劇場公開日 2021年10月16日

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友だちのうちはどこ?のレビュー・感想・評価

全43件中、21~40件目を表示

3.52012年7月第三回午前十時の映画祭にて

2022年8月23日
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鑑賞方法:映画館

当時は初キアロスタミ。子供がちょっとした冒険するくらいのつもりでいたら、中々シビアでたじろぐ。
ちょっと不条理というか、まともに相手にされないというか、何言っても聞いてもらえないというか、何か人間扱いすらされていないようにすら見えて、それでそうせざるを得ないように追い込まれているように見えた。

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なお

3.5まともな大人がいない

2022年2月23日
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これって微笑ましく観る映画なのだろうか。
まともな大人が全然出てこない。ある意味すごい。

子どもたちはみんな困ったような顔をしている。
彼らは初々しくて素敵なのに、こんな大人たちに囲まれて育ったらたぶんあまり良い大人にはならない。
って、わたしたちにも言えることですね。

文句も言わず当惑しながら走り回るアハマッドに胸が痛んだ。

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maco

2.58歳の小学生が、同級生の家の詳しい場所を知らないまま隣村まで宿題ノ...

2021年12月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

8歳の小学生が、同級生の家の詳しい場所を知らないまま隣村まで宿題ノートを返しに行くが、いろいろな老人たちに妨害されてしまう話。

ちょびっと良い話とイライラする話とびくびくする話とハラハラする話とノスタルジーが混ぜ合わさって味わいのある映画に仕上がっていると思います。
ただ、すごく面白い映画かというと、そうではない。

今週の気づいた事:子供の頃たしかに大人は怖かった。

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ほとはら

3.5オープニングもラストもいいけど。裏話はチョットねえ…

2021年11月3日
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鑑賞方法:映画館

子供の映画は好みでないので(例外は、アラン・パーカー『ダウンタウン物語』くらい)これが最初だったキアロスタミはずっと観てこなかったが、つい先日、観てしまった『桜桃の味』が諸々とても素晴らしかったので、ついに本作も今頃になって観てしまった次第。

さすが元グラフィックデザイナー。
今回も構図が完璧。
オープニングの淡く擦れたブルーのドアからラストの瞬間まで全てのショットが素晴らしい。
ラストも小粋なミニマリズムという感じで、思わず心の中で喝采してしまった。
芝居の方も皆んな素人なのに(素人ゆえか)ドキュメンタリーみたいに自然だ。
しかし、子供映画が苦手な人にも間違いなくお勧めか?というと、実はそうでもない。

まず、そもそもの設定&プロットに少し難がある。
あの賢そうな坊や8歳(日本だと小2か小3)であれば、電話が無いとはいえ、もっと知恵も働いて、直ぐ学校に戻り、先生に事情を話すなりして、一件落着になりそうだ。
あういう設定で、どうしても走れメロスやりたいんだったら、せめて6歳くらいでないと。それに4〜5歳だって賢い子は知恵も働くだろうし、やっぱり主人公は賢く見えない方がいい。
あまり賢くは見えないが、友達には義理堅い。そんなキャラでないと、あの設定には合わない。

たぶん、あの主人公の子供の正直そうな真っ直ぐな眼を見て、一発で気に入ってしまったのかもしれないが。
であれば、それならそれで、例えば、
あの子は機転を利かして、慌てて学校に戻ったが、運悪く先生はバイクで帰って行こうとして、そこを必死で追いかけるが、声は届かず… 更に他の先生達に助けを求めるが、忙しがって相手にされず…
などであれば、
あの賢そうなキャラとの整合性も取れ、過酷感も増し、いよいよもって「友だちのうち」を探さなきゃいけない… という切迫感も増して、更に良かったと思う。

