トレインスポッティングのレビュー・感想・評価
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作品に詰め込まれた「戻る」演出が面白い。
○作品全体
この作品は「戻る」に溢れた作品だ。
大筋の物語を辿ってみると、そこにあるのは「クスリに戻る」、「仲間のもとへ戻る」。ヤク禁をしても、まっとうな職についても周りから指を差される環境へ戻っていく。この作品を見ているとその戻り様にもどかしさを感じるのだが、その一方でそのもどかしさがやけにリアルで、自分にとっては別世界のストーリーの中で共感する部分がいくつもあった。
こっちへ進めば成長の兆しがあると分かっているのに、楽な方を選択してしまうもどかしさ。戻り続ける自分はそのままに世界は変わっていくところもそのもどかしさに拍車をかける。劇中でレントンとダイアンが話していた世界の変化は、自分の世界にとってはそこまで大事件ではないものの、間違いなく影響を与えている。その表現の塩梅が絶妙だった。
映像演出面での「戻る」は、やはりファーストカットとラストカットだろう。
この作品のファーストカットは画面奥へ走っていくレントンの足元のカット。そしてラストカットは金の入ったバッグを手に手前に歩いてくるカットだ。
奥へと乱暴に駆け出していったレントンが、ラストカットで画面手前へ戻ってくる。
「今」を重視し「老い」を侮蔑するレントンが、「寿命を勘定して」過ごそうと変わろうとしている。尖った生き様をしようと突っ走っていったレントンが普通の生き方をしようと理性的に歩いてくる...まるで普通の生き方から必死に外れようとしていたレントンが、その輪に戻ってきたかのようだ。
ラストカットのレントンのセリフ、「これを最後に足を洗ってカタギの暮らしをする楽しみだ。あんたと同じ人生さ」とメタ的に話すところも面白い。画面手前へ向かってくるからこそ意味が強まるセリフ。個人的にはごく一般的な人間である自分の元にレントンが近づいてきたような印象が残った。必死にレントンは遠ざかろうとしていたのだろうけど、戻ってきてしまった...そんな印象。
人物の映し方、そして歩かせ方から伝わる「戻る」の演出。ファーストカットとラストカットは特にその表現が素晴らしかった。
そのほか、レントンの芝居には「戻る」という芝居が多かった気がする。ダイアンをナンパした時、ベグビーが競馬で騒ぐのを廊下で聞いた時、終盤のシーンでベグビーからタバコを要求された時...物語の分岐点では特にそういった芝居が目についた。
刺激的なシーンが多い作品だけれど、根本にあるのは突拍子のないものではなく、「戻る」という感情。戻っているのだからその変化は目に付きにくいけれど、戻っている間にも世界も自分も変わり、過去とは違う何かであるのは確かだ。
『トレインスポッティング』は、その微妙な変化をビビッドに映し出した作品だった。
○カメラワークとか
・カメラの置く位置が面白いカットがたくさんあった。便器の中、カーペットに沈んだままの主観視点、ラストシーンの90度傾いたカメラのカット。どれもテンポの良いカット割りが上手く効いてた。
・大自然を堪能しに行く四人のシーンはどれも構図が良かった。手前の電車が過ぎて映るバラバラの方向を向いた四人のカットは、それぞれが違うトラブルに遭ったけれど同じ結末(女難)を辿っている四人に絶妙。四人のバックショットと山、というカットも良かった。曇り空がいい感じに虚無感を孕んでた。
・影と色の変化で魅せる演出が良い。終盤、暴れるベグビーを背に映すレントンの半分影に埋まった表情が印象に残った。友人への裏切りの感情を抱えたレントン。このカットがバッグを攫うところへ繋がる。
○その他
・『木更津キャッツアイ』っぽい。いや、『木更津キャッツアイ』が『トレインスポッティング』っぽいんだけど。『木更津キャッツアイ』のうっちーはもうそのまんまスパッドって感じなんだなあ。モヒカンっぽい髪型、キョドリ具合、表情の作り方、時たまマトモなことを言う不思議空気とか、まんまだ。
