「脱・尼僧物語だったが…」尼僧物語 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
脱・尼僧物語だったが…
「山河遙かなり」「地上より永遠に」に続いて
観たが、この映画は
フレッド・ジンネマン監督作品としては
初鑑賞。
長い作品だったが、
服従が絶対とか、
過去を棄てさせるとか、
そんな教義が
今でも生きているのだろうかと考えたり、
そもそも男女同権の現代でも
このような修道院はまだ存在するのだろうか
とか、疑問を持ちながらだったので、
一応集中を切らさず鑑賞はしたものの、
約2時間半の上映時間の
特に前半のほとんどが、
修道女の厳しい戒律の世界が
描かれ続けたのにはさすがに閉口した。
ジンネマン監督はこの作品で
何を描きたかったのか。
閉ざされた修道院の非人間的環境なのか、
植民地における支配国民と被支配国民の
格差だったのか。
しかし、徐々に主人公の
信仰と看護の間での葛藤色が強くなり、
終いには世俗的な医師の影響もあって、
最終的に、脱・尼僧の決断を下す。
ナチスによるベルギー侵攻や
父の死を前提とすると、
レジスタンスの看護スタッフとして
信仰よりも大切なことを見出す一人の女性の
生き様を描いた作品なのだろう。
しかし、全体としては切れ味の悪い
冗長なイメージで、長い割には、
先にコンゴに行った同僚との再会や、
彼女の本質を見抜いたコンゴの医師の元に
戻りたいとの想いをどうしたのか、
との描写が無く、
「地上より永遠に」で見せた
各要素を上手く絡ませる構成が欠けており、
重層感が不足してしまった印象だった。
ところで、晩年はユネスコの特使として
活躍したヘップバーンだが、
この作品での経験が大きかったのだろうか。
それにしても、
こんなに笑顔のほぼ無いヘップバーンの
映画もほとんど無かったように思うのだが。
さて、
修道院の戒律が前面に出たこの手の作品は
私にとって苦手の部類だろうが、
たまたま一つ前に観た同じジンネマン監督の
「地上より永遠に」でのデボラ・カーが主演の
「黒水仙」という作品もあるし、
「尼僧ヨアンナ」という
名高いポーランド映画もあり、
観るか観ないか迷ってしまった。
「尼僧物語」の感想のやり取りを横から読ませて頂きました。勝手してすみません。
ルイス・ブニュエルの「ビリディアナ」、おすすめです。
御用宗教に堕したキリスト教を離れて2000年前のナザレのイエスがあの頃 実際どういう人々と共に生きていたのかを訪ね、その生き様を追体験し、イエスの弟子として共に生きる生活に入っていく修道女ビリディアナの物語です。
彼女の姿は、インドの貧民街に単身住み込んだマザー・テレサに重なります。
書いていただいていますように、
🍀信仰よりも大切なことを見出す一人な女性の生き様🍀を表すこと
だったかと思います。改めて観て戒律の厳しさに驚きました。
非人間的、とも言えますよね。
世俗的な自分としましては、お父さんの心配されるように、早くこちらに戻って来て欲しい、と願っておりました。昔も今も。私だったら、もっと長くお父さんと過ごしておれば、と後悔しきり、となりそうです。😢
おはようございます🌞
お気遣いのコメントをいただきましてありがとうございました😊
病院に入り込んでナースを撲殺したシーンが一番鮮明で、お医者さんに色々諭されるところ、断髪、
尼僧の姿、出ていくところが記憶に残っていました。戦争の記憶は全くありませんでしたが。😓
こんばんは♪
本作やっと最近観ました。戦争のことなど初見みたいな記憶でした。主人公のアフリカ地域への救援への必死な思いがよく伝わって来ました。
人を助けたいという想いが大きかったのでしょうね。
遅くに失礼いたします。
昨日は、たくさんやりとりさせいただきましてありがとうございました😊
仰るように、オードリーさんは、本作でコンゴの実態も見てられますので、心に思うことがあった、と思います。そして、後年、
ユネスコの活動でアフリカ各地にもだいぶ行っておられたようです。
本作、ほぼ中学生くらいにオードリー•ヘプバーン目当てで観ました。窮屈な生活で最後、出て行くストーリーくらいの記憶です。
オードリーさんが、ユネスコの広告塔に主体的になられたのは、
戦時中、ユネスコの食糧支援で生きながらえた感謝の気持ちがあるからだと思います。
『オードリー』作品であったのですが、ご自身の体調不良をおしてユネスコの為に世界中を駆け回っておられたが為に、‥‥。