「ベルイマンらしい分り辛さ」野いちご Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルイマンらしい分り辛さ
総合55点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:60点|音楽:65点 )
社会的に成功している医者が急に夢を見る。何故今更彼はこんな夢を見るのか。
彼の体験するようなことはこの日ではなくても普通に起きていたのだろうが、彼自身がそれをあえて気にもせずに無視していただけではないかと思う。年老いて死を意識して初めて知った自分の不安と孤独という現状が、他人に無関心な彼の観る景色と人に関する意識を変え彼自身も変える。自分の意識の変化が観るものを変えているのである。
でもベルイマン監督らしい抽象的な描き方で相変わらず分り辛い。夢と現実が交じり合ってはっきりしない。感覚で感じとるのだろうが、彼の演出にはどうも素直にのめりこめない部分がある。たった半日の小さなことの積み重ねでの変化というのにもそれほど惹きつけられなかった。
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