”クール・ブリタニア”を決定づけた一本
公開は96年、しかしこの物語の舞台は(一説では)80年代の終わりと言われる。つまりサッチャー政権による経済政策のあおりをモロに食らった年代。社会保障は切り詰められ、国営企業は民営化され、格差はますます拡大し、まさに人々は冒頭で吐き出されるレントンの「choose」スピーチそのままに、日常生活や人生の全てを自己責任で選択しなければならなくなった。
本作はよく「時代を変えた」と言われるが、ドラッグをめぐる快楽主義をブリット・ポップに乗せてテンポよく紡いで見せるスピード感、リズム感は今見ても全くもって色褪せない。この類稀なるセンスとともに、限られた予算の中でスタジオのセットを多用し知恵と創造性を存分に絞り出したことも大きかったに違いない。
やがて一人で旅立つ主人公。善悪の価値基準なく、信じるものも、仲間の後ろ盾も全くない。彼らは「瞬間」を生きている。その意識の流れが「born slippy」の調べと相まって、何度見直しても、今なお極上の陶酔を生み出してくれる。
さらば青春の光。 世界の映画界を震撼させた“スコティッシュ・インヴェイジョン“の衝撃を観よっ!
ヘロイン中毒の青年たちの人生を描いたクライム・コメディ映画『トレインスポッティング』シリーズの第1作。
“豊かな人生“に背を向け、薬物に溺れるスコットランド人の青年レントンは仲間たちと共に自堕落な生活を送っていた。ある日、彼は意を決して薬物から足を洗う決意をするのだが…。
監督は『シャロウ・グレイブ』の、後のオスカー受賞者ダニー・ボイル。
主人公マーク・レントンを演じるのは『シャロウ・グレイブ』の、名優ユアン・マクレガー。
第49回 英国アカデミー賞において、脚色賞を受賞!
ダニー・ボイルとユアン・マクレガーの名を世に知らしめたカルト的名作。
監督以外のメインスタッフ、メインキャストはほとんどがスコットランド人で撮影もグラスゴーで行われている、由緒正しきスコットランド映画である(メインキャストではシック・ボーイを演じたジョニー・リー・ミラーが唯一のイングランド出身者。ボンドマニアのシック・ボーイだが、実はミラーのお爺さんは『007』シリーズの初代“M“を演じたバーナード・リーだったりする)。
制作費はわずか150万ポンド(大体225万ドルくらい?)でありながら興行収入は7,200万ドルを超え、批評家からの評価も高く、“ブリティッシュ・インヴェイジョン“、いやさ“スコティッシュ・インヴェイジョン“を全世界に巻き起こした。
“ゴッドファーザー・オブ・パンク“ことイギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」(1977)をBGMにして、警備員から全力疾走で逃げる若者たち。そこに“豊かな人生“を否定し、ただ“破滅的な快楽“のみを求めるレントンのナレーションが重ねられる。このOPからしてもう名作の匂いがぷんぷんっ。ヘロインに身を委ね、真っ逆さまに奈落の底へと落ちてゆく若者たちの青さや愚かさを一発で観客に分からせる素晴らしい幕開けです。
薬物、アルコール、暴力、貧困、セックス、HIVと、描かれている内容はなんともヘビー。閉鎖的なムラ社会に囚われた主人公が済し崩し的に身を滅ぼしてゆく、絶望感に満ちたストーリーである。
それだけ聞くといかにも暗くて辛気臭い映画のように思えるが、その内実は非常にポップ。奇想天外な編集、往年の名曲からテクノまで幅広いジャンルが用いられた劇伴、キューブリックを彷彿とさせる挑戦的な画角、瑞々しい俳優たちのアンサンブル、ニヤリと笑えるブラックなユーモアなど、どこまでもオシャレで楽しい映画に仕上がっている。
