トゥルーマン・ショーのレビュー・感想・評価
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もがいても逃れらないのなら、受け入れるしかない
安部公房の砂の女を想起した。
こちらは砂の穴にはまり込み、そこにいた女と生活することになるが、
逃げ出そうとしても決して逃げ出せず、村人たちに監視されながら生きていくという
不気味なストーリーだった。
本作は不気味さはあまり感じないが、大なり小なり人は何らかの制約の中で生きており、
無い物ねだりをしても仕方ないので、その制約の中で、精一杯生き切ることが
大切なのだと思う。無理矢理な解釈かもしれないが、自分はそう受け取った。
私も見られている
今まで見た時は腹立たしく番組プロデューサーを憎みトゥルーマンを憐れんでいました
しかし、この作品はもっともっと深く深く意味のある映画だったのですね
何度か見ていたし比較的内容を覚えていたつもりでしたが久々の鑑賞に新たな発見や感動があり、やはり、映画とはなんとも奥深い、何度見たって楽しめる
私ね、昔っからふと考えてしまう事があるんですよ
何をしていても時折り左斜め後ろ上から自分を見るようなそんなことを思っちゃうんです
そうだな〜 5mほどの距離からかな〜
例えばスマホで何やってるかは分からないくらいの距離
小学生くらいの時からかな、そんなことを思うようになったのは
だからってわけじゃないんだけどポイ捨てとかあまり良くないことは出来ないし美しい景色とかあったら斜め上から徐々にカメラが下がってきたりしてなかなか楽しい
かと言って想像力を働かせて奇抜なストーリー展開にするとかって言うこともなく今を淡々と眺めているだけなのです
最近は少し忘れてましたけど『トゥルーマンショー』を見て思い出しました
私は常に見られている、見られていると言うよりも自分が第三者目線で見ている
だから時折り滑稽だったりズルかったり素晴らしかったりポンコツだったりがよく分かるんです
あなたはどの角度から自分を見てますか?
私もそんな視聴者の一人です。
エド・ハリス演じる番組ディレクター、これほどまでに苛つかせるキャラはいない。天気を操り、ラストは天からの声のような演出と共に慈悲深い神を気取ったセリフを吐く。
しかし彼だけではなく、妻役や親友役、父役、その他エキストラのすべてが、主人公の状態を理解したうえで仕事という名目の元、主人公を追い詰めていく。
そしてそんな主人公が抗う姿を見ながら感動し涙を流す視聴者と、そこに群がるスポンサー。
きっとそれらの中に自分の姿を重ねざるおえないところに、この苛立ち、不快感はあるのだろう。
ラストシーン、作り物の青空と海を背景に、切り口上を述べて現実の世界へと退場していく。ユーモアとしても映像としてもとても良くできている。
しかし、本当に幕を下ろしたのは、番組終了してすぐに番組表を探す視聴者たちだった。まるで、「君たちも同じだろ」と言わんとするように。
最後のシーンの意味とは?
現代文の文章の中に、この映画の話が出てきたので見てみた。
ジム・キャリーの表情がとても良く、見ていておもしろかった。
現代文の文章で読んだ時に描いた想像が結構違うくて面白かった。
今度はイエスマンでも見ようかな
浅はかで、怠惰で、傲慢な世界
平凡な日常のある朝に、空から謎の小物体が、自分の近くに落ちてきた。その後、自分は監視されている感じや死んだはずの父が路上を歩いているのを見かけるなど、違和感が渦巻くようになる。
何の前知識もなく見始めたら、最初は主人公が認知症でも発症してきているのかと思ってしまったが、そうではなかった。
むしろ、人間の欲や浅はかさを痛烈に皮肉にした映画だと思った。虚構に完璧な現実を再現することが無理なのに、それを貫ぬき通そうとする浅はかさと、それでも虚構に現実では得難い刺激や安寧(実際には様々な可能性があるはずなのに)を求める怠惰で傲慢な欲。それらが作り出す歪な世界に吐き気さえ感じるところを、ミステリー→種明かし→ハプニングという物語の流れを作って娯楽化に成功しており、これまた皮肉だなと思えてならない。
結局、ちゃんと理解しようと思い、もう一度頭から見てみると、シーンの細かいところでの役者の表情や視線の意味が理解できて、二度目もいろいろ発見のある映画でした。
感想が2つに分かれる映画(主に私の中で)
この世界は実は作り物だった…というシミュレーション仮説的な世界観はこの映画の数年前に作られたマトリックスや最近だとフリー・ガイとか古くはSF小説とか割と手垢のついたネタで、私的には結論も出てて「作り物だったとしてもその世界で精一杯頑張るしかないよね」派。
ストーリーは感動話として王道な感じで予測から外れるような展開はあまりなくて、まあそういう流れになるよね的な。もっとトゥルーマンがプロデューサーが嫌がるような「あからさまな演技」をするシーンとかあってもよかった気がするけど。最後のプロデューサーの自分を神と思ってんのか的セリフももうちょっとドロッとした感じに捻ってくれた(例えばトゥルーマンを心底自分の子と思ってるからこその毒親的保護欲をみせたセリフにするとか)ほうが自分的には好みだけど、ラストの爽快感を重視するならこの演出なのかな。
最後は感動的なラストに拍手喝さいを送る(つつさあ次の番組見ようとすぐ切り替える)テレビ視聴者と自分自身が重なり、実のところもっとも醜悪なのはプロデューサーよりも自分たちだったというオチなわけだけど、数十年前の未来日記や最近ネトフリに多いリアリティ・ショー、としまえんのクロちゃんしかりエンターテインメントを求めて視聴者が醜悪な行動をとる・視聴者を満足させるため過激になっていくみたいなのを思い起こすと実際ちょっと気分が悪くなる部分も(もっとドロドロした演出の方が良かったと書いてる自分は完全にテレビ視聴者だ)。