それにしても、子供達の演技が、あまりにもリアルだったが、現場では、かなりエグい事をやっていたようで…
特に冒頭の方の泣かすシーンでは、子供の人権なんて知らんわ!と言わんばかりの非情さで、子役俳優でもない素人に、随分な事をしていて、
あの主人公役の子の弟だったらしいが、人間不信にでもなってなきゃいいが…
当時のスタッフも現在は反省してるようだが、コッチは種明かしされしまって、すっかり引いてしまった(お勧めしないが、どうしても気になる方は、ポチッと検索どうぞ)
ホントこういった裏話は、あんまりベラベラ喋らん方がいいと思う。特に本作のようなドキュメントタッチの場合には。
しかし、こんな部分もイランのクロサワと言われた所以なのかもしれない。
やっぱり、本物のリアリズムを虚構の上に作り上げるには、殆どやりすぎ(黒澤明の場合は殆ど狂気)と言えるほどの、それ相応の厳しさは必要みたいだ。
とはいえ、素人の子供にやっちゃ、流石にイカんけどね。

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osmt

4.0女の子は学校に来れないの?

2021年10月31日
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プータン山の教室やミツバチのささやきみたく、女のコで癒そうとしないのが良いかなぁって思った。反面、学校に来るのが、男のはな垂れ小僧ばかりっていうのは、男尊女卑なのかなぁって、少し残念に思う。でも、それが現状なのかなぁ。姿が見えない音だけの演出がかっこいい。空間の広がりを感じる。

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マサシ

4.5期待を裏切らない

2021年10月27日
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年功序列、家長制を色濃く感じる。
“ゲンコツは記憶に残る”は仰る通りだが、だからこそ理不尽に殴っちゃいかんのよ。”世の中は理不尽”を教えるなら効果的だが、許せるものじゃない。

この監督の映画を見ていて思ったのだが、小学校から男女別なのね。

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Oyster Boy

5.0この美しさは、写真の美しさだ!

2021年10月26日
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二回目を観て、納得した。
シーンの一つ一つが、全部写真の構図になっている。
ジグザグ道、オリーブの林、薄暗い石段の光と影
家家の扉と窓枠
大人を見上げるアハマッド少年の首筋と顎の角度
少年たちの汚れたシャツの袖口

数え上げたらキリがないが、全部が写真になっている。
ゼラニュームの赤は、どちらかといえば取ってつけたような作為ではあるが、
写真のシーンをつなぐための、・・・みたいな役目になっていて、必要だった。

10月、渋谷のユーロスペースで、キアロスタミ監督の映画を上映している。
今日は、「友だちのうちはどこ?」を夕方上映。
中国山地の山の中にいて、ハイ、ソレと飛んで観に行かれないこの不条理・・・

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bull&hana

4.0体験学習

2021年10月20日
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あるこどもが、間違えて持ち帰ってしまった友だちのノートを本人に返すために奔走する、というシンプルなストーリーなのに、気が利いた映画で、面白い。

アハメッド君の目を通して見えてくるのは、大人って、けっこうおバカで、気分屋で、自分勝手で、筋が通ってない、ってこと。
もし大人が万事きちんとしようとすると、疲れすぎちゃってプッツンしちゃうかもひれないから、そこはまぁ…責めたくはない…。

彼は、いろんな大人と話し、知恵も働かせた。体験学習とよく言うけど、これこそが本当の体験学習だった。

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あま・おと

4.0先生っていじわる

2021年10月17日
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どこの国でも先生っていじわるなんだな。子どもだっていろいろ事情あるでしょう。でもノートに宿題をやるべき理由をきちんと説明してたのはよかった。

アハマッドがまだ大人にうまく説明できないし、大人はちゃんと話を聞かないしでもどかしい!

おじいさんの勘違いにみせる優しさとモハマッド=レザへの優しさ、押し花に泣ける。漏れる光を計算した窓枠がきれいだ。

子どもの頃はあんな風にに走れたことを思い出す。ロバとの追いかけっこ、見えそうで見えないあの子、おじいさんの窓。印象に残るシーンがいくつもあった。

イランってけっこう教育熱心で躾にも厳しいんだなあとちょっと意外だった。おじいさんたちは日がなあそこでおしゃべりしてるんだろうか。

それにしてもお母さん洗濯大変…。

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hyvaayota26

4.5【”走れメロス!イランバージョン。”友だちが退学にならないように、少年がくねくね道を只管に、必死に走る無垢なる姿が沁みます。当時のイランの子供達がイロイロな仕事を親から言われて大変だった事も・・。】