決して説教臭くはないが、薬物の恐ろしさは怖いほどに伝わってくる。そのバランスが見事。特に、レントンにヘロインの離脱症状が襲い掛かるシーンなんてどんな薬物乱用防止啓発ビデオよりも強烈で、この悪夢的映像を見させられたらイキッた不良もつい尻込みしてしまう事だろう。
押し込められる子供部屋の幼稚な電車柄の壁紙が、またあのシーンのエグみを増幅している。天井を這う赤ん坊の人形もあえてチープに作られており、それが逆に恐怖心を煽る。この様なセットや小道具への確かな目配せもこの映画の美点である。
中盤、ヘロイン仲間の赤ん坊が亡くなるところから物語のカラーがよりダークに変化する。結果的にそれがクライマックスの薬物売買へと繋がってゆく訳だが、この「最後に一山」と言わんばかりのサービスが無くても本作は十分に成り立っていると思う。こういう山場がないと映画を終わらせられないというのは分かるのだが、少し製作者の作為が見えてしまった。
ただ、この映画のラストシーンは素晴らしい。仲間を裏切り、1人静かに金を持ち逃げするレントンは、ナレーションで“破滅的な快楽“から卒業し“豊かな人生“を歩んで行くことを宣言する。BGMには当時のレイヴ・カルチャーを象徴するかの様なエレクトリック・ミュージック、アンダーワールドの「Born Slippy Nuxx」(1996)が流れている。
貧しい故郷から豊かな都会へ、スコットランドからイングランドへ、青年から大人へと遷り変わるレントンを、OPと完成に対となる映像と音楽により鮮烈に描き出す。パンクからレイヴへとポップカルチャーが移り変わる様に、人もいつまでも同じところに留まっている事は出来ない。それを伝えるこの演出の妙!これぞ映画だ!!
『さらば青春の光』(1979)にも似た、切ないながらもどこか爽やかな“敗北“の物語。しかし、果たして主人公はこの後本当にクスリから足を洗う事が出来るのか。意思薄弱なレントンの姿を見るに、それは到底不可能な様に思えてしまう。
この映画は最初から最後までクズはクズのまま、という非道徳的な人物描写が為されているが、そこが薬物中毒患者のリアルを映し出しているといえる。ドラッグ汚染は安易な綺麗事で済まして良い事案ではないことを、ちゃんと製作陣はわかっているのだ。
その証拠に、脚本家のジョン・ホッジはなんと元お医者さん。本作に登場する看護師さんたちは、彼のかつての同僚だったホンモノの人たちなのである。退廃的な映画だが、ドラッグを礼賛する内容では無い事は明確であると言えよう。
世界的に有名な俳優は誰1人として出演していない。後にジェダイの騎士となるユアン・マクレガーも当時はまだまだ駆け出しの若手俳優だった。しかし、キャストたちの演技は堂に入っており、スコットランド俳優たちの層の厚さを感じさせる。ちなみに、スパッドを演じるユエン・ブレムナーは映画に先駆けて上演された舞台版ではレントンを演じていたらしい。一体どんな感じだったのか全く想像がつかない…。何はともあれ面白いキャスティングである。
ユアンもユエンも見事だったが、最も目を引いたのはヒロインを演じたケリー・マクドナルド。本作で映画デビューを果たした彼女だが、たまたまバーでチラシを見てオーディションに参加したという、正真正銘の素人だったというのだから驚く。しかしながら、スクリーンの中の彼女は他のだれよりも魅力を放っており、スター性はピカイチ。こんな女の子が偶然オーディションに現れるなんて、奇跡としか言いようがない。その後の大活躍も当然だと思える、堂々たる初陣である。
タランティーノの『パルプ・フィクション』(1994)、フィンチャーの『セブン』(1995)、そして本作。94年〜96年にかけて生み出されたこの3本が、後の映像表現に革新をもたらした事は間違いないだろう。今なお強い影響力を有するクール御三家の一角、映画ファンとしてこれを観ないという選択肢はあるまい。
薬物の恐ろしさと若さの愚かさ、そして成長するためには故郷や友人を切り捨てることも必要だという教訓が詰まった名作。10代の少年少女たちにこれを観せなければなりません!
