ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのレビュー・感想・評価
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考えるな。感じろ。
ロードムービーの究極の面白さってこういう事なんだろうなと思う。全てがぶっ飛んでいて痛快そのもの。何もかもがカッコ良く、言葉に出来ないほど切ない。最初から最後までどこを切り取っても名場面しかないし、登場人物全員が何とも憎めない愛すべきキャラクターだ。 ただこの作品は頭じゃなく「魂」で感じ取るべきと思う。だからあまり説明する気になれないし、それ自体がすごくダサい気がするのだ。分かる人には勝手にぶっ刺さるだろうし、分からない人に何をどう説明したところであまり意味がない。霊感と一緒で、見えない人には「残念でしたね」としか言いようがないのだ。 ラストシーンに何の説明が要る? 頭じゃなく魂で感じ取れ。 それ以外に言いようがない。
ギャングを交えてのなんちゃってコメディ
ティルシュヴァイガー扮するマーチンブレストは、検査の結果腫瘍が 脳を圧迫していて余命いくばくも無いと言われた。病室が一緒になったヤンヨーゼフリファース扮する海を見た事が無い骨肉腫のルディーウルリツァーを連れ立って病院を抜け出した。しかし盗んだ車はギャングの車だった。 あと数日の命だと理性を無くして何でもやりたくなるのかな。ギャングを交えてのなんちゃってコメディだったね。
海を見ていた午後
レビューを読んでいたら25年前に見逃していた「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」が再上映されているのを知る。 映画は映画館で観るのが基本って言っている身としては、このチャンスに劇場へ行くしかない。夜1回のみ上映のため、老体に鞭打って本日3本目、いざ新宿ピカデリーへ。 病院の検査で腫瘍が進行し余命わずかとの宣告を受け同室になった二人は「天国では皆、海の話をするんだ。のけ者にならないように」見た事がない海を見に行く事にする。 病院に停めてあったベンツを盗み、海を目指すが、ベンツはギャングの車でトランクには大金が。余命幾ばくもない者が大金を手にすればお決まりの物欲、性欲に遣い、残りは施しに使い切る。 おバカなギャングと間抜けな警官を巻き込んだ破天荒なアクションが繰り広げられ、良く90分にまとまっている。 かなりご都合主義なところがあっても許す。笑って最後にはしんみりとさせる。 こういう映画的興奮を劇場で体験出来るのが有り難い。良く再上映してくれた。 25年経ってもこういうチャンスが巡って来るから、私はVODでは見ないようにしているのだ。映画館の暗がりで観るのが一番。 しかし、今日はスペイン語、ゲール語、ドイツ語の3本で、老体には少し堪えたかな。
海を目指せ!
初めてドイツの映画を観ました。 重病を宣告された男2人が病院を抜け出し、知らずにギャングの車を盗み、見たことのない海を目指すというアメリカンな空気感のロードムービー。 ですがどこかお国柄というか、良くも悪くも真面目な作りという印象を受けました。 良く言えば解りやすく作り込まれている。 悪く言えば突き抜けが足りない。 …となんや書いていますがそんな事は気にせずにこの映画を友達と観て、観終わったらそのまま海に向かって欲しいです!
