「イングマール・ベルイマン監督の最高傑作‼️」野いちご 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
イングマール・ベルイマン監督の最高傑作‼️
わが敬愛するイングマール・ベルイマン監督作品の中でも一番優れている作品だと思うし、一番好きな作品ですね‼️ベルイマンの作品には夢や幻覚のシーンが多く見られ、時に難解と思われる作品もありますが、この「野いちご」はそれが最も美しく、そして最もわかりやすく表現されていると思います‼️ストックホルムで孤独に生きる78歳の老医師イーサクは、名誉博士の称号を授与されることになる。別居中の息子の妻マリアンと車で式典に向かう途中、イーサクは60年前の恋人サーラとの悲恋を回想する。サーラによく似た女性ら若者三人組や、喧嘩ばかりしてる老夫婦を車に拾うなどしながら目的地へ向かうが・・・‼️自分の死体と出会う奇怪な夢や、恋人が弟に奪われる回想シーン、妻が男と密会する現場を目撃したことを思い出したり、医師の試験を受けさせられたあげくの有罪判決、マリアンから子供を産むことを息子が許さないと相談されたり・・・‼️回想場面に現在の主人公自身が登場するのも独創的だし、夢と回想と現実が錯綜するような構成も印象的で、老いて死を予感している主人公の内面のイメージが見事に表現されていますよね‼️そんな夢と回想を織り交ぜながらのロードムービーを鑑賞しているうちに、イーサクのこれまでの様々な人生模様が浮かび上がってくる、まるで走馬灯のような映画ですね‼️そして若者三人組に祝福されたり、息子夫婦の仲直りを見ているうちに、名誉よりも心を開くことが大切であると気づいた主人公が、安らかな心でサーラの夢を見るラスト‼️なんて素晴らしい着地点なんでしょう‼️まさに人生に対するノスタルジー‼️ベルイマン監督の演出は静かで詩的で美しく、ホント心に沁みる‼️深みのあるモノクロ映像も格調を高めていてホント素晴らしいですね‼️
活動写真愛好家さん、共感ありがとうございます。
イングマル・ベルイマン映画は10作品ほどしか観ていませんが、今でもこの「野いちご」が一番印象に残っています。例えば「沈黙」や「仮面/ペルソナ」などは難解で十分理解したとは言い難く、また「魔術師」と「叫びとささやき」には人間の醜い部分や恐ろしさがあって、感心しながらも積極的に好きとは言えませんでした。それでも「冬の光」と「処女の泉」にはとても感動しています。
個人的には齢還暦過ぎたここ最近、悪夢とまでではなくも変な夢を見るようになって、これも老化の表れなのかと思うようになりました。今は趣味三昧に耽る呑気な時間を過ごしているのに、夢の中では若い頃に悔やんだことや嫌だった出来事を想い出しているのです。そんな時この映画の主人公が重なります。歳を重ねて充分満足した人生と考えていても、不思議なものです。
夢は映画の重要な要素でもありますね。チャップリン然り、黒澤監督も作品にしています。17歳の高校生の時、テレビで淀川さんがフェリーニの「アマルコルド」を絶賛していて、田舎の映画館でロードショウされず残念に思っていたら、夢の中に神社にお参りする自分が現れました。するとそこに淀川さんが現れて何をしているのですかと尋ねられ、答える自分でした。結局遅れて公開されて正夢になりました。何事も夢中になると可笑しなことになるものです。