※Blu-rayの特典映像になぜかノエル・ギャラガーへのインタビューが…。作中で使用されたのはオアシスじゃ無くてブラーじゃねぇか!いい加減にしろっ(まぁデーモン・アンバーンもインタビューに答えてはいたんだけど)!!
ノエル兄貴も流石にこの映画を観た後じゃ「テメーらエイズで死ねっ!」とは言えない…よね?
ドラッグ中毒で、社会の底辺にすむ青年の物語。なにも学ぶものがなかった。
薬物依存の主人公
断薬に挑むが一日も続かない
いろいろあって、家族が断薬に協力し
見事に薬を断ち切る
って書くと、良いお話に感じるが・・・・
作品自体は汚いし、下品だし
たぶん、もう見ないと思う
続編があるようだが、興味なし
当時のイギリスの社会問題に切り込んでるとしても
もっと違う表現があるだろう
って思っていたら
皆さんの評価が結構高くてびっくり
俺、理解力が足りないのかな?
自分の感想としては
・同じ、ドラッグ中毒の主人公を扱っていて
・同じ、イギリスの映画なら
『ボブという名の猫 ~』
の方が良かった
なんだこれ !!
ポップでユーモラスで破滅的で退廃的 … アクの強い映像に引き込まれた。
レントン( ユアン・マクレガー )、その後『薬』は抜けましたか ?… 家族でXmas、年金、税金控除、庭掃除…。
いやー!凄い‼︎
ー the worst TOILET in Scotland
ー あんたと同じ人生さ
BS-TBSを録画にて鑑賞 (吹替版)
徐々に面白くなる
序盤はちょっと汚すぎて引いた
最後は良い終わり方だと思う
1番まともに生きようとしてた主人公が大金を手にして、根が良いスポッドにはお金を分けて、人を利用するシックボーイには一銭もあげず、タチ悪いカーライルは逮捕される。何もかもスッキリ!
結局クスリやっていないカーライルが1番怖かった。
こういうワル仲間は決まってめちゃくちゃ友達を大事にするのはなんでだろう
異常が正常、腐れ縁
クスリに一度でも足を踏み入れるとこんなになってしまうのか。。クスリからも仲間からも抜け出せずに。。
と恐ろしさいっぱいで観たが、世間の評価が「カッコいい」とか「映像がすごい」になっていることにまた驚き。
トレインスポッティングのユアンマクレガーに甲本ヒロトは憧れているのかな?カッコ良いとは思えなかった。
キムタクはどうしてこの映画のTシャツを着ているのだろう。
「習慣が変われば、人格が変わる。」
「人格が変われば、運命が変わる。」
「運命が変われば、人生が変わる。」
この言葉を思い出した作品。
習慣をどうしても変えられなければ、仲間を変えて環境を変えるしかないのかな?
何故か自分を重ねてしまう不思議。
人間の汚い、せこい面をこれでもかと映している分、評価が別れる作品であると思うが、私はとても大満足だった。
学生が表面を切り取ってカッコいい、これを崇拝してる俺イケてるでしょっていう作品なのも納得のスレたお洒落さ。しかし、世間のレールに必死に抗う若者の姿勢に懐かしさを感じた。
もちろん薬物映画ではあるので馴染み自体はないが、若者特有の焦燥感にはどこか共感できる人も多いのではないだろうか。学生時代にはこう考えてたこともあったなと感傷に浸りながら見た。
最後は薬物取引で友人と得た大金をスパッドに残しつつも裏切り持ち逃げ、そのお金で堅気として人生をやり直すと誓いエンドとなるが、そこでかかるBorn Slippy(nuxx)が美しくカッコよかった。
見やすいテンポでレントンのキャラクターにどこか愛着を持てるような若者の焦燥感を描いた秀作でした。
座薬のドラッグって本当にあるのかな?
