12モンキーズのレビュー・感想・評価
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何て贅沢なミスディレクション。
ブラッド・ピットの圧倒的な演技力に、冒頭からいきなり全部持っていかれる。アカデミー助演男優賞の怪演は必見。
タイムループを度々繰り返すので、何が本当なのか、何が現実なのか、数多の伏線もあり、なかなか頭の整理がつかない。
四半世紀近い昔にパンデミックを題材に、パニック映画にせず、まさかのサスペンス映画に。新型コロナを予言したかと思うくらいの設定と、その世界観に驚かされる。
未来(という現在)を救う為に、過去に挑むのだが、未来を変えるのが目的ではないのが秀逸。ドラゴンボールのトランクスに近いタイムループ。設定は非常に興味深いが、2035年の地下世界、地上の描写、もう少し時間をかけても良かった。未来での危機が希薄かつ独特過ぎてしまったか。
違和感と不安を煽る音楽、演出は素晴らしく、そこにルイ・アームストロングの名曲が、最後に沁み入る懐古的な感覚はとても心地良い。
ラスト30分には賛否分かれているが、現実はリセットは出来ない。思い込みの怖さ、各々が持つ正義と常識、
考えさせられるラストのワンシーン。スッキリするエンディングではないので、ハッピーエンドに期待はせずに。
コロナ禍の前と後では、全く見え方が変わってしまった映画の筆頭であると思います
現在2021年2月10日です
WHOの調査団はコロナパンデミックの発生源とされる中国武漢での調査を終えたそうです
ワクチンの各国争奪戦と接種方法について侃々諤々の騒動が渦を巻いています
東京や大阪の緊急事態宣言は延長されてしまいました
1996年の映画
今からちょうど25年も昔
しかし、まるで今年作られた映画のようです
今日を予言したようなものです
コロナ禍の前と後では、全く見え方が変わってしまった映画の筆頭であると思います
1990年と、1996年のアメリカ
もちろん誰もマスクなんかしていません
街中の雑踏は密でごった返しています
夜遊びも、会合も自由です
そんな当たり前の光景がコロナ禍にある私達の目にには、主人公のジェームズのように奇異に写るのです
コロナ禍以前の生活の方が異常に見えるのです
ロックダウンされてステイホームしている私達は、もはや地下に潜んでウイルスから避難している2035年の人々と同じ視点になってしまっているのです
もし2019年の秋に、つぎのようなことを大声で町中でわめいたら、どうなったでしょうか?
もう直ぐ未知のウイルスで人類はパンデミックに襲われるんだ!
世界中の国々で何億もの人々が感染して、何十万の死者がでる
海外の国々との往来は禁止され、自宅から出てはいけないと強制されることになるんだ
武漢から世界中にあっと言う間に広まってしまう!
ミラノも、パリも、ロンドンも、NYも、東京も大阪も名古屋も福岡も!
今すぐ国境を封鎖しろ!
緊急事態宣言が発出されるんだ
街はロックダウンして、誰一人出歩いてはいけない
会社になんか行くなテレワークでやれ!
旅行なんかとんでもない!、会食も禁止だ!
握手するな!、マスクしろ!
スーパーのレジにはビニールカーテンを張れ
レジ係はマスクだけじゃなくて手袋もしろ!
オリンピックなんか絶対無理だ!
どうです?
むちゃくちゃな荒唐無稽のことに聞こえます
こんなことを大声で言えば狂人とされて劇中のジェームズと同じように精神病院に入れられたに違いないのです
しかし、全て本当に起こった現実なのです
そしてキャサリン博士のような人に、映画のように出会うことになるのかも知れません
物事には原因があって結果がある
コロナ禍にも必ず原因はあったはず
WHOの調査団は真実を突き止められるのでしょうか?
しかし現実はタイムトラベルはできません
コロナ禍の発生は止められないのです
少年のジェームズのように私達はコロナ禍の発生の前後に何があったのか、何がどう変わってしまったのかを直接目撃し、克明に記憶した世代なのです
私達は今後何世紀も歴史に残る人類への衝撃の最中にあるのです
それを後世に伝える責務があるのです
このことを驚くべきことに本作は、25年も前に映画にして既にやっていたのです!
監督はまさに現在から1996年にタイムトラベルして映画にしてみせたかのようです
圧倒的な感慨に襲われます
「この素晴らしき世界」(What a Wonderful World)は、ルイ・アームストロングの有名な曲
エンドロールで長く流れます
その歌詞がコロナ禍にある私達の心に深く深く心に染みいります
素晴らしき世界は訪れるのでしょうか?