こんなこと思いつつもやっぱり映画見てる最中はトゥルーマンに感情移入してて応援していて、やっぱり最後嵐の中ヨットを進めるシーンはトゥルーマンを応援する気持ちがむくむくと湧いてくる。ヨットが壁にぶちあった時の「ついにやった!」感と、それまでのリアルさがある風景からあからさまに作り物感ある風景へ切り替わりその先に外の世界へと続く「空に描かれた階段」という画が強く印象に残る。
扉の向こうは真っ暗で必ずしも彼が選んだ先が幸福に満ちているかはわからないことを象徴してるようにも思えるけど、最後にお決まりのせりふを吐いて皮肉を利かせつつ作り物としての「トゥルーマン」を最後に演じ切り扉の向こうに消えていくのはやはり爽快感がある。すべてはジム・キャリーの迫真の演技があってこそ。あ、親友役の人の演技も好きです(顔を引きつらせつつの『絶対に嘘はつかない』とか、結構マジに心配して捜そうとしてるとことか)。
友人・彼女と一緒に見た場合に言うべき社会的に正しい(?)感想は「安全な場所、守られたかごの中にとどまっていてばかりでは真実には出会えない、勇気をもって一歩踏み出すことの大切さを伝えてくれる素晴らしい映画だった」なんだけど(笑)、それは醜悪なテレビ視聴者的感想でありその感想・感情を嫌いつつ捨てきれないのをどうしたもんかともんもんとしてしまうそんな読後感だった。
コメディーと割り切って見ればいいのでしょうか・・・
初めての鑑賞
ずっと前に録画していたが
途中まで見て、やめていたものを
もう一度、初めから見直した
主人公の生活は24時間生中継されている
知らないのは本人だけ
まわりの人間はすべて俳優
という設定
面白そうと思って録画したのだが
自分には合わないか・・・・
コメディなのだから
「そんなのあり得ないだろ~」
とかは抜きにして見たつもりだが
面白いと思えなかった
と、いうより
365日24時間、他人の生活をリアルで見たいかな?
今回、
・テレビで見る側
・生中継される側
・演じる俳優
といろいろな角度で見てしまい
自分の目線が定まらなかったため
見終わって、疲れた
いつか、またテレビ放映があったら
もう一度見ようと思う
今回と違う印象を受けるかもしれない
ひとのこころ
続きが気になる
某国の現状と重なって見えてしまい…
24年前のロードショー以来だったが、
過去の鑑賞では、
己の人生は自らの意志で導いたものか、
或いは他人の意志に導かれているものに
過ぎないのか、との観点で
この映画を捉えていたような記憶だが、
改めて観てみて、
情報操作や監視社会が問題視される今だから
こそ価値ある作品かもしれないと感じた。
某国に置き換えて観てみると、
多数少数の点では逆だが、
トゥルーマンはその国の国民の象徴、
番組スタッフやエキストラは国家指導部、
TV視聴者は経済発展だけに目を向けて
体制に甘んじてる国民を彷彿させ、
そして、トゥルーマンに真実を伝えた
女子大生は情報操作や監視社会の問題に
声を上げて追放処分された知識人、
といったところだろうか。
「私の世界なら君は安心だ」との
トゥルーマンへのプロデューサーの語りかけ
は某国の指導者の心内そのものに思える。
映画ではたった一人でもトゥルーマンは
最後に歪んだ社会から逃れるべく行動した。
圧倒的多数の某国の民は、
情報操作・監視社会から脱却すべく
行動出来るだろうか。
私は33年前の事件で立ち上がった若者達の
民主化へのエネルギーがまだ残っていると
信じたいのだが。
頭の中にまでカメラはあるまい それはプライバシーこそ人間の尊厳だという言葉であったと思います
2021年の年末
なにやら日本でも「未来日記」というリアリティショーが作られて、Netflixで全世界に配信が開始されているそうです
もともとは2000年頃、バラエティー番組の1コーナーとして同名のリアリティショーがあったことを覚えている人もいるでしょう
自分も夢中で視たくちです
そのコーナーの為に作られた曲のサザンオールスターズのTSUNAMIや、福山雅治の桜坂、GLAYのとまどい/SPECIAL THANKSと、立て続けにミリオンセラーの大ヒットがでたほどの超人気のコーナーでした
リアリティショーはテレビの黎明期からあったそうです
隠しカメラで一般人の生活を放送する今に続く本作のような番組は、1992年のMTVの「リアル・ワールド」が始めたフォーマットだといいます
それが大人気となって世界中で模倣されたそうです
20年前の「未来日記」も、その模倣番組のひとつなのだったのでしょう
本作はその2年前の1998年の公開作品
リアリティショーの非人間性を訴えることがテーマであるところが、本作の凄いところです
リアリティショーは、その後もテレビの人気のジャンルとなって、その「未来日記」のように20年以上経った今も世界中で繰り返し作られています
しかし、近年イギリスではリアリティショーが過激化して3人もの自殺者を出したといいます
日本でも、2020年5月にキー局製作のリアリティショーの女性出演者が自殺した痛ましい事件は記憶に新しいことです
テレビ黎明期から存在するジャンルというのだから、よほどテレビというメディアとの親和性が高いのだと思います
リアルタイムというのは映画では有り得ないからです
ネット配信なら?