お洒落で、音楽のセンスがよく、テーマが刺激的で
映画を観続けていた25の頃にこの映画を観て、なんか泣いてしまいました。
僕はドラッグをやっていたわけではないですし、ここまで乱れた生活をしていたわけでもないです。
その頃、僕は25歳にも拘らずまだ学生でしたが、学校での年の離れた同級生との生活に馴染んでいるとは言えず、学校外で付き合う友人達も酷い有様で、家に帰ればアルコール依存症の家族と向き合う生活でした。
大学にも将来的な目標があって入ったわけでもなく、かなり出遅れた人生の中で、この先、何をして生きていくんだろう?と、目標を見失っていた時期だったように思います。
そんな僕にとって、彼らの自暴自棄な生き方や、何度もやり直したいと思いながら結局元に戻ってしまう姿は、自分を見ているような痛々しさがあり、共感してしまったんだと思います。
ドラッグに溺れ、血と金に飢え、家族を泣かせ、仲間を裏切り。
そんな日常を描く映画のどこに共感するポイントがあるんだとは思いますが、多分、レントンが心の底からのクズであればここまで共感はしなかったと思います。
実刑を受けたスパッドの母親に掛ける言葉をためらう姿、子供をなくしたアリソンにかける言葉をなくしている姿、朦朧としながら親と一緒にビンゴ大会に参加している姿。
そんな姿に、彼が悪意に染まりきっていない、人らしい悩ましさを感じます。
レントンは望んでめちゃくちゃの人生を歩いているようですが、僕の中では望まずにその道を進んでいって引き返せないことを絶望しているように見えます。
何も目標がないまま、なんとなく流されて、なんとなくつるんでいた仲間達と遊んでいたらこんな人生になってしまっていた事に絶望しているような。
それは彼に責任はあるのですが、この時代のこの国の若者達にとって、目標をなくして落ちていくということはこうなってしまうという現実でもあったんだと思います。
モノローグで語られる彼の本音は、ドラッグが欲しい、ドラッグを止めたい、やっぱり欲しい、やっぱり止められない。
延々とその繰り返しです。
止めたいのに止められない。そして我慢できないので止められなかった理由を探し、手を出してしまう理由を見付けて許してしまう。
やっていることがドラッグなので犯罪性がでますが、何かに依存して抜けられずにループした経験は少なからず自分にもありますし、アルコール依存症の家族を見続けたことでそれに触れてきた事もあります。
依存すると嘘ついてでも止めたくないですよね。
それを拒まれると相手が一番嫌がる言葉を吐いてでもやろうとしますよね。
本当にそういう人生って最悪だと思います。
でも、彼らが心の底からクズなのか?と言うと、調子のいい時は前向きになりますし、自分がやってしまった事も後悔し謝罪もする。
そういう姿を見ると、まだ戻ってこれそうな気がしてしまう。
けれど、やっぱり抜け出せずにループして、どんどん落ちていく。
この映画を観ていると、そのループをずっと繰り返し見ているような気がしてしまいます。
彼が万引きからの逃走中に車にぶつかり大笑いする姿。
冒頭と中盤と2度出てくる印象的なシーンですが、なるようになれ!とレントンが全てを放り投げたような気がして、この映画で一番痛々しさを感じるシーンです。
今でもこのシーンを観ると、レントンの中で藻掻いていた糸が切れてしまったような感覚になり、やるせない気持ちになります。
ラスト、仲間を裏切り金を持ち逃げしたレントンが、この先どんな人生を歩むのか?は判りませんが、彼が誰かと出会い、負のループを断ち切る人生であって欲しいと願います。
Choose your future.
