トレインスポッティングのレビュー・感想・評価
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見たくないものが写っている、もはやトラウマ
ちかごろ続編が公開され、少しだけ興味をそそられた。 それまでは、見てみようとも思わない類のジャンルだった。 セックスとドラッグをテーマにした映画に、共感を覚えたことなど一度もない。犯罪者が主人公で、結果的にドラッグやセックスシーンが挿入される映画とは違う。どちらかというと「あって当然なもの」という視点でドラッグをとらえたジャンル。彼らがなぜ犯罪行為に手を染め、社会からつま弾きになっていくかをリアルに描いてあるが、そこに共感は生まれない。 映画観で見ていたら、観客のブーイングが聞こえてきそうな映像の羅列だった。 不快なシーンがたくさん出てくる。 いっぺん見ておこうと、思ったのは「エレメンタリー」に主演しているジョニー・リー・ミラーがこの映画に出ていたことを、最近知ったから。 「エレメンタリー」では、麻薬中毒で苦しみながら鋭い推理を披露してNY市警に協力する探偵ホームズを演じている。 この映画では、すでにその萌芽が見て取れることが興味深い。映画の中で、いくつかウンチクを披露している。理屈っぽいナイーブな少年役を演じている。 それだけは、収穫だった。 最悪なのは、赤ん坊。これ以上は書きませんが、おそらく映画史上類を見ないほどグロテスクなシーンになったと思う。 とにかく、ひどい映画だった。ポップな音楽と、美しい少年少女たち、躍動する若さをスクリーンに投影しても、無知と暴力で彩られた世界は受け入れがたい。 後味の悪さが際立つ。とても続編を手に取る気にはなれない。なぜ製作されたのか謎でしかない。 いったいなぜ。。。
異常が正常、腐れ縁
クスリに一度でも足を踏み入れるとこんなになってしまうのか。。クスリからも仲間からも抜け出せずに。。
と恐ろしさいっぱいで観たが、世間の評価が「カッコいい」とか「映像がすごい」になっていることにまた驚き。
トレインスポッティングのユアンマクレガーに甲本ヒロトは憧れているのかな?カッコ良いとは思えなかった。
キムタクはどうしてこの映画のTシャツを着ているのだろう。
「習慣が変われば、人格が変わる。」
「人格が変われば、運命が変わる。」
「運命が変われば、人生が変わる。」
この言葉を思い出した作品。
習慣をどうしても変えられなければ、仲間を変えて環境を変えるしかないのかな?
ダサい不良のものがたり
一言で言えば、理屈以前にとにかくつまらない。 ほぼ感覚派な作品で、ストーリーは不良の日常生活か延々続くだけで、あってもなくてもいいようなもんで、生理的に合うか合わないかでしょう。開始5分でコリャだめだ、ってとこです。 通常自分がつまらなくても、好きな人が面白がるポイントはわかるものですが、これに限ってはサッパリわからない。 若い人には一定の支持を受けるでしょうが、大人には無理です。まあ私は若いころに観たとしても多分受けつけなかったと思いますが。 セックス・ピストルズがデビューしてパンク・ロックが誕生、ブームが起きたのに似てます。 アメリカ文化で育った世代としてアメリカ映画と比較すると、イギリス映画は王室や軍人や紳士なんかが主題だと妙に格調高いことが多いですが、若者とか庶民の日常だと野暮ったくてダサいですね。 そういえば、昔の寺山修司作品のワケわからなさに似てる。
続編を観る前に久々に再鑑賞。 すっかり続編を観るのを忘れていました...
