ドラゴン・イン 新龍門客棧
劇場公開日:1995年2月4日
解説
「侠女」をはじめとする諸作でクンフー映画の基礎を成したといわれる、巨匠キン・フー監督の伝説的傑作「残酷ドラゴン!血闘竜門の宿」(67)を、中国本土は敦煌に一大ロケを敢行してリメイク。殺意と陰謀が渦巻く砂漠の宿屋を舞台に、敵味方入り乱れての壮絶な死闘が展開する古装片(武術アクション)。狭い屋内と広大な屋外それぞれの空間を生かした息もつかせぬアクションと、スピーディかつ荒唐無稽な作風が魅力的。監督は「スウォーズマン 女神復活の章」のレイモンド・リー。製作は同作ほか、数々の作品を手掛ける香港映画界の大物、ツイ・ハーク。製作監修は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」3部作や「スウォーズマン」シリーズのチン・シュウタン。脚本はツイ・ハーク、チェン・カーボン、イウ・ワーの共同。撮影はトム・ラウ、アーサー・ウォン、ラウ・ワイワイ。武術指導はチン・シュウタン、「ワンス・アポン・ア・タイム 天地争覇」(V)のユン・パン、チャン・イウシンと、ツイ・ハーク組の常連スタッフが揃い踏み。主演は「スウォーズマン」シリーズのブリジット・リン、「愛人 ラマン」のレオン・カーフェイ、「ロアン・リンユィ 阮玲玉」でベルリン映画祭主演女優賞を受賞したマギー・チャン。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」の武術スター、ドニー・イェンが悪役に扮し、壮絶なアクションを見せる。
1992年製作/104分/香港
原題または英題:Dragon Inn 新龍門客棧
配給:松竹富士
劇場公開日:1995年2月4日
ストーリー
明の時代、首都・南京から遙か遠くの辺境の地。女剣士・モウイン(ブリジット・リン)は、宦官ツァオ(ドニー・イェン)による独裁に抵抗した長官・揚(ヤン)の遺児たちを連れて国境を越えるため、砂漠の宿屋「龍門宿(ドラゴン・イン)」にたどり着いた。そこで、彼女の右腕で恋人のワイオン(レオン・カーフェイ)と合流する予定だった。宿は美しい女主人カム・シュンユク(マギー・チャン)が切り盛りしていたが、彼女は宿泊する男性客を色香でたぶらかしては殺し、その肉で料理した肉饅を名物としていた。ワイオンに続いて、ツァオの放った追っ手も到着した。二派が互いに牽制を続ける緊迫した雰囲気が宿に漂い、暗闘が続く。そして一行は豪雨で足止めにされ、さらに到着した政府の騎馬隊のため、八方ふさがりとなる。ワイオンは、宿から外に出る秘密の抜け穴を聞き出すため、彼に恋心を抱きはじめたシュンユクに求婚した。恋人ワイオンを信じながらも使命のために耐えるモウイン。結婚式の夜、突然の襲撃に部屋の明かりを消して戦うワイオンとシュンユクだったが、そうとは知らぬモウインはショックに身を震わせる。一方、ツァオは夜の闇にまぎれ大軍を率いてドラゴン・インの前に到着し、ワイオンたちの息の根を止めるべく手ぐすね引いて待っていた。戦いの火蓋は切って落とされ、激しい死闘が続く。シュンユクはワイオンに抜け穴を教え、一行は外に脱出した。モウイン、ワイオン、シュンユクは力を合わせ荒野を血で血を洗うすさまじい死闘の果てにツァオを倒したが、モウインは命を落とす。戦いは終わり、シュンユクはドラゴン・インに火を放ち、子供たちを連れて旅立ったワイオンの後を追うのだった。