Choose your life.
イギー・ポップの歌う『Lust for life』にリンクしたこの言葉、大好きです。
映画に関して、ダニー・ボイル監督にとっても、ユアン・マクレガーやその他の役者にとっても彼らが一気に世に認知された出世作になります。
この当時、イギリス発信の労働者の生活苦を背景にした映画が多く、ブラスやフルモンティ、マイナーですがマイ・ネーム・イズ・ジョー等、時代の雰囲気に乗って出てきた作品でした。
評判としては、お洒落で、音楽のセンスがよく、テーマが刺激的で。
これに関しては、本当に自分もそう思います。
まず5人5様のファッションがかっこいいです。
ブリットポップがベースのレントンは坊主頭で、きったないジーンズに、ピタピタのTシャツ、リングのピアス。
当時はグランジとも時期的に被っていたこともあり、とにかく汚いジーンズがかっこいい時代でした。
毎日履いて臭くて我慢できなくなってからやっと洗濯していた時代。
スコットランドで最悪のトイレのシーンなんて目を覆うような不快感ですが、ここまで汚せばやっとジーンズを洗濯できるというご褒美のようなイベントです。
今の時代の復興したグランジとは違う、シャレにならない汚さがこの時代にはかっこよくて、僕もかなり憧れた世代なだけに懐かしく、ただやっぱりかっこいいと思って観てしまいます。
ベグビーのトラッド感のあるスタイルもかっこいいですし、シックボーイのスーツにローテクスニーカースタイル、当時のモードはこんな感じでした。
この辺りのキャラ分けも面白い映画です。
音楽のセンスも素晴らしいです。
作中でも古いと揶揄されるイギー・ポップの70年代の楽曲(デヴィッド・ボウイと同居して薬物治療を受けていた頃の曲?)を数曲採用して、この楽曲のPVのような映像を作り上げてみたり。
ラストシーンのunderworldもかっこいい。
blurからもsingを採用していますし、なによりこの時代、デーモン・アルバーンを出しておけばなんでもかっこよくなった時代でした。
ドラッグ繋がりで言えばルー・リードもヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代に「ヘロイン」とか書いていた人ですし、この辺りの退廃的な音楽の選択が絶妙です。
ファッションや音楽だけではなく映像もお洒落、細かいカットを繋いで音楽に乗せる編集もかっこいいです。
スコットランドの淀んだ空の下、ポップな建物や、通り過ぎる電車のバックに現れる4人や、アビーロードのオマージュや、全力で石造りの街を走るレントンや、草原で喧嘩するドラッグ中毒者や。
何から何まで画になるかっこよさ。
エンディングのタイトルロゴもかっこよくてたまらないです。
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ブログの方では、個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
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ユーモアたっぷりの過激な作品
この作品を見て、全く古臭さは感じなかった。薬を取り巻くクズ達の環境はあまり変わってないからか?レントンはじめ中性的さを感じる割に古臭い男性優位思想の匂いがしなかったからか?よく分からない。
排泄物を扱った描写は生理的嫌悪が若干あったがそれ以外の下品であったり過激であったり性的だったりする随所に見られるユーモアのセンスは一品。タイトルには「90年代最高の陽気で悲惨な青春映画」とあるが、そのとおり。陽気さも悲惨さも薬とおバカな登場人物の為せる技だ。34:00のスコットランド人としての自虐意識の叫びが面白い。ベグビーが終始うざいキャラ(どう見てもサイコパス)だったが、ラストで報いを受ける。46:00あたりからレントンが体験することとなるバッドトリップと禁断症状?の表現は素晴らしい。
