テスのレビュー・感想・評価
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ポランスキーの罪、と芸術
アメリカからヨーロッパに逃亡した、ポランスキー監督がラブラブだったキンスキー(当時16才)を主役に撮った映画
そして、 刺殺された亡き妻、シャロンに捧げられている
ポランスキーの罪(小児性愛)については、最近、やっと真剣に問い直されているが、芸術至上主義と男性中心主義が、まだ、映画界に蔓延していることが 判る
美しく、賢い(でも、貧しい)テスの苦難の道程を描いた映画だが、確かに監督の執着(愛 ? )が見え、キンスキーの代表作に仕上がっている
頭が 前近代の男(アレックスとエンジェル)は テスを、美しい所有物のように考えていて、彼女の人間としての 自問自答には、気がつかない
(エンジェルは後に理解、遅い!)
映画は (キンスキーを全力で、美しく撮ることで)
「美」が引き起こす「災い」という話に帰結していて、男(監督)の罪は 全力でスルーしている様にも見える
(監督の 追放されたアメリカへの、言い訳か?
これがまた、芸術に昇華してしまったことも、厄介なことである)
欲望は エネルギーの源だか、ポランスキーが許されてよいはずはない、とやはり思ってしまうのである
ストーンヘンジに横たわる テスを見ながら、ヨーロッパ文学によくある「生贄」という概念が、ポランスキーには あるのだろうかと、ふと 思った
原作は「ダーバヴィル家の(生贄の)テス」とも言えるが、キンスキーは 「ポランスキーの」生贄なの?
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