女優を夢見るカーリーの妻が
夫に愛想も尽かし家出しようとした時に
レニーに会って事件になる設定が
原作には無いことや、
ラストで警察沙汰になる・ならない等の
幾つかの細かい相違があるものの、
本論には何の支障もない程度だったと思う。

それにしても、ジョージ役の俳優が
「ロッキー」のトレーナー役の人と
知った時は、驚きと共に、
半世紀という時の流れを感じた。

スタインベックの映画化作品としては、
ジョン・フォードの「怒りの葡萄」があり、
貧しい境遇から這い上がろうとする人々を
描くという点では共通性がありそうだが、
映画化についてはフォード作品に
軍配が上がっているような気がした。

原作を読んだ直後ということもあり、
このマイルストン版が
余りにも原作通りだったため
そのストーリーの確認に終始して
新たな視点を感じることが
出来ないで観終わってしまった感じだ。

続いて、ロードショー以来となる
再鑑賞予定の1992年版では
どうなのだろうと比較が楽しみになった。

KENZO一級建築士事務所