「完成された世界、「パーフェクトワールド」を希求渇望する信仰」パーフェクト ワールド きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
完成された世界、「パーフェクトワールド」を希求渇望する信仰
クリント・イーストウッド監督、
失うものの計り難さ、
与えるもののあまりの大きさ、その計り難さ。
それを
「ミリオンダラーズベイビー」
「グラントリノ」
と監督は真っ向から描いている。
『パーフェクトワールド』という言葉は、おそらく聖書のキリスト教信仰から来ているのだと思う
“その時悲しみと涙がぬぐわれ、すべてが報われ、離れていた者たちが再会して愛が成就し、一切の誤解が解ける”、と。
聖書は、世界が完成して天国が到来する様子をそのように約束している。
自分の命と引き換えに誰かを救うこと、これよりも大きな愛はないと聖書には書いてある。
イーストウッド監督の作品のベース・バックボーンに、このキリスト教世界観が据えられていることは、否定できないだろう。
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僕の卒業した小さな学校の庭には浮き輪の形をした池がありました。
学校の校舎の名は「ストーン記念館」。あの洞爺丸遭難事故で、海中で自分の救命胴衣を外して日本人男性に渡し、沈んでいったアルフレッド・ストーン牧師を記念するものです。
粗末な校舎なんですが、引き替えに支払われた賠償金でこの校舎は建てられました。
「パーフェクトワールド」は、痛いけれど、胸を打ちます。
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