「パゾリーニ自身の悲劇をも予感させる不穏な傑作」テオレマ エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
パゾリーニ自身の悲劇をも予感させる不穏な傑作
ピエル・パオロ・パゾリーニ‼︎
そしてこれは必見の傑作。
大きな工場を経営する父、その妻、娘、息子、そして家政婦の5人。大邸宅に住むブルジョワの一家。バイセクシャルな謎の男の訪問により知ることがなかった悦びを知る。
潜在的な欲望を呼び覚まされたというのが適切か。
彼が去った後の喪失感は元に戻ることを許さなかった。
ヴィスコンティの諸作、特に孤高の傑作『家族の肖像』を思ったが、こちらの方が6年も前の作品だったのですね。
今作から7年後の1975年に暴行を受け殺害されたパゾリーニ自身の運命をも予感させる実に不穏な傑作。下世話なテイストも嫌いでない。
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