続編を観る前に久々に再鑑賞。 すっかり続編を観るのを忘れていました(´∀`;A 小説も読んだのに案外忘れているものですね。 自分の記憶力の悪さのお蔭で再鑑賞にもかかわらず楽しめました。 いろいろ考えさせられる作品でありながら、暗く重い方には向かわず、スタイリッシュで尚且つ楽しめるのが良いですよね。 このラストから、どう20年後の続編に繋がるのでしょうね? 楽しみです。
イギリスのスコットランドという地方の若者と、日本の氷河期世代と何ほどの違いがあるというのだ
原題の意味は、鉄道の些細なことが気になる連中のこと つまり鉄オタ連中という意味あいだろう しかし、本作には鉄道のシーンはあるにはあるが、そんなことには全く関係ない では何故、鉄オタ? 真面目でダサい連中という意味合いで使われているのだと思う でもそんなダサい連中が、実は人間らしい人生を手に入れているといいたいのだろう 不条理だとやっかんでいるタイトルなのだと思う ラストの台詞を引用する これで終わりにして、まともになり、人生を探そう。ずっと探し求めていた、あんたと同じような人生を この「あんた」とは誰のことだろう? 鉄オタ連中のような真面目でダサい普通の暮らしを、普通の人生を送る人々のことだ あなたのことかも知れない そして続く言葉はこうだ 仕事、家族、大きなテレビ、食器洗い機、車、CD、電動缶切り、健康、低コレステロール、歯の保険、住宅ローン、遊び用の服、バッグ、スリーピースのスーツ、DIY、クイズ番組、ジャンク・フード、子ども、公園に散歩、9時から5時、ゴルフ、洗車、セーター選び、家庭的なクリスマス、年金、税控除 彼は、そんなものくだらないと言っているのだろうか? 否、違う!断じて違う! そこを間違えると本作の意味が何も伝わらない 欲しいのだ、憧れているのだ そんなもの彼には手に入らないと諦めていることだからだ 普通の人間らしい暮らしや退屈でも幸せな人生を手に入れたいという、火の出るような強烈な渇望の言葉なのだ 本作冒頭のレイトンの独白も思い返そう 人生を、仕事を、キャリアを、家族を求める クソでかいテレビを、食器洗い機を、車を、CDプレーヤーを、電動缶切りを求める、健康を、低コレステロールを、歯の保険治療を求める 固定金利の住宅ローンを、マイホームを、友だちを求める 遊び用の服を、バカ高級な生地のスリーピースのスーツを求める 日曜日の朝にクソDIYをして過ごすことを求める カウチに座って、ジャンク・フードを口に運びながらくだらないTV番組を見ることを求める 腐った体をみじめな家でムダに過ごすことを求める 未来を求める 人生を求める 具体的で詳細なのだ 身をよじるほど強烈に憧れて渇望して、どうしても手に入れたい、実現したいことだからだ だが続く台詞はこうだ どうして、こんなことを求めるんだ? 俺は求めない人生を求めることを選んだ 何かほかのことを 何でかって?理由なんてないさ? ヘロインをやれば、理由なんていらない これは諦めの言葉だ 果てしない絶望がそう言わせているのだ だからヘロインでその渇望を紛らわせるしかないのだ 未来への不安、老後の自分の末路への不安 そんなものをかき消すためにそれが必要なのだ 求めない人生を求めることを選んだ? 鉄オタみたいなダサい連中になりたくなかったと、真面目に勉強もしなかったことを格好つけて粋がっているだけだ 自分もそのくちだった 麻薬の禁断症状の強烈な描写がなぜ、これでもかと執拗に描かれるのか? それは、この普通の人々の、普通の暮らしや人生を死ぬほど渇望しているのに、普通の努力ではどうしても手に入れられない それほどの渇望のメタファーなのだ 高卒なのに、一流大卒と偽って就職面接を受けるシーン そいつのデタラメなダメ男の失業手当の獲得テクニックを紹介するだけのシーン? 違う これは一度脱落するともうどうにも浮かび上がれないということを示しそうとしているシーンなのだ 彼のたわごとこそ真実の吐露なのだ 90年代中頃の英国 イギリスのスコットランドという地方の若者と、日本の氷河期世代と何ほどの違いがあるというのだ 非正規のワーキングプア だから結婚もままならない 一体、自分の老後はどうなってしまうのだろう? 先の事を真面目に考えれば考えるほど絶望してしまう 日本には麻薬はない あるのは、ネット、ゲーム、アニメ・・・だ だから、そこに溺れていくのだ 禁断症状が怖くてさらに泥沼に転落していくのだ そうした若者が、自暴自棄の生活から抜け出る道を見つけたのが本作の結末だ 生きていくのさ、未来を見すえて、死ぬその日まで 犯罪でもなにが悪い 彼にとっては、初めて普通の人間らしい暮らしや人生を手に入れられるチャンスだったのだ 気がつけば、この世代ももう40代半ば レイトンのような道が見つからなければ? この麻薬の禁断症状のような、人間らしい人生を手に入れられなかった苦しみを、他の人間にも味あわせてやりたい そう考える人間もいるかも知れない そのときジョーカーは生まれるのだろう イギリスではこのような失われた世代を真正面から描いた傑作が撮られた では、日本にそんな作品はあるのだろうか? 暗澹たる思いだ 日本では氷河期世代は映画界からも見捨てられ、金づるとしかみられていなかったのだ もしかしたら本作に一番近い日本映画は「さようなら全てのエヴァンゲリオン」だけかも知れない
