「【”隣の芝生は青く見える。そして人は年を取る、様々な若き頃の屈託を抱きながら・・”生後直後に取り違えられた二人の男の人生を”シニカル&コメディタッチ”で描いた作品。】」トト・ザ・ヒーロー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”隣の芝生は青く見える。そして人は年を取る、様々な若き頃の屈託を抱きながら・・”生後直後に取り違えられた二人の男の人生を”シニカル&コメディタッチ”で描いた作品。】
ー 今作の監督”ジャコ・ヴァン・ドルマル”は1991年に今作を公開し、様々な賞を獲得しながら、その後、2015年までに、たった4作しか制作していない、寡作な監督である。
今作は、生後直後に産院の火災で、取り違えられた老いたトマの邂逅を軸に、臨家の取り違えられたアルフレッドの人生と併せ、彼らの少年時代から、老年までを描く作品である。ー
◆感想
・老いたトマは老人ホームで、アルフレッドを憎みながら過ごしている、やや耄碌しながらも・・。
ー 冒頭の、噴水に突っ伏す男の姿。ラストとの見事な繋がり。ー
・回想シーンでは、トマは、パイロットの父や、魅力的な姉、アリスに囲まれ、幸せな人生を送っている。勿論、臨家のアルフレッドも裕福なカント家で育っている。
ー 何が、老いたトマを、アルフレッドを憎む気持ちにさせたのか・・。ー
□トマの父は、アルフレッドの父の依頼を受け、商品購入のため外国に飛ぶが、雷雨のため帰って来ない、永遠に・・。
そして、トマが好きだった姉(取り違えばなければ、恋したであろう・・)は、アルフレッドと恋仲になり・・。
・青年になったトマは、姉アリスに似ているエヴリーヌと恋仲になるが・・。
<老いたトマが、アルフレッドを訪れるシーン。
老いたアルフレッドが言った言葉。
”金はあるけれど、幸せな人生ではなかったよ。君は、人生が楽しそうで良いな・・。
トマは、アルフレッドを特に妄執もあり、憎むようになっていたが、実はアルフレッドはトマの人生を羨んでいた。
捻りの効いたシニカルコメディである。>
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