妻の恋人、夫の愛人
劇場公開日:1997年6月7日
解説
演劇界を舞台に、4人の男女の愛に揺れる心情を皮肉なタッチで描いた大人の恋愛ドラマ。オーストラリアの作家/ジャーナリストで、これが初の映画脚本となるヴァージニア・ダイガンのオリジナル脚本を、実兄で「泉のセイレーン」のジョン・ダイガンが監督。製作は「ギルバート・グレイプ」のバーティル・オールソンと、ポール・ラファエル。製作総指揮はジュリア・パラウとマイケル・ライアン。撮影は「IP5」のジャン=フランソワ・ロバン、音楽はエドワード・シアマーで、主題歌は元テイク・ザットのゲイリー・バーロウの歌う『フォー・エヴァー・ラブ』。美術はキャロライン・ハナニア、編集はハンフリー・ディクソン。衣裳はレイチェル・フレミングが手掛け、ジョン・ボン・ジョヴィの衣裳はジャンニ・ヴェルサーチが提供。主演は「ムーンライト&ヴァレンチノ」に続く映画出演作となるロックミュージシャンのジョン・ボン・ジョヴィ、「髪結いの亭主」のアンナ・ガリエナ、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のタンディ・ニュートン、「建築家の腹」のランベール・ウィルソン。「不滅の恋/ベートーベン」のバリー・ハンフリーズ、「タイム・アフター・タイム」のデイヴィッド・ワーナーらが脇を固め、『恋愛天国』(V、90)などで監督とは旧知の間柄であるニコール・キッドマンがカメオ出演している。
1996年製作/100分/イギリス
原題または英題:The Leading Man
配給:K2エンタテインメント配給(MIPIC=FCC=MR=K2提供)
劇場公開日:1997年6月7日
ストーリー
英国を代表する劇作家フィリックス(ランベール・ウィルソン)の美しい妻として、3人の子供の母として、エレナ(アンナ・ガリエナ)は14年間を完璧にこなしてきたが、夫の浮気によって今や家庭は崩壊寸前。一方、フィリックスは駆け出しだが才能があり、何より一途に自分を愛してくれる新人女優ヒラリー(タンディ・ニュートン)を新作舞台の大役に抜擢しておきながら妻や子への愛情は絶ちがたく、まだ離婚をためらっていた。そんな時、彼の舞台『ザ・ヒットマン』に主演するために国際的な映画スターのロビン(ジョン・ボン・ジョヴィ)がロンドン入りした。色事に関しては天才的な彼は、たちまちフィリックスとヒラリーの関係を見抜き、「僕が奥さんを誘惑してあげようか?」と囁く。一度は拒絶したフィリックスだが、エレナが次第に自分を見失って突飛な行動に出るに及んで、ついにその申し出を受けた。成功祈願のパーティの席でエレナと初めて会ったロビンは前もって彼女の趣味嗜好を探り、その後、何度も偶然を装って再会する。やがて、ついにロビンに抱かれた彼女は、その日から心も外見も前向きに変わった。ある朝、エレナは夫に離婚を承諾し、計画はまんまと成功。だが、あまりに幸せそうな妻の姿に逆に罪悪感を募らせたフィリックスはロビンを憎むようになるが、ロビンはエレナを真剣に愛し始めていた。舞台初日。楽屋でロビンとヒラリーのキスを見て怒りが頂点に達したフィリックスは、小道具のピストルをロビン個人の銃とすり替え、大胆にも舞台の上で彼を殺そうとする。だが、すぐに思い