何故か自分を重ねてしまう不思議。
人間の汚い、せこい面をこれでもかと映している分、評価が別れる作品であると思うが、私はとても大満足だった。
学生が表面を切り取ってカッコいい、これを崇拝してる俺イケてるでしょっていう作品なのも納得のスレたお洒落さ。しかし、世間のレールに必死に抗う若者の姿勢に懐かしさを感じた。
もちろん薬物映画ではあるので馴染み自体はないが、若者特有の焦燥感にはどこか共感できる人も多いのではないだろうか。学生時代にはこう考えてたこともあったなと感傷に浸りながら見た。
最後は薬物取引で友人と得た大金をスパッドに残しつつも裏切り持ち逃げ、そのお金で堅気として人生をやり直すと誓いエンドとなるが、そこでかかるBorn Slippy(nuxx)が美しくカッコよかった。
見やすいテンポでレントンのキャラクターにどこか愛着を持てるような若者の焦燥感を描いた秀作でした。
座薬のドラッグって本当にあるのかな?
お洒落で、音楽のセンスがよく、テーマが刺激的で
映画を観続けていた25の頃にこの映画を観て、なんか泣いてしまいました。
僕はドラッグをやっていたわけではないですし、ここまで乱れた生活をしていたわけでもないです。
その頃、僕は25歳にも拘らずまだ学生でしたが、学校での年の離れた同級生との生活に馴染んでいるとは言えず、学校外で付き合う友人達も酷い有様で、家に帰ればアルコール依存症の家族と向き合う生活でした。
大学にも将来的な目標があって入ったわけでもなく、かなり出遅れた人生の中で、この先、何をして生きていくんだろう?と、目標を見失っていた時期だったように思います。
そんな僕にとって、彼らの自暴自棄な生き方や、何度もやり直したいと思いながら結局元に戻ってしまう姿は、自分を見ているような痛々しさがあり、共感してしまったんだと思います。
ドラッグに溺れ、血と金に飢え、家族を泣かせ、仲間を裏切り。
そんな日常を描く映画のどこに共感するポイントがあるんだとは思いますが、多分、レントンが心の底からのクズであればここまで共感はしなかったと思います。
実刑を受けたスパッドの母親に掛ける言葉をためらう姿、子供をなくしたアリソンにかける言葉をなくしている姿、朦朧としながら親と一緒にビンゴ大会に参加している姿。
そんな姿に、彼が悪意に染まりきっていない、人らしい悩ましさを感じます。
レントンは望んでめちゃくちゃの人生を歩いているようですが、僕の中では望まずにその道を進んでいって引き返せないことを絶望しているように見えます。
何も目標がないまま、なんとなく流されて、なんとなくつるんでいた仲間達と遊んでいたらこんな人生になってしまっていた事に絶望しているような。
それは彼に責任はあるのですが、この時代のこの国の若者達にとって、目標をなくして落ちていくということはこうなってしまうという現実でもあったんだと思います。
モノローグで語られる彼の本音は、ドラッグが欲しい、ドラッグを止めたい、やっぱり欲しい、やっぱり止められない。
延々とその繰り返しです。
止めたいのに止められない。そして我慢できないので止められなかった理由を探し、手を出してしまう理由を見付けて許してしまう。
やっていることがドラッグなので犯罪性がでますが、何かに依存して抜けられずにループした経験は少なからず自分にもありますし、アルコール依存症の家族を見続けたことでそれに触れてきた事もあります。
依存すると嘘ついてでも止めたくないですよね。
それを拒まれると相手が一番嫌がる言葉を吐いてでもやろうとしますよね。
本当にそういう人生って最悪だと思います。
でも、彼らが心の底からクズなのか?と言うと、調子のいい時は前向きになりますし、自分がやってしまった事も後悔し謝罪もする。
そういう姿を見ると、まだ戻ってこれそうな気がしてしまう。
けれど、やっぱり抜け出せずにループして、どんどん落ちていく。
この映画を観ていると、そのループをずっと繰り返し見ているような気がしてしまいます。
彼が万引きからの逃走中に車にぶつかり大笑いする姿。
冒頭と中盤と2度出てくる印象的なシーンですが、なるようになれ!とレントンが全てを放り投げたような気がして、この映画で一番痛々しさを感じるシーンです。
今でもこのシーンを観ると、レントンの中で藻掻いていた糸が切れてしまったような感覚になり、やるせない気持ちになります。
ラスト、仲間を裏切り金を持ち逃げしたレントンが、この先どんな人生を歩むのか?は判りませんが、彼が誰かと出会い、負のループを断ち切る人生であって欲しいと願います。
Choose your future.