面白い題材がギリアム監督の才に溺れた演出で難解に終わるSF映画
細菌による人類滅亡の危機を救うべく一人の犯罪者が、タイムマシンで過去に送られ情報収集するプロットに、謎の若者グループ”12モンキーズ"のリーダーを絡ませたSF大作。第一次世界大戦から現在へ、そして2010年と目まぐるしく変わる場面展開と主人公が精神症に陥るところなど、幻覚効果を狙ったモンタージュの遊びが面白い。ただ題材の異色さやストーリーの複雑さは良いとして、監督テリー・ギリアムの才能に溺れた演出がサービス精神薄く、難解な結末に戸惑うだけだ。ブラッド・ピットの”12モンキーズ”の謎解きが終盤のクライマックス前に消えて、取って付けたような真犯人が登場する肩透かしを食らう羽目になる。主人公を救おうとする精神科医師のヒロインが何故彼に魅かれるのかも描き切れていない。しかし、一番気になったのは、最近のアメリカ映画の暗さ。偶々なのかも知れないが、かつてのアメリカンスピリット、ヒューマニズム、ユーモア、行動力、正義感がなく、未来に対して希望が持てず怯えるアメリカの印象が強い。
1997年 1月15日
アイデアが死んでない
全体を通して言えることがさほどすごく面白い映画というわけでもない。この映画のいいところは何と言ってもストーリーの着想だろうと思う。 この手のパニック映画のアイデアはありそうでなかった。あったとしてもあまり面白い映画になっていなかった。それをこの映画は成功させた。厳しいことを言うとストーリーが分かりにくいとか、矛盾する部分とか結構見つかるが。しかし、 あのラストシーンが音楽とピッタリ合っていて、なんとも言えず切ない。それがずっと心に残り続ける映画だと思う。
12 Monkeysは24年ぶりに観てもイイ👍🐵
昔学生の頃リアルタイムで観て、ストーリーの巧みさとブラット・ピットの演技の素晴らしさを何となく覚えてたのですが、24年の時を経てAmazonプライムで再鑑賞。
改めて観て、やっぱりよく出来た映画だなぁと感心しました。しかもこのコロナ騒ぎの今観るとちょっと考えさせられます。そしてやっぱりブラット・ピットは若い時から上手い役者さんだったなぁと再認識👍
タイムトラベルものは数多くあるけど、主人公が時間の行き来をする内に、それが現実なのかおかしくなった自分の脳内で創り出された妄想なのか葛藤するストーリーを上手く作った稀有な作品です。
最後のシーンの解釈はいろいろ出来ると思うのですが、それは観た人が語り合う種としてもイイんじゃないでしょうか?
ヒッチコック作品へのオマージュ
なんて美味しい空気なんだ。ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」が劇中でも聴かれ、ラストで締めくくってましたが、もっと記憶に残るのがポール・ブアックマスターの「Sleepwalk」でした。もう記憶が無くなるくらいに、また夢遊病者のごとく彷徨うブルース・ウィリスの雰囲気を表してました。
また、ヒッチコックをかなりオマージュしてたというか、レイトショーの映画館ではそのままヒッチコック特集をやっていたようです。『鳥』とか『めまい』とか・・・あ、このシーンは覚えてない!なんて洒落ています。ネットで調べてみると、撮影もめまいっぽい光線があったりするらしいです。そしてヒッチコック監督お得意の“マクガフィン”ですが、もう12モンキーズそのものがマクガフィンであったかのように、終盤の展開には驚かされるのです。
本来はタイムトラベルものとして捉えるべきが、色んな小ネタを散りばめてあるために、全てがブルース・ウィリスの妄想とも思えるストーリー自体の謎も考えられる奥深さ(ただし、妄想と仮定するとライリーもそうなる)。空港での銃殺シーンを何度も夢見るウィリス。ブロンドねーちゃんがそのままブルネットヘアーのキャサリン・ライリーなんじゃないか!とも途中で気づくのですが、倒れたロン毛の男はわからないまま。こうして秀逸なラストに繋がっていくのです。
今回見た字幕版は誰の翻訳だかわかりませんが、細菌とウイルスという訳語が混在してますが、コロナのおかげで違いははっきりわかるのでウイルスに統一してもらいたかったです。まぁ目に見えないという点では同じなんですけどね。
ストーリーはすごくいいし、タイムトラベルする度に記憶喪失気味になるところは上手いし、同じ時間・場所にホセが登場するのもいい。ただ、未来の研究所がとてもチープなために未来感が湧きません。これもヒッチコック作品に似せるための意図的なセットなら肯けるのですが、象とかキリンとかに街を歩かせたりして、予算をそっちに持っていかれたのでは?という疑問が・・・ドン・キホーテの失敗に通じます。
やっぱり、ゴールデングローブで賞も獲っているブラッド・ピットがピカイチ。精神病を患ってる男や12モンキーズのリーダーだったりする演技は最高でした。結局、未来は変えることができたのか?何度繰り返してもブラピは失敗する気もします・・・
_φ(・_・ブルースウィリスツルツル。
映画館に行けない日々。AppleTVで昔意味不明だった映画を見る。
12モンキース、、、、、。
昔見終わってポッ、、、、。意味が良くわかりませんでしたが。
見直して秀作とわかる!!夢うつつという言葉が合う映画。
過去と現実がわかりづらくなる、、、が確かな事をつなぎ合わせるとわかってくる映画!