物語の始まりで一般社会の普通の生活を批判し、薬による刹那的快楽を礼賛していたが、ラストで逆転させ、普通の生活に帰還する宣言となっているため、この物語で主人公は薬から抜け出すことができたと考えることができる。薬の危険さを教える映画作品としての機能はそこまで期待できないとは思う(バッドトリップや禁断症状、薬漬けで怠惰な生活の仲で起こりうる悲惨なイベントは見せつけられ、考えさせられるが、薬というのはそういう仲で刹那の理性を吹き飛ばすためにあるものであって、だからやらないということにはならないと思うから)。
最後に、この作品は山場(谷場?)としての主人公のバッドトリップ経験があるし、ラストにドラッグ売買という大きなイベントはあるが、起承転結というか物語のうねりを感じず、そこに若干退屈さを感じてしまう部分があった。
20年以上を経ての再見
実は20年以上前の初見時は、あまりの汚さに耐えられずシーツの場面で鑑賞を中断していた。
今回改めて見直して気づいたのは「イギリスの荒廃」を描いた映画だということ。
サッチャリズムの「小さな政府」政策や行き過ぎた資本主義により次々と閉鎖された国営企業と福祉のカット。
街には失業者が溢れ社会全体に漂う閉塞感の中、希望のない若者が向かうところは酒とセックスとドラッグという刹那的な快楽だけ。
本作の日本公開時、「キムタクがこの映画のTシャツを着てた」とか「渋谷ではこの映画のTシャツやサントラCDが流行ってる」とかそういう表層的なことばかりが話題になっていたが、当時のイギリスの若者の絶望にどれだけの人が気づいていただろうか。
本サイトに限らず他の映画レビューサイトでも「お洒落でクールなストリートライフ」みたいに語られる本作だが、現実は悲惨だということ。
そう考えればなかなかの佳作とも言えるが、赤ん坊の死がどうしても嫌悪感を拭えないためこの評価。
どう感じれば良いのやら?
トレインスポッティング2を観ようと思い復習の為、恐らく公開当時以来に鑑賞。
当時流行ってたなー。
下手したらポスター貼ってたかも。
内容全く覚えてない…。
それでもスコットランド一汚いトイレのシーンだけは、なんとなく覚えてた。
物食べながら観てなくて良かった!って程の耐えがたい汚さ。
日本じゃありえないけど、世界の何処かにはホントにあるんだろうな。
ある意味凄いセット!美術さんナイスです。
ドラッグ、セックス、バイオレンス、エイズ。
自分とは生きる世界の違う、とにかく感情移入出来ない文字通りクソ集団の破滅的日常をポップにテンポ良く描いていて、これがファッション的に流行ってた当時って、自分も含めてどうなの?
仲間を出し抜いたレントンが、観ている我々に向かって「あんたと同じ人生」を平穏に暮らすって最後のモノローグ。
なんかスカッとした風のラストだけど、どう感じれば良いのやら?
トミーと赤ちゃんが気の毒でなりません…。
ドラッグ、ダメ絶対。
もうヤクなんてしないなんて 言わないよ絶対♪
「ビタミンCが違法ならヤってた」という台詞は笑った。ジャンキーのトリップ状態を表現した映画は多いが、これは気持ち悪くなるだけ。抽象的な描き方なんだろうけど、妙にリアルな画面のおかげで吐き気がしてきました(面白いんですけどね)。
あちこちのレビューを読むと、スタイリッシュだとかかっこいいとかの感想があったけど、時は世紀末を象徴し、自堕落な生き方から脱却できないダメ青年を描いているだけ。ユアンだけが最後には運だけで成功する!なんて評もあったが、全編通して、「これが最後だ」と何度も誓っているところから推察すると、また失敗しますよと自虐的に表現しているラストだと思う。
ヤクでつながった友情なんてクズみたいなもんだという教訓にもなっているのだろうなぁ。
かっこいい作品
こんなに古い映画なのに音楽も人も撮り方も、古くさくなくてかっこいい作品でした。
主人公がイケメンですね。
ヘロイン、ヤク中がこうなるんだなと映画で知れました。
映画の作品としては、すごく好きな映画でした。
20年後の最近公開した新作も早く見たいです。楽しみです。
薬物は良くないですが、映画としてはかっこいい作品でした。
ジャンクの爽快な生き様とクールな音楽
ドラッグ、チンケな犯罪、喧嘩、女にまみれ
クズの中のクズを極めた若者達の青春映画。
映画好きなら観ておくべき古き良き作品。
ハウスやテクノ、当時の革新的なクラブミュージックがクール!
