「最初のボタンの掛け違いで犯罪の道から抜けられない悲しい男」パーフェクト ワールド Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
最初のボタンの掛け違いで犯罪の道から抜けられない悲しい男
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総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 65
ケビン・コスナーの役柄は犯罪者である。もう幼いころから犯罪を続けてきた、犯罪が体に染み付いてしまっている犯罪者である。彼の逃避行中にも度々それが出てしまい、普通に窃盗もすれば突然の暴力も出る。
その反面、彼は根っからの犯罪者ではないことも示す。家族の暖かさに憧れ、友情を大切にする。彼は生まれた環境が悪く、また恐らくはイーストウッドが彼を刑務所に送り込んだことが彼をより犯罪者の道から抜け出せなくしてしまった。
彼は運が悪かったために犯罪者の道ばかり歩いてきたが、本当はそうじゃない自分に憧れている。だが最早犯罪が普通に体に染み付いた彼にはかなわぬ夢だったのだろう。彼にまともな社会生活が出来るものではない。たとえ彼の命が助かっても、アラスカにあると信じたパーフェクト・ワールドにたどり着けたとしても、脱獄の後も罪を重ね人を殺しておいて一人だけ幸せを得ることは出来ない。たとえどこに行ったとしても、彼自身が社会人としてパーフェクトとは程遠いのだから。その意味ではどちらにしろ救いようのない結末である。
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