Choose your life.
イギー・ポップの歌う『Lust for life』にリンクしたこの言葉、大好きです。
映画に関して、ダニー・ボイル監督にとっても、ユアン・マクレガーやその他の役者にとっても彼らが一気に世に認知された出世作になります。
この当時、イギリス発信の労働者の生活苦を背景にした映画が多く、ブラスやフルモンティ、マイナーですがマイ・ネーム・イズ・ジョー等、時代の雰囲気に乗って出てきた作品でした。
評判としては、お洒落で、音楽のセンスがよく、テーマが刺激的で。
これに関しては、本当に自分もそう思います。
まず5人5様のファッションがかっこいいです。
ブリットポップがベースのレントンは坊主頭で、きったないジーンズに、ピタピタのTシャツ、リングのピアス。
当時はグランジとも時期的に被っていたこともあり、とにかく汚いジーンズがかっこいい時代でした。
毎日履いて臭くて我慢できなくなってからやっと洗濯していた時代。
スコットランドで最悪のトイレのシーンなんて目を覆うような不快感ですが、ここまで汚せばやっとジーンズを洗濯できるというご褒美のようなイベントです。
今の時代の復興したグランジとは違う、シャレにならない汚さがこの時代にはかっこよくて、僕もかなり憧れた世代なだけに懐かしく、ただやっぱりかっこいいと思って観てしまいます。
ベグビーのトラッド感のあるスタイルもかっこいいですし、シックボーイのスーツにローテクスニーカースタイル、当時のモードはこんな感じでした。
この辺りのキャラ分けも面白い映画です。
音楽のセンスも素晴らしいです。
作中でも古いと揶揄されるイギー・ポップの70年代の楽曲(デヴィッド・ボウイと同居して薬物治療を受けていた頃の曲?)を数曲採用して、この楽曲のPVのような映像を作り上げてみたり。
ラストシーンのunderworldもかっこいい。
blurからもsingを採用していますし、なによりこの時代、デーモン・アルバーンを出しておけばなんでもかっこよくなった時代でした。
ドラッグ繋がりで言えばルー・リードもヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代に「ヘロイン」とか書いていた人ですし、この辺りの退廃的な音楽の選択が絶妙です。
ファッションや音楽だけではなく映像もお洒落、細かいカットを繋いで音楽に乗せる編集もかっこいいです。
スコットランドの淀んだ空の下、ポップな建物や、通り過ぎる電車のバックに現れる4人や、アビーロードのオマージュや、全力で石造りの街を走るレントンや、草原で喧嘩するドラッグ中毒者や。
何から何まで画になるかっこよさ。
エンディングのタイトルロゴもかっこよくてたまらないです。
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ブログの方では、個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
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クールなイギリス映画を代表する作品
久しぶりに観返したが、いつ観ても色褪せないハイセンスなカルチャーと音楽がかっこいい。あの時代を象徴している。 軽やかでアイロニックななかに、しっかり人生において何を大切にするかという価値観のテーマも忍ばせている。 ドラッグの恐ろしさを幻覚の映像体験で表現するダニー・ボイル監督の演出が光る。
ユーモアたっぷりの過激な作品
この作品を見て、全く古臭さは感じなかった。薬を取り巻くクズ達の環境はあまり変わってないからか?レントンはじめ中性的さを感じる割に古臭い男性優位思想の匂いがしなかったからか?よく分からない。
排泄物を扱った描写は生理的嫌悪が若干あったがそれ以外の下品であったり過激であったり性的だったりする随所に見られるユーモアのセンスは一品。タイトルには「90年代最高の陽気で悲惨な青春映画」とあるが、そのとおり。陽気さも悲惨さも薬とおバカな登場人物の為せる技だ。34:00のスコットランド人としての自虐意識の叫びが面白い。ベグビーが終始うざいキャラ(どう見てもサイコパス)だったが、ラストで報いを受ける。46:00あたりからレントンが体験することとなるバッドトリップと禁断症状?の表現は素晴らしい。