基本オンデマンドですが、リアルタイムもありテレビに近い性質を持つところは、ネット配信もリアリティショーに性質が合うメディアなのかも知れません
だからネット配信でも、リアリティショーの出演者が自殺した事件が2020年8月にあったといいます
プライバシーを剥ぎ取られ放送されてしまう
シナリオと実生活が融合してしまう
そこに人間の尊厳はあると言えるのでしょうか?
動物園の檻のなかと何が違うのでしょうか?
しかし、それは出演者の同意の上でのこと
一体何が問題なのだ?
そういう向きもあるかと思います
ユーチューバーはどうでしょうか?
自ら進んで私生活を垂れ流し配信する人物もいるらしいではありませんか
チャンネル登録者数やページビューを上げる為なら、私生活の垂れ流しも、迷惑行為でも何でもあり
つまるところ、有名になりたい、金を稼ぎたい
その為に人間の尊厳を切り売りしているとは言えませんでしょうか?
確かにリアリティショーは面白い
しかしそれは、出演者の人間性を抑圧して実現されているといえるのではないでしょうか?
他人の人間性を抑圧して喜ぶ
出演者の人間の尊厳を剥ぎ取り、それを消費して笑う、泣く、怒る
そういうことです
コメディならそれもありでしょう
当然です
でもそれは現実とは別物であると観衆と出演者は相互に理解して、芸として観ているのです
リアリティショーにはそのような約束事が曖昧なのです
というか、それをわざと視聴者に隠しているからリアリティショーなのです
人種や民族、肌の色、性別、LGBT といったことをネタにして同じことをしたら、どれほど重大かつ深刻な人権侵害になるか
現代の人間なら、誰だって容易に想像できます
コメディでも無理です
現代のプロのコメディアンなら慎重に避けて通ることです
リアリティショーとコメディは、一体何が違うというのでしょうか?
リアリティショーはその様な人権侵害の自覚もなく、現代でも未だに漫然とそれをやっているのです
本作は20年以上も前に、それを訴えていたのです
リアリティショーの持つ問題の本質を突き詰めて警告していたのです
頭の中にまでカメラはあるまい
それはプライバシーこそ人間の尊厳だという言葉であったと思います
2021年の「未来日記」はまだ視ていません
このような懸念を払拭しているような内容であることを願うばかりです
それ以上に深刻なのはテレビのニュースかもしれません
本当のリアリティだけのはずなのに、インタビューされている街の人が劇団員だったりしているのです
恐ろしいことです
それって、最早私達は本作と変わらない世界にいるという事ではないでしょうか
見てソンはないと思います。
はじまってからしばらくは、どういう意味なのか
はっきりはわからず、モヤモヤしながら見てました。
こういうことなのかな、という想像で。
で、種明かしされてからは、急におもしろくなりましたね。
テンポアップされたって感じもしました。
ジム・キャリーは、
あいかわらずのオーバーアクション。
でも、この映画は、それがぴったりはまるって
いう設定ですよね。
前半が少し単調な気もしますが、
優れたドラマだと思います。
コメディととらえるか、とらえないか。
私は、コメディととらえて楽しめました。
ジム・キャリーってこんなにカッコよかったのか、、
マスクのイメージが強いジム・キャリーがこんなにシンプルにカッコよかったなんて知らなかった、、、
途中で『ちょくちょくスポンサーのCM入るやん!www』って思ってたけどそれにもちゃんと意味があって凄く作り込まれてて面白かった
ラストのシーンまで目が離せなかった
【”僕を中心に回る小世界からの脱出・・・” コメディを装った強烈なシニカルムービー。】
アイデアはおもしろいけど、胸くそ
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