24年前の映画の意味が今わかりました。
ブラピやっぱいいね!ブルースウィイリスすでにツルツル。
ループ、デジャヴ、スパイラル、そして、僕達の世界、ウイルス後の世界
「歴史は繰り返す」と言われる。
本来は、人は学び、似たようなことが起きても過去の経験から、これを乗り越えていくというポジティブな意味のように思っていた。
しかし、人類は僕達が期待しているよりずっと愚かなのかもしれない。
この映画では、コールが同じ夢を繰り返し見ながら、そして、過去と今(未来)を行き来しながら、実は答えは案外近くにあったのに見過ごし、見当違いの方法に執着して、結局ウイルスの蔓延から人類を守ることが出来ない。
コロナウイルス感染症が広がり、クラスター追跡にばかり気を取られ、人々の命を救う真の手立て見失っている僕達の国の政府のようでもある。
同じことをループの中で繰り返しているようで、実は螺旋(スパイラル)を転がるように下へ下へと落ちて行く。
途中で見る景色は、前に見たシーン、そう、デジャヴのようだと思えても、実は少しずつ少しずつ下へ落ちていくなかで微妙に異なっていて、良い方向になどに決して向かっていないのだ。
作中で使われる、アストル・ピアソラのプンタ・デル・エステ組曲も、繰り返返される旋律のなかで、何か不穏な空気感を強めていく。
12モンキーズの標は、占いのホロスコープのようでもあり、西洋の星座占いにはない猿だけが配置されていて、全ての人類に同じ運命が待ち受けているのだということを示しているかのようだ。
そう、避けようのない悲劇的な運命だ。
ウイルス後の世界を描いた近未来SFだが、とても示唆に富んでいる寡作だと思う。
ウイルス後の世界を描いた作品には、邦画の「復活の日」もあるが、希望に対して、こちらは人類の愚かさと無力感を僕達に突き付ける。
ウイルスの蔓延と闘う世界を描くと作品と合わせて観てみるのも面白いかもしれない。
あれこれ示唆に富む分、僕はこちらの方が好きだ。
※ 因みに、アストル・ピアソラの代表曲リベルタンゴは、本当に名曲です。是非、聴いてみて下さい。
ブラピの魅力は感じます
病原菌により人類が滅亡寸前になった近未来を救うべく、タイムトラベルでやって来た男の物語。
古い映画で、公開直後にレンタルビデオで鑑賞した記憶はあるのですが、改めて鑑賞してみました。
ブルースウィリス、ブラッドピッドと言った当時としては最高の配役を準備した割りには、ストーリーの面白みにも、映像の迫力にも欠ける残念な映画でした。
タイムリープが出来るのであれば、『なぜパンデミックを阻止出来ないのか?』が不可解。「歴史は変えられない」と言いながら、ブルースウィリスが1990年にリープし現代の人々と関わった時点で大きく変わっているわけで、少々不可解な理屈でした。素直に「変える為」ってしてしまった方が、設定として無理がないように思えました。
ただ、ブラッドピッドのキレた演技は中々の迫力で見所です。
全てがキレイに繋がり、全てが意味を持って終わったけど…
最後のあの人の登場が全てをまとめるのオチなのは分かったが、どういう意味か分からず、ここのネタバレで理解した。
主人公が狂気と正気を行き来する話だが、始めからみんな狂っていたのかなぁ。
全てがキレイに繋がり、全てが意味を持って終わったけど、親殺しのタイムパラドクス的な結末だった。
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