「私もそんな視聴者の一人です。」トゥルーマン・ショー komasaさんの映画レビュー(感想・評価)
私もそんな視聴者の一人です。
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エド・ハリス演じる番組ディレクター、これほどまでに苛つかせるキャラはいない。天気を操り、ラストは天からの声のような演出と共に慈悲深い神を気取ったセリフを吐く。
しかし彼だけではなく、妻役や親友役、父役、その他エキストラのすべてが、主人公の状態を理解したうえで仕事という名目の元、主人公を追い詰めていく。
そしてそんな主人公が抗う姿を見ながら感動し涙を流す視聴者と、そこに群がるスポンサー。
きっとそれらの中に自分の姿を重ねざるおえないところに、この苛立ち、不快感はあるのだろう。
ラストシーン、作り物の青空と海を背景に、切り口上を述べて現実の世界へと退場していく。ユーモアとしても映像としてもとても良くできている。
しかし、本当に幕を下ろしたのは、番組終了してすぐに番組表を探す視聴者たちだった。まるで、「君たちも同じだろ」と言わんとするように。
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