2021年9月14日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

ー 冒頭、質素な教室でネマツァデ君は、先生からこっ酷く叱れている。宿題をノートではなく紙に書いて来たからだ。
 そして、先生からは”次に同じことをしたら、退学だ!”と言われてしまう。
 隣席の、アハマッド君は心配そうに見ていたが・・。ー

◆感想
 <Caution ‼内容に触れています。>

 ・冒頭のシーンでポシェテという地域から通学してきた少年が遅れて教室に入ってきた際に、怖い先生から、”何処から来た?””ポシェテです・・。”
 仕方ないなあ、という表情で先生が”ポシェテからくる子は10分早く起きなさい、30分早く寝なさい!”と言う。
 ー ポシェテってところは、遠いんだね・・。ー

 ・アハマッド君が家に帰ってきたら、ナント、ネマツァデ君のノートが出てくる。焦る、アハマッド君。
 ”このままじゃ、ネマツァデ君が、退学になってしまうよ!”
 ー けれど、親からは宿題代しろ!と言われ、必死に宿題をするアハマッド君。。そして、脱兎の如く、ネマツァデ君のノートを片手に、くねくね坂道を駆け上がっていく。
 ポシェテに住むネマツァデ君にノートを届けるために・・。ー

■焦る、アハマッド君を遮る数々の障害。

 ・突然落ちてくる洗濯物。
 ー 人の良いアハマッド君は、洗濯物を投げて戻してあげようとするが・・。時間はドンドン過ぎていく・・。ー

 ・ポシェテには、色んな地区があって、ネマツァデ君がどの地区に住んでいるか、分からない・・。

 ・アハマッド君のお爺さん。
 ー 孫はキビシク躾けなきゃならん!と言って、煙草を持っているのに、煙草を買いに行かせる・・。で、自分の昔話を友達のお爺さんにし始める・・。
 躾じゃないでしょ!時代が違うんだよ!ー

 ・”儂は、何でも知っている”お爺さん。
 ー アハマッド君を、ネマツァデ君の家に案内するというも、自分が作った木製の扉の話ばっかりして、到頭息切れしちゃって、到着できない・・・、というか、知らないんじゃない!ー

 ・意気消沈して、家に帰ったアハマッド君。食欲無し・・。

<翌日、学校にアハマッド君は来ない。ノートがないネマツァデ君は、涙顔。
 ドンドン迫って来る怖い先生。
 そこに、現れたアハマッド君。
 最初、ノートを間違っちゃうけれど、キチンと、ネマツァデ君のノートにも宿題の答えが書いてある・・。
 当時のイラン情勢を、コミカルに揶揄しながらも、溢れる山道を駆けずり回るアハマッド君の善性溢れる姿が、沁みてしまった作品。
 佳き作品であると思います。>

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NOBU

4.0ハマる(笑)

2021年5月12日
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鑑賞方法:VOD

このシチュエーションでよく映画にしようと思ったよね
もう、そこが謎で尊いwww

アハマッドの思い詰めた目に終始釘付けですよ
ネマツェデはすぐに泣くしさ
それはもう必死ですよ、退学ですもん、、、
また迷路のような住宅地に苗字はみな同じ
大人たちは誰も無関心、探し出せないよね
日暮とともに飾り窓が美しく光る
それを自慢するお爺さんの案内は埒があかない

イライラでキュンキュンします(笑)

「桜桃の味」も悪くなかったんだけど
この映画でキアロスタミにハマりました

☆この後『ホームワーク』も観たんだけど
イランの子たち宿題多すぎ💦
なのにとても真面目に取り組んでいる子が多く
これはみんな優秀に育つだろうな、と思った

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mamagamasako

4.0押し花

2021年2月12日
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間違えて持ち帰った友達のノートを返しに
イランの山村を奔走するという極めてシンプルなストーリーだけど
アハマッドの不安気な優しい表情に釘付け。
自分の都合の良い話しかせずアハマッドの気持ちは無視の大人たち。