天国への扉
いま全国でリバイバル上映してるみたいですが、昔よくレンタル屋に並んでましたよね。 音楽好きとしてタイトルに引っかかるものの、観る気にならず未観のまま… まさか映画館で観る日が来ようとは(笑) やっと観たけど、良かったです。 犯罪系ロードムービーで、コミカルな感じや笑いもあり、トゥルー・ロマンスって名前の店も出てきます(笑) それもありタランティーノっぽいな…と思って観てたけど、終わってから調べたらタランティーノに影響を受けてるそう。 終わり方が良かった♪ 言わずもがな、タイトルはボブ・ディランの有名な曲からですが、 この映画で使われてるのはドイツのバンド、ゼーリッヒによるカバーで、少しロックっぽくなってます。 映画には使われてないけど、この曲はガンズもカバーしてて最高なので、知らない方はガンズのバージョンも聴いてみて下さい(笑) この映画はドイツのロードムービーなんだけど、これがアメリカのロードムービーだったら、自分の趣味的に当時すぐに観てたよな…と思いました(笑) 以前なかった配信も始まったみたいなので、どうぞ(笑)
余命いくばくもない男達のバカ丸出しの純情に振り回されるヤケクソ映画の金字塔
ほぼほぼ25年ぶりの鑑賞なのでエンディングを除いてほぼ新作映画を観ているような感覚で観れました。すなわち当時全然気付いてなかったことがバンバン眼球に飛び込んでくる。オープニングで出てくるナイトクラブの名前が“トゥルー・ロマンス”、そこでしょーもないジョークを飛ばす男とそれをこれっぽっちも理解しない相棒の噛み合わない会話は『レザボア・ドッグス』の冒頭シーンみたいで、黒スーツに黒ネクタイの出立ちは『パルプ・フィクション』のヴィンセントとジュールスそのもの、プレスリーとキャデラックが重要なキーワードになるものまた『トゥルー・ロマンス』。ということでこれでもかとタランティーノ作品へのリスペクトが詰まっていることに驚きました。本作も『トゥルー〜』と同じくヤケクソの逃避行を描いた作品ですがバイオレンスはほとんどごっそり取り除かれて、その代わりにブチ込まれるのが愛すべきバカ達による狂乱。主人公も彼らを追いかけるチンピラコンビも警察も出てくる男達が一人を除いて全員知性がこれっぽっちもないので何事も行き当たりばったり、それでもほぼ運だけで窮地を切り抜ける。この迷惑極まりないバカ騒ぎはガイ・リッチーの『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に受け継がれたような気がします。そんな頭痛しかないバカ騒ぎがあるがゆえに終幕の美しさも『トゥルー・ロマンス』の影響下にあると思います。天国ではみんな海の話しかしないらしいぜ、お前海を見たことないの?じゃあ行こうぜ!余命いくばくもない男達のバカ丸出しの純情にニヤニヤしながら最後にはさめざめと泣かされる永遠の傑作です。そうだ、『トゥルー〜』におけるデニス・ホッパーが本作でのルトガー・ハウアーであり、それが『ロック、ストック〜』におけるスティングに受け継がれてるのかなと思いました。 私はこういう自暴自棄な主人公の映画をヤケクソ映画と呼んでいますが、それの起源はニューシネマにあります。『明日に向かって撃て!』、『俺たちに明日はない』、『イージー★ライダー』、『バニシング・ポイント』、『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』・・・その隆盛のほぼほぼ20年後に『テルマ&ルイーズ』、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』、『トゥルー・ロマンス』そして本作とヤケクソ映画が量産された時代があったことはしっかりと胸に刻んでおきたいと思います。
初見
有名な作品なのか。 色々と都合良い部分はあるけど、この作品はそういうことではなく、全体を通して振り切ってる分、気にならなかった。 若い頃に観てたら、好きな映画になってたかも。うまく言えないけど。 評価:3.6
無敵な二人
先の短い人生 死ぬ前に夢を叶えよう どうせ死ぬんだ 怖くない いや 怖い 笑いと友情に溢れた良いロードムービーだったわ。 海を語るとことかワードセンス良すぎだよ。詩人かよ。 それに主題歌の歌詞がチャプターの題名になってんのセンス良い。
実に酒が呑みたくなる作品
たまたまレンタル屋で目に止まった作品。 おお!と、懐かしさもあって久々に観たくなりました。 「海を知らないと天国で寂しいぞ?」なんな理由で二人海を目指すクライムロードムービー。 主演だけでなく、脚本・制作にも参加したティル・シュヴァイガーの出世作でしょう。 マフィアの車を盗んで海へ向かう旅。そんなスタートからですが、まぁとにかく破天荒。後先の事を全く考えない行動はむしろ爽快。 しかしただ愉快な旅だけでなく、時折現れる発作が確実に近づいている死を思い出させます。 そんな、死を覚悟した二人が手を握るのが実に印象的。 そしてやっと海にたどり着いた二人。その浜辺を歩く姿はとても感慨深いものでした。 言葉もなく海を眺めながら回し呑みするテキーラ、それはとても美しかった。 こうして二人の旅は終わり、そしてこれ以上ないタイミングで流れる「ヘブンズドアー」。 本当、実に酒が呑みたくなる作品です。
