遠い声、静かな暮しのレビュー・感想・評価
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【”乱暴な父だったが、家にはいつも歌声が溢れていた。”50年代、リヴァプール。存命時の父の姿と共に成人した子供達の姿を数々の歌と共に描いた作品。】
ー イギリスの名匠、テレンス・デイヴィス監督が家族の絆と記憶を描いたドラマ。-
■50年代のリバプール。長女・アイリーンの婚礼の日の朝、アイリーンと妹のメイジー、弟のトニーは亡くなった父(ピート・ポスルスウェイト)のことを回想する。
乱暴な父だったが、歌が好きだった彼を家族はみんなそれぞれに愛していた。
やがてメイジーとトニーも家族を持ち、夫々の人生は新しいステージに移行していく。
◆感想
・劇中、様々な歌を家族たちは歌って、演奏しているが、”ライムライト”しか分からない。
・だが、この作品を見ているとある一家の家族の時の流れの中でも、乱暴だったが歌を愛した父を懐かしむ成人した子供達の表情が、とても豊かに見えるのである。
<今作は、人生は色々あるけれど、歌がこの家族を支えて来たんだろうなあ、と感じる”ファミリーツリー”作品である。>
声がうるさい
声が大きくて、到底静かとは言い難い。時間が行ったり来たり分かりにくい。
夫人や子供に暴力を加える姿は醜いか、病院に担ぎ込まれた時に「すまなかった」と謝るが、我が亡父は「俺の人生間違ってたなぁ」って曰わった。
生歌は良いが、独唱ばかりで、合唱してもユニゾンばかり。
歌を聴かせてくれると言うので見たが、その歌声が初めて「うるさい」と感じた。。
何が引っかるのか理解出来ない。
まぁ、僕の偏見かなあ。
偏見と言われそうだ。
なお、この演出家は戦後のベビーブーマー世代。だから、空襲の事は知らないはずだ。
リバプールの記憶
テレンス・デイヴィス監督の自伝的要素のある映画で
1940〜1950年代のリバプールのカトリックの労働者階級の家庭生活が描かれている
物語の父親の過度な厳格さと暴力の原因が
はっきりとはわからないが
監督自身は無神論者になってしまっている
この父親を演ずるポスルスウェイトと
忍耐強く愛情深い母親役のダウィが、やっぱり印象的だった
娘のひとりが彼氏に CHANEL N°5 を送られて
友達とほっこりする場面が可愛らしかった
モンローが眠る時はこれをつける、と言っていた頃か
港町は流行が早いのだろう
そして音楽も
この映画では世相や人々の心象を表すものとして曲が多用されていた
母親が暴力を振るわれるシーンで
Taking A Chance On Love (Ella Fitzgerald) が流れてくるのが切ない
出会った頃とは別人のような夫との暮らし
In The Bleak Mid-Winter を背景に
ツリーを飾り 子供の寝顔を見つめる彼の姿は優しげなのに
馬の手入れをしながら アイルランド人の歌を歌っているので
アイルランド系かな?と思ったが
さらにその親族を見て確信する(笑)
リバプールは重要な港湾都市なので移民も多方面から流入
戦争では狙われ、空襲も激しく
苦しい日々が続いた
馬小屋さえあれば…という詞も非現実的に思えてくる
心も荒む…
このあとビートルズを生み出し
今では多文化共生都市の成功例として語られるが
それまでの長い住民の苦節、心の変遷のようなものが
映像と監督の選択した曲の数々に感じられた
劇中でも名曲と言われている
IWanna Be Around は
洒落た曲だと思っていたが
ここでは恨み節的に使われていて
興味深かった
息子が結婚式で泣いていたのは
こんな世情で家系を繋いでゆく重圧(苦労)から、だろうか
英国で評価が高いのが、理解できる
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