鉄仮面(1929)

解説

「ガウチョウ」に次でダグラス・フェアバンク氏が製作した映画で、かつて氏が作った「三銃士(1921)」の続編をなすものである。ストオリーはアレクサンドル・デュマの『三銃士』並びに『鉄仮面の男』に基づき「ロビン・フッド(1922)」「ガウチョウ」の作者エルトン・トーマス氏が書卸したもので、それを「ロビン・フッド(1922)」「海賊(1926)」のロッタ・ウッズ女史が脚色し、「ロビン・フッド(1922)」のアラン・ドワン氏が監督した。出演者はフェアバンクス氏のダルタニアンを始めとし、マーゲリット・ド・ラ・モット嬢、ニーゲル・ド・ブリュリエ氏、レオン・バリー氏、等が前作「三銃士(1921)」と同じ役割を演じているほか、「男女の戦」のウィリアム・ブレイクウェル氏、同じくベル・ベネット嬢、「サブマリン」のドロシー・レヴィア嬢、ウルリッヒ・ハウプト氏、スタンリー・J・サンフォード氏、ジーノ・コラード氏、等である。「海賊(1926)」と同じくヘンリー・シャープ氏が撮影した。

1929年製作/95分/アメリカ
原題または英題:The Iron Mask

ストーリー

西紀1638年9月、仏王ルイ13世に長らく待たれていた王子が誕生した。が、この王子には双生児があった。カルディナルのリシュリウはこれが仏王国の未来の禍根となることを恐れ双生児誕生を己等の内の秘密となし、双生児をスペインに送りことを闇から闇に葬ろうとした。そして又、このことを知っている侍女のコンスタンスをマンテスの修道院に幽閉する。が、この秘密を探知したリシュリウの侍臣ドゥ・ロシュフォールは情人ミラディと共にリシュリウの裏を掻きその秘密をさぐろうとした。コンスタンス危しと知ったダルタニアンは三銃士、アトス、ポルトス、アラミスの助けをかり、ロシュフォールを捕え、コンスタンスの居所を自白させ、その救出に馳せつけた、が。時既に遅く、コンスタンスはミラディの刃に倒されてしまう。コンスタンスはダルタニアに双生児の王子のことを語らんとしたが言い終えない内に息をひきとる。リシュリウは己れの計画にダルタニアン始め三銃士が何かと邪魔をするのを憤ったが、ダルタニアンに三銃士と己れの命とを交換してもらったことを思い、三銃士を各々その故郷へ追放し、ただダルタニアンのみはその武勇にめでて王の許に止め置いた。そして王子4歳の時、リシュリウはこの世を去る。彼もダルタニアンに双生児の王子のことを打ち明けようとしたが果さない。それから年が流れて20年の後。王子成人して今はルイ14世となっている。ダルタニアンは老いたりとはいえ尚その元気荘者を凌ぎ、君側を離れずに忠勤をはげんでいる。が、この時、ロシュフォールは一方に双生児の王子を守り立てて来ていて、これを王座につけ己れの野望を遂げんとして機会の来るを待っていた。一夜、彼は不逞の徒と共に、間道より14世を襲い、それに鉄仮面を被せ川上の塔上に幽閉し、双生児の王子を代りにその王座に据えた。14世は非常手段を用いてダルタニアンに危急を知らせる。王危しと知った彼は檄を飛ばして旧友三銃士の来援を乞い、王の幽閉せられた塔へとその奪出に向かう。かくて彼ら4人は大勢の敵を対手に戦った。ボルトス、アラミス、アトス、次々に君国のために命を落とす。そして最後にはダルタニアンさえもが命を失った。が、この4人の命を賭した働きによって仏王国はまたもとの揺ぎなきその栄光と平和とに立ち返った。ダルタニアンとその友3人の銃士とは幽明境を異にしにとはいえはるかに祖国の万歳を唱えたのであった。

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