煙草とテキーラと海
新宿ピカデリーありがとう💕映画館で、それもライブ音響上映で見ることができるとは!見る前から嬉しいのとワクワクで涙目でした。やっぱりいい。音楽の良さもよくわかりました。ドイツ映画のかっこよさがぎっしり。(2022.11.04.) エルヴィスに倣って、エルヴィス・ファンの母親にピンクのキャデラックをプレゼントするシーンがあることを強烈に思い出した。今日、映画「エルヴィス」を見るからだ。ピンク・キャデラックの場面がなかったら怒るぞ!楽しみ~。(2022.7.5.) 若い世代が作った自由でかっこよくてドイツ映画の金字塔ポジションの映画。なんと初めて見た。勿論知ってた。やっと見ることができた。ティル細くてかっこいい!(「イングロリアス・バスターズ」でも会ったね!)ブルーの目が美しく救急車の中でにこっと笑った目がいたずら小僧でかわいかった。プライプトロイいい味出しててお腹痛くなる程笑えた。移民の役が彼は本当に上手くて移民ドイツ語を話させたら右に出る者なし!そして間抜けのルンルン警官ケラー! 脚本、キャスティング、映像、カメラ、音楽、編集、衣装、セット、カーアクション、ヘリ、色んな車、ドンパチ、セリフ、全てが最高に良かった。ドイツらしさとドイツらしくなさがうまくブレンドされたジャンル超越映画。 死は生の一部だよ。天国はそりゃいいところだ。そこで流行ってるのは海の話なんだから、海を見たことなけりゃ話に入れないよ。何しろ天国での暮らしは長く続くんだから。「怖がることはないよ」ドイツは詩人と思想家の国。この映画を見てセリフを聞いたら素直にそう思える。 ユーロでなくてマルク、携帯なくて公衆電話の時代だったんだ、ほんの少し前と思ってたのに。権威もヒエラルキーもなくて若い世代が家族みたいにして作った映画愛たっぷりのドイツ映画。 おまけ 2017年ドイツ公開の映画でもブライプトロイ大活躍!大麻&幼なじみとの友情話。大笑いできる映画!(タイトルは "Lommbock")
ギャングたちも病院の患者も下ネタギャグのオンパレード。
マーチン・ブレスト(シュヴァイガー)は脳腫瘍。病室でいつもタバコをぷかぷか。そこへ骨肉腫のルディ(リーファース)が同室になり語りあうが、「海を見たことがない」と告白する。ギャングの二人組、ベルギー人ヘンクとアラブ人のアブドゥル(モーリッツ・ブライブトロイ)が少年を撥ねて病院へやってくる。マーチンとルディは運よくキーが見つかったので乗り逃げ・・・GSでも文無しで給油。服を買うために銀行を襲ったが、その直後にギャングも銀行へ(笑) 逃亡劇も長期戦になった。機転を利かせたマーチンがルディを人質にとった風に装ったからだ。ニュース番組ではヘルシンキ・シンドロームについて話題となっている。やがて警察とギャング双方に銃撃されたりするが、マーチンがプレスリーのようにピンクのキャデラッ九を母親にプレゼント。そして、車の中で見つけた金は銀行やGSに返すようにする。死ぬまでにしたいこと。二人の女とヤル・・・運悪く、そこはギャングのボスの店・・・絶体絶命のピンチ! 最後に美味しい役どころ、ボスが金を返す相手の大ボス・カーティス(ルドガー・ハウアー)が渋い。拳銃を向けられた二人に「最後にやり残したことは?」「海を見たい」「じゃ、行け。天国じゃ海が話題になるからな」 笑えて、緊張して、泣けてくる映画。何度も発作で苦しむマーチンもいいし、それに従順に従うルディもいい。もちろんおとぼけギャングたちも。ギャングの金100万マルクにしても、迷惑かけた人たちに贈って、ほとんど残らなかったところも。ラストの海はほんとにすがすがしい。おまけの映像も・・・あの警官もあほだ。
知ってるか?天国では海の話をするんだぜ。
とても久しぶりに観賞。やっぱり凄くいい。余命宣告をされた二人の男が「海を見に行こうぜ」って周囲に散々迷惑をかけながら旅をする話。 ご都合主義でけっこう笑えないことをしてるんだけど、そういう常識を映像のポップさと登場人物の魅力でねじ伏せる映画力に満ちた作品。ラストシーンは、ショーシャンクみたいな突き抜けるような爽やかな青でなく、荒く波打った少しくすんだ海だけどそこがまた素晴らしく余韻の残るポイントでもある。
ピンクのキャデラック
理由はどうあれ、散々シッチャカメッチャカに暴れマクりな好き放題で、主人公二人に対して周りが甘やかし過ぎる展開が続く。 ギャング二人はアホ丸出し、ルトガー・ハウアーが登場に最後まで甘やかされ、あれだけ銃撃戦を繰り広げる中、死人はゼロって誰も傷付きすらしない。 スケボー少年の悪態を突いた口の悪さがナイスキャラで、一番笑えて印象に残る場面だった。
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