「【”走れメロス!イランバージョン。”友だちが退学にならないように、少年がくねくね道を只管に、必死に走る無垢なる姿が沁みます。当時のイランの子供達がイロイロな仕事を親から言われて大変だった事も・・。】」友だちのうちはどこ? NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”走れメロス!イランバージョン。”友だちが退学にならないように、少年がくねくね道を只管に、必死に走る無垢なる姿が沁みます。当時のイランの子供達がイロイロな仕事を親から言われて大変だった事も・・。】
ー 冒頭、質素な教室でネマツァデ君は、先生からこっ酷く叱れている。宿題をノートではなく紙に書いて来たからだ。
そして、先生からは”次に同じことをしたら、退学だ!”と言われてしまう。
隣席の、アハマッド君は心配そうに見ていたが・・。ー
◆感想
<Caution ‼内容に触れています。>
・冒頭のシーンでポシェテという地域から通学してきた少年が遅れて教室に入ってきた際に、怖い先生から、”何処から来た?””ポシェテです・・。”
仕方ないなあ、という表情で先生が”ポシェテからくる子は10分早く起きなさい、30分早く寝なさい!”と言う。
ー ポシェテってところは、遠いんだね・・。ー
・アハマッド君が家に帰ってきたら、ナント、ネマツァデ君のノートが出てくる。焦る、アハマッド君。
”このままじゃ、ネマツァデ君が、退学になってしまうよ!”
ー けれど、親からは宿題代しろ!と言われ、必死に宿題をするアハマッド君。。そして、脱兎の如く、ネマツァデ君のノートを片手に、くねくね坂道を駆け上がっていく。
ポシェテに住むネマツァデ君にノートを届けるために・・。ー
■焦る、アハマッド君を遮る数々の障害。
・突然落ちてくる洗濯物。
ー 人の良いアハマッド君は、洗濯物を投げて戻してあげようとするが・・。時間はドンドン過ぎていく・・。ー
・ポシェテには、色んな地区があって、ネマツァデ君がどの地区に住んでいるか、分からない・・。
・アハマッド君のお爺さん。
ー 孫はキビシク躾けなきゃならん!と言って、煙草を持っているのに、煙草を買いに行かせる・・。で、自分の昔話を友達のお爺さんにし始める・・。
躾じゃないでしょ!時代が違うんだよ!ー
・”儂は、何でも知っている”お爺さん。
ー アハマッド君を、ネマツァデ君の家に案内するというも、自分が作った木製の扉の話ばっかりして、到頭息切れしちゃって、到着できない・・・、というか、知らないんじゃない!ー
・意気消沈して、家に帰ったアハマッド君。食欲無し・・。
<翌日、学校にアハマッド君は来ない。ノートがないネマツァデ君は、涙顔。
ドンドン迫って来る怖い先生。
そこに、現れたアハマッド君。
最初、ノートを間違っちゃうけれど、キチンと、ネマツァデ君のノートにも宿題の答えが書いてある・・。
当時のイラン情勢を、コミカルに揶揄しながらも、溢れる山道を駆けずり回るアハマッド君の善性溢れる姿が、沁みてしまった作品。
佳き作品であると思います。>