ラリっている時の少しファンタジックになる映像と音楽がすき。
彼らにはこんな風な世界に見えるのかー、と。憧れはしませんが。
ド汚い街でド汚い服を着て頭も悪く(レントン以外は)何もうまくいかず決意は全て嘘!で、いまいち彼らの格好良さ?は分からなかったw
ただ、皆して結局は本能のままに生き自分に素直であるので、クズ映画なんだけど個々のキャラクターに爽快さがある。
でもね
クズを極め過ぎて赤ちゃんが放置されてカピカピになってるのはまたと見れません…。
汚れたシーツが朝食のテーブルに、のとこも耐え難かった。『何度も観たい名作』には、到底私の中ではなれない。
素晴らしかった
90年代後半に映画館で見なくて後悔していた映画のうちの一本をようやく早稲田松竹で続編との二本立てで見ることができた。続編は見たばかりで、それほど感動しなかったため、1作目の余韻に浸るために見ずに出た。
ヘロインでラリっているところが特に好きで、本当にやっていた人が描いている感じが素晴らしい。主人公が友達の死の遠因になっていたり、他にも因果として主人公は相当悪い存在だった。赤ちゃんが死んでしまう場面は数ある不幸の場面の中の一つとして見ていたのだが、今見ると超ドン引きで、主人公のクズっぷりのしゃれにならないレベルを感じる。
しかしだからこそ、オレの好きなクズがクズとして自らのクズを認めて開き直らずにうつむいて生きていく映画の傑作であったことが改めてわかった。この映画はちょうどテクノやハウスなど音楽の革命の時期と映画のかっこいいのが見事にリンクしている奇跡のような一本であったと思っていたのだが、クズ映画としても最高であった。そして、サントラをずっと聴いていたため音楽とともに場面が心に沁みる。
また10年後に見たい。
タイトルなし(ネタバレ)
変わろうと思う
ーーこれを最後に
足を洗ってカタギの生活をする
楽しみだ 'あんた'と同じ人生さ
出世 家族 大型テレビ 洗濯機 車 CDプレイヤー
健康 低コレステロール
住宅ローン マイホーム おしゃれ
スーツとベスト 日曜大工 クイズ番組
公園の散歩 会社 ゴルフ 洗車
家族でクリスマス 年金 税金控除
平穏に暮らす 寿命を勘定して
やっと見れたクレイジー映画
思ったよりマトモだったけど。
ヘロイン中毒こわ〜
ああはなりたくないわ〜ってのが感想
まじでやってるぽく見えた〜
ユアンマクレガーすごい
そこからの改心?も良かったかなあ
音楽がかっこよかった!
映画工房のオープニングって
ユアンマクレガーが金を持ち逃げするときの
歌だったんだ!!
すごいねニヤニヤしちゃうくらい
笑えるシーンもあっておもしろい
でもこれがヒットってすごい世の中だなあ
2の予告見たけど凄くたのしみ!
大人になった彼らがどれだけはっちゃけららるか
見ものですね
映像とかも前より絶対進化してるから
その部分も楽しめそう
音楽
挿入されるタイミングと、曲が素晴らしいですね。気分を上手く盛り上げてくれる。
最初気分が悪くなる感じでしたが、トイレのシーンから、おっ?という。
かっこいいですね。むかしにみておきたかった!
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