劇場公開日 1993年12月11日

「完璧な世界」パーフェクト ワールド Alexaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0完璧な世界

2016年7月17日
iPhoneアプリから投稿

邦題がそのままでよかった。って観終わった後に思う。

これはただの誘拐事件の物語ではない。もはやそっちはメインではない。誘拐犯のブッチはいい奴ではないが、悪い奴でもない。彼は小さい頃から独りで過ごしてきた。家族からの愛を十分にもらってなかったのだ。彼の父親こそが悪い奴である。そんな中である時ブッチは脱獄してフィリップを誘拐する。彼も家族の中では独りぼっちである。ブッチほどひどいものではないが。それを会った瞬間ブッチは悟ったのではないだろうか。そして誘拐して車で逃走する。最初はフィリップはブッチのことを恐れていた。けれども次第に彼からたくさんのことを学び、今までに見れなかった世界を見ることになる。そこからブッチとフィリップの絆が深まる。

ブッチは父からもらったポストカードを気に入っている。それにはアラスカの写真があり、そのポストカードの上の父のことは好きなのだ。だからアラスカに行けば完璧な世界が待っていると信じている。そのアラスカまでの道の途中、2つの家族に出会う。最初の家族は楽しく遊んでいた。家族の愛が見えたのだ。あとの家族もいい父親だと思った。しかし、両方の家族も完璧ではない。子供に暴力を振るう両親だったのだ。ブッチはどんな形の愛も求めている。家族の愛が見えたと思ったら、理想を裏切られていた。しかし、唯一裏切らないのはフィリップである。ブッチは最終的にはアラスカに行けなくても、彼にはフィリップがいた。フィリップにもブッチがいた。それこそ完璧な世界ではないのか。

警察やFBIがブッチを捕まえようと苦労する中で、彼らはA perfect worldのことを話す。でもそんなものこの世界には存在しないのだ。でも信じているものはたくさんいる。その人たちにとっての完璧な世界はいつかは見つかるかもしれない。

かなり考えさせられる映画。

Alexa