「男臭さ全開、人質奪還バトル・アクション映画」デルタ・フォース odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
男臭さ全開、人質奪還バトル・アクション映画
映画の前年(1985)に実際に合ったトランスワールド航空847便ハイジャック事件に着想を得て人質奪還バトル・アクション大作に脚色。冒頭の修羅場もまた実際のイランアメリカ大使館人質救出作戦(1980年イーグルクロー作戦)の一幕です。アメリカ人にしてみればこの作戦の失敗はさぞ口惜しかったことでしょう。そんな時節柄、タイムリーなテーマの映画化だったのでしょう。B級映画によくある色恋沙汰も排除して男臭さ全開、アクション映画は硬派路線がいいですね。
実際のTWA事件での犯人の要求は主にイスラエルに向けられたものでしたからイスラエル人でもあるメナハム・ゴーラン監督・脚本・製作の関心も高く、イスラエル軍も全面協力となったのでしょう。劇中のC-130ヘラクレス輸送機はイスラエル軍の実機とか、プロペラ機にJATO(Jet-fuel Assisted Take Off:ジェット補助推進離陸)のブースターがついているのは初めて見ました。
映画では犯人の要求は曖昧、人質を分散させていることも通告しないのは解せませんね。ただ、たった二人のハイジャック犯にデルタフォース総がかりではバランスが悪いので舞台を飛行機からアジトに移さざるを得なかったのでしょう。007の秘密兵器並みのミサイル搭載バイクまで出しているのに手間のかかる肉弾戦の多いこと、武道家のチャック・ノリスの見せ場づくりはお約束なのでしょう、ただ歌舞伎役者の見得もどきのドヤ顔アップはやり過ぎでしょう。
豪華俳優陣なのですがジョージ・ケネディさんをエキストラもどきというのは贅沢の極み、アーメンだけではもったいない、リー・マービンさんは本作が遺作とのこと、アクションスターを貫いた名優さんでした。