風の音や犬の鳴き声に怯え灯りの少ない通り道は
自分の小さな頃を思い出す。

ラスト、友だちに力強く語るアハマッドと押し花でホロリとさせられます。

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猫柴

5.0友だちを助けなきゃ

2020年8月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公は8歳の男の子、学校でとなりの友達がノートを忘れ、もう一回やると退学だ、と叱られてしまう。
家に帰り宿題をやろうとしたところ、ノートが二冊、間違えて友だちのノートを持ってきてしまったのだ。
これは大変、となり村の友だちに返しに行くのだが、友だちの家を知らないので大変、日が暮れてきて・・・。
子供の懸命さが胸に迫る。

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いやよセブン

5.0シンプルでリアルな眼差しが生むもの

2020年5月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

知的

演技に慣れていない地元の人で構成される劇映画。リアルでシンプルなつくりは、さながらイランのネオリアリスモといったところ。その時代の社会性を含めた空気感がひしひしと伝わってきて、それだけでも価値ある作品のように思えた。
飾り気がないのに妙に美しい映像と、ペルシャ的響きを帯びた音楽が自分の心を完全に惹きつけたのだが、脚本と演出に巧みに隠されたユーモアがたまらない。ただ、大人は判ってくれない、といて諦めるにではなく、その障害をも巧みに利用しながら逞しく生き生きと生きている生々しさに、ただただ感服するばかりであった。
ラストも最高🌸

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SH

4.0タイトルなし

2020年4月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

イランを代表するアッパス・キアロスタミ監督
職業俳優を使わず素人を起用
この映画
舞台はイラン北部コケール
カスピ海に近い小さな村の子供たち
.
友だちのノートを
間違って家に持ち帰ってしまった少年が
ノートを返すため友だちの家を探しにいく。
.
それだけなんだけど…
.
主人公の少年アハマッドのひたむきさに
心を掴まれました
イランの乾いた景色・人々の暮らしや建物
聞こえてくる音・風・光・闇
映像に引き込まれます
最後泣けます
.
キアロスタミ監督の3作
コケールトリロジー
『友だちのうちはどこ?』
『そして人生はつづく』(1992年)
『オリーブの林をぬけて』(1994年)
他の2作も気になる✨

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lily

3.0無題

2020年3月22日
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合わない映画でした。
ノートを返すため友達の家を探す。それだけっちゃそれだけなんですけど、その中にストーリーを見出すかどうかは観客次第だと思います。

ただ、私は見いだせなかったです。
この映画で感じたことは
主人公の子にあの環境で育ってほしくないってこと、
子供たちの服装がみんなキュート
だったってことですかね。

子供視点で観ていくので、どの大人も頼れず怪しく見えてくるという不思議…
結局彼は自分の知恵で、ノートを返すことになるんですよね。

服装に関しては、あのニットベストが可愛すぎる…。
ぜったい子供に着せたい服ですね。

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JYARI

3.0ドキドキ

2020年3月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

終始ドキドキしっぱなし。

電話はないのかな?
とか、考えちゃった。

ママ、子供の声聞いてよ~😢

めちゃめちゃかわいい兄弟でしたね✨(そっくり)

おじいさんを急かすのが必死で笑っちゃった。

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R♪

5.0押し花が光った

2020年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アバスキアロスタミの初期の作品らしい。一般論だが、イランの映画を見ていると最初の20−30分は何がおきているかわからなく、そのうち何かがわかってくるという映画が多い。キアロスタミの作品もまさにその通りだ。しかし、『ともだちのうちはどこ』はかなり早い時間に作品の内容の検討がつく。

そして、忍耐強く大人に話しかけていくシーンは一般論だが、イラン映画の代表的シーンだ。子供の食いついていく力強さがはっきり出ている。子供だけじゃないんだなあ、先生、お母さん、おじいさんのもこの何度も繰り返す執拗な性格がうかがえる。好きだなあこういうシーン。それに、イラン映画は子供を使った映画が多い。なぜなら、芸術に対する政治的な検閲が厳しいからだそうだ。友達にノートを返そうとしてポシュテにという村まで、返しにいくシーンは善後策を顧みない子供の行動だが、これが友達を助けようとする一心不乱の行動なのを、この映画でなんとも良くとらえている。キアロスタミの画策が良さを出している。

