劇場公開日 1949年11月

「ロマンティック・コメディの傑作だ。」ニノチカ 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ロマンティック・コメディの傑作だ。

2024年9月28日
PCから投稿

パリを舞台に、ソ連の女性外交官ニノチカ(グレタ・ガルボ)と、独身貴族のレオン・ダルグー伯爵(メルヴィン・ダグラス)が恋に落ちる姿を描く、ロマンティック・コメディ。

ソ連の五ヶ年計画や集団農場と言った、共産主義に関するジョークを巧みに取り入れていて、これは侮れない知的なコメディだ。共産主義の無機質さや、当時ドイツで台頭したナチスもネタにしている。

グレタ・ガルボが、冷酷なソ連の外交官が、次第に人間味を表していく姿を、非常に魅力的に演じきっている。3人組のソ連の役人も、滑稽な役柄を、ユーモアたっぷりに好演している。

繊細で優雅な遊び心の中に、政治風刺をうまく混ぜ合わせている。とても上品なスラップスティックだし、後のシチュエーション・コメディのお手本にもなったと思える、ロマンティック・コメディの傑作だ。

瀬戸口仁
吹雪まんじゅうさんのコメント
2024年10月23日

コメントありがとうございます!

確かに描写不足はあったかもですね。説明臭くなるのを監督が避けたのかもしれませんし、そのへんのバランスって難しいですよね。

この映画には時代に左右されない普遍的なテーマが含まれていますよね。そして単純に面白い!だからこそ未だに愛され続け、サブスクでも観れる(笑)ありがたや…☺

吹雪まんじゅう