「90分以内に暗殺しないと娘の命はない」ニック・オブ・タイム みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
90分以内に暗殺しないと娘の命はない
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駅構内で何者かに娘を誘拐された税理士のジョニデが、非情にも女性州知事の暗殺を命じられる。
しかも、彼の周囲を常に犯行グループの怪しげな面々が監視しているので、彼は警察に駆け込むわけにも行かない。
奇抜なメイクも派手な衣装もない普通のジョニデに物足りなさを感じるが、それでも娘を助ける為に奔走する必死の父親像はとても新鮮だった。
本作はヒッチコック・タッチの巻き込まれ型サスペンスとも言える。また、劇中内における時間の経過と実際の時間とがほぼ同じになっている。これはリベラル派のフレッド・ジンネマン監督による西部劇の名作『真昼の決闘』と同じやり方だが、物語の進行をリアルタイムにすることで脚本の粗さが出てしまったね。尺が足りずに、暗殺事件の背景となる人物の描き方がおざなりになってしまったと言うか。
神出鬼没にジョニデの前に現れるクリストファー・ウォーケンのえもいわれぬ不気味さが際立っていた。
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