最後のシーンの先生の言葉、『よくできた。』これだけしか云わない。『宿題をノートにかかなかったら退学だ」とか言ってたんなら、生徒の筆跡ぐらい注意してみろよと言いたいが、アハマッドの心の優しさの方がずうっと価値があるので、不正(カンニングの一種)であっても、許してしまう。かえって、先生に見つからなくてよかったと思う。宿題をノートにすることが大切か?それともどんな紙にでも宿題をやることの方が大切か? こういう文化は日本の文化と似ている。『先生の板書は美だ』と言っていた日本の某有名大学の教授と同じで、何が本当に大切なのか本質がわかっていない。
アハマッドが教室に遅れてきて、友達のノートを差し出した時、友達はなにがおきたのかも、どんなに苦労しても友達の家を探せなかったかも何もしらない。その時の友達の顔は愉快だった。人生において、取り越し苦労をしても相手に理解されない時のようだ。

それにまして、押し花が宿題の間にあったのに、まるで、関心も示さない先生(教育の狭さ、情操教育の無さ)にも偏見承知だが、イランの1987年の教育を垣間見た感じがする。

いつの作品かを気にしてみていなかったが、これは田舎の人里離れたところに(散村)に違いない。Kokerというところにこの少年アハマッドの家族は住んでいるが、私は地図で探すことができなかった。以前地震のあったカスピ海の内陸部らしいが。

アバスキアロスタミは個人的に好きな監督で、彼は小津安二郎のファンだったと聞いたが、小津安二郎感覚を共有している。

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Socialjustice

3.5これで撮ろうって思わない

2019年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これで撮ろうって思わないもの。そこに驚かされるし惹かれる。
子供の頃にこんな危機感て、誰もが味わったことがあると思う。大人になって思い返してみるとなんて馬鹿馬鹿しいことで追い詰められていたんだと、アホらしくなるが当時は真剣そのもの。

程度を下げるようで申し訳ない例えだが、はじめてのおつかい、てこれと惹かれるポイントが近いような。あれ、なんか見てしまうでしょ笑

しかし。もうちょっと声でんか?とイライラしながら見た。終始遠慮がちで、でもまあ、教育がこういう感じの文化圏なんだろうな。今日本で「しつけ」て死語みたいなもん。宿題ノートに書かなかっただけで退学て、虐待とかなんとか言われて、先生が吊し上げだろう。ニュースとかなって。いや、関係ないか。。

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okaoka0820

5.0子供の目線という共通の鍵を使って 国や民族を超えた人間の普遍性を見事に謳いあげています

2019年3月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

素晴らしい映画に出逢えました
子供の世界は国が違えど民族が違えど同じです
宿題をやってきたかと先生に問われてドキドキしている表情を通してイランの知らない町の出来事でも共感できるものです
そしてわかってくれない大人たちの世界も同じ
自分たちの子供のころの感情をみずみずしく甦らせてくれます

そして彼の両親や様々な大人、おじいさん、おばあさん、イランの田舎の寒村の暮らし
監督は彼ら彼女らの人生がどうでであったのか、どのように育って来たのか、そしてどのように老いていくのかを様々な登場人物に語らせたり、暮らしぶりを見せて推察させたりしていくのです
そうしているうちに私達は全く知らない国でそこで生まれ死んでいく様々な人生を知り、本作を見ているうちにまるでそこに子供の頃からそこで育ってきて、そこで老いていくかのような錯覚を覚える程にその世界に吸い込まれてしまうのです

そうして、そこには国や民族の違いを超えて、普遍的な人間の暮らしがあり、私達と何も変わるところはない人間の営みがあることを知るのです
世界中のどこの村でも、街でも成立する物語のなです

つまり人間皆同じ、変わりはしません
大きく言えば人種、民族の平等を歌い上げた人類讃歌といえるでしょう
子供の目線という共通の鍵でその扉を開いて見せているのです

カメラの見つめる視線の暖かみ、その場の空気感を伝える間のあるカット回し、そして色彩
光と影
素晴らしい技量の監督だとおもいます

ラストシーンの押し花のハッとする効果的な一撃は長く記憶に刻まれるだろう見事なものでした

名作であると思います

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あき240