「水商売の女に惚れるな!」嘆きの天使(1930) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
水商売の女に惚れるな!
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コミカルな中にも教授の一途な想いが伝わってくる。50過ぎまでずっと独身を通していた教授はお世辞にもいい男とは言えないが、学校をくびになり、思い立ってローラにプロポーズして彼女は見事に受け入れた。旅の一座と行動を共にするようになったが、すでにヒモ生活をするようになったラート。ようやくピエロとして舞台に立つ決心をするが、次の目的地は故郷の“嘆きの天使”だった・・・
退廃的な魅力満載のナイトクラブ。舞台裏でのやりとりが多かったが、表舞台での魅力もたっぷり。真面目一筋だった男の末路は見事に表現されているのだ。結婚できたのはいいけど、まるで彼女の奴隷。愛するがゆえに嫉妬心も激しい。再起をかけてピエロとなる道を選んだのに、ローラを口説く男が現れたため気が気でならない。そして生徒たちが多数観客としてあふれているクラブで、仁王立ちになったラート元教授。手品師の助手としてだったが、とても楽しめるものではない。舞台裏へと暴れはじめたラートだったが、やがて放浪の末、元いた学校へと向かい教壇に突っ伏して死んでしまう・・・
恋多き女の歌が彼女の人生を表していて、まじめな男が水商売の女に惚れるなよ!という教訓でもあるかもしれない。虚しい・・・
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