物語の始まりで一般社会の普通の生活を批判し、薬による刹那的快楽を礼賛していたが、ラストで逆転させ、普通の生活に帰還する宣言となっているため、この物語で主人公は薬から抜け出すことができたと考えることができる。薬の危険さを教える映画作品としての機能はそこまで期待できないとは思う(バッドトリップや禁断症状、薬漬けで怠惰な生活の仲で起こりうる悲惨なイベントは見せつけられ、考えさせられるが、薬というのはそういう仲で刹那の理性を吹き飛ばすためにあるものであって、だからやらないということにはならないと思うから)。
最後に、この作品は山場(谷場?)としての主人公のバッドトリップ経験があるし、ラストにドラッグ売買という大きなイベントはあるが、起承転結というか物語のうねりを感じず、そこに若干退屈さを感じてしまう部分があった。
怒れる若者のイギリス映画の新たな秀作
近年イギリス映画が面白い。質的にも娯楽的にも水準の高い作品が並んでいる。このダニー・ボイル監督作品も、描かれている内容はハチャメチャな若者の自堕落な生活なのだが、表現の仕方に新しいタッチと面白いモンタージュがなされ、映画として大変楽しめる。例えば麻薬中毒の幻覚描写を沈むベットで視覚的に見せるユニークさはどうだろう。昨年来ミニシアターでヒットを続けたことは、非常に喜ばしいことである。良い映画とは言えないかもしれないが、映画表現の新しさに挑戦するイギリス映画の尖がった才能がある。この面白さは大いに認めなければならない。そして何より、出演している役者たちの際立つ個性と真面目な演技を評価しなければならない。 1997年 11月10日
幻覚を見ているシーンが印象的
ドラッグにハマってしまった青年たちの映画。 ストーリーは若者向けで様々な欲望や人間関係を描写している。 印象的なのは依存に苦しんでいるシーンで幻覚を見ているところ。 ドラッグしたことないから知らないけどなんか異常にリアルだし、音楽が耳に刺さってパーティでもしている感覚になった笑
20年以上を経ての再見
実は20年以上前の初見時は、あまりの汚さに耐えられずシーツの場面で鑑賞を中断していた。
今回改めて見直して気づいたのは「イギリスの荒廃」を描いた映画だということ。
サッチャリズムの「小さな政府」政策や行き過ぎた資本主義により次々と閉鎖された国営企業と福祉のカット。
街には失業者が溢れ社会全体に漂う閉塞感の中、希望のない若者が向かうところは酒とセックスとドラッグという刹那的な快楽だけ。
本作の日本公開時、「キムタクがこの映画のTシャツを着てた」とか「渋谷ではこの映画のTシャツやサントラCDが流行ってる」とかそういう表層的なことばかりが話題になっていたが、当時のイギリスの若者の絶望にどれだけの人が気づいていただろうか。
本サイトに限らず他の映画レビューサイトでも「お洒落でクールなストリートライフ」みたいに語られる本作だが、現実は悲惨だということ。
そう考えればなかなかの佳作とも言えるが、赤ん坊の死がどうしても嫌悪感を拭えないためこの評価。
どう感じれば良いのやら?
トレインスポッティング2を観ようと思い復習の為、恐らく公開当時以来に鑑賞。
当時流行ってたなー。
下手したらポスター貼ってたかも。
内容全く覚えてない…。
それでもスコットランド一汚いトイレのシーンだけは、なんとなく覚えてた。
物食べながら観てなくて良かった!って程の耐えがたい汚さ。
日本じゃありえないけど、世界の何処かにはホントにあるんだろうな。
ある意味凄いセット!美術さんナイスです。
ドラッグ、セックス、バイオレンス、エイズ。
自分とは生きる世界の違う、とにかく感情移入出来ない文字通りクソ集団の破滅的日常をポップにテンポ良く描いていて、これがファッション的に流行ってた当時って、自分も含めてどうなの?
仲間を出し抜いたレントンが、観ている我々に向かって「あんたと同じ人生」を平穏に暮らすって最後のモノローグ。
なんかスカッとした風のラストだけど、どう感じれば良いのやら?
トミーと赤ちゃんが気の毒でなりません…。
ドラッグ、ダメ絶対。
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