「気持ち悪い」トゥルーマン・ショー チヌテさんの映画レビュー(感想・評価)
気持ち悪い
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設定が面白すぎる。最後のオチもしっかりしてて、飽きずに観ることができた。
でも、親友に説得されて、父親にも再々会したのに、なぜいきなり船で逃げ出したのかが、よくわからなかった。決定的なきっかけが欲しかった。
ピザを食べながらラストを観ていた2人組の警備員が言った言葉が本当に気持ち悪い。
番組が終了して画面が砂嵐になり、「ピザはもういい。他の番組は?(略)」と言ったのだ。
生まれてから30年間の成長を観てきた男の、新しい人生を踏み出す瞬間を観たのにもかかわらず、なんの感動も無くもう他の番組を観ようとしている。この警備員(視聴者)にとっては結局ただの娯楽でしか無いのだ。いくら男の勇気を応援して、新しい人生に喜んでも、それも含めてただの娯楽。
娯楽が溢れていて、一人の男の半生、と作られた世界に気付きそこから抜け出す勇気と感動をもってしてもただの娯楽なのだ。
だか、そんなただの娯楽をさらに一歩引いて観ている私達は、この作品の中の警備員(視聴者)よりもちょっとやそっとのことでは満足できない、感銘できない心の持ち主になっているのか…
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