背徳の仮面
劇場公開日:1991年8月24日
解説
贋医者になりすました男が周囲を犠牲に晴れて医者になるまでの野心を、サスペンスフルなタッチ、スピード感溢れるストーリー・テリングで綴ったミステリー。原作、脚本にイギリスでベストセラーを連発する新進作家ジョン・コーリーが入り、BBCテレビや演劇分野で活躍するクリストファー・モラハンが製作・監督。撮影はナット・クロスビーが担当。出演はポール・マクガン、アマンダ・ドノホーほか。
1990年製作/イギリス
原題または英題:Paper Mask
配給:キネマ旬報社=セテラ・インターナショナル
劇場公開日:1991年8月24日
ストーリー
ロンドン、ウエスト・ハーウッド病院で運搬人として働くマシュー・ハリス(ポール・マクガン)は、病院で働くうち、聞きかじりで次第に医学の専門知識を身につけ始めていた。そんな折、その病院の若い医師が交通事故死。マシューは緊急看護を装って、その医師のIDカードを盗み出してしまう。実はその医師は名門のロイヤル・クリフトン病院から招聘試験の通知を受けていた。その通知状を盗み出したマシューは、その若い医師=サイモン・ヘネシーとして試験を受け、合格してしまう。しかし、救急医として働く彼は、簡単な診断から注射をうつことまで全て覚束ない。しかし医学を修めても実地経験のない医師には、それはよくあることだった。そして謙虚だがどこか変わった所のあるマシューに、看護婦のクリスティーン(アマンダ・ドノホー)は惹かれ始め、彼に実務指導を行うかたわら、遂にベッドをともにしてしまう。徐々に自信をつけ始めたマシューだったが、ある日、遂に事故が起る。マシューは自分に目をかける院長夫人(バーバラ・リー・ハント)の手当てをするうち、注射のミスで彼女を殺してしまったのだ。マシューは直ちに医療機器の不備を偽装、その場に痴話喧嘩でクリスティーンがいなかったこともあり、裁判では過失なしとして責任を問われないこととなった。しかもクリスティーンを法廷でかばったことは美談として伝えられ、かえって信用を篤くしていく。そしてその陰でクリスティーンは病院を追われるように、去っていった。だがその直後、彼女はふとしたことからマシューがサイモンになりすましているという真相を掴み、彼を問い詰めようと再び彼の許を訪れる。しかしもう彼女は、彼を断念できないと自覚、進んで彼の共犯者になろうと決意した。そしてマシューに次の試練が来る。マシューの秘密を知るアレック(ジミー・ユイル)に再び出くわしたのだ。マシューはアレック殺害を決意、言葉巧みに彼を郊外に連れ出し、崖から彼を突き落とし転落事故を装った。だが彼は重傷ながら一命をとりとめ、こともあろうに、救急患者としてロイヤル・クリフトン病院に運ばれてくる。彼は何とか輸血用血液に毒物を混ぜ、その結果、アレックは手術中に急死する。そのアレックを、マシューの実の妹になりすましたクリスティーンがマシューと証言、遂にマシューはサイモンとしてしかこの世に存在しなくなる。そしてマシューの別の病院への転職が決定。晴れて新生活を営む期待に胸を膨らませるクリスティーンは、二人の新居の筈だった家に、遂にマシューが来ないことで、彼に捨てられたと知るのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- クリストファー・モラハン
- 脚本
- ジョン・コーリー
- 原作
- ジョン・コーリー
- 製作
- クリストファー・モラハン
- 制作補
- Sue Austen
- 撮影
- ナット・クロスビー
- 編集
- Peter Coulson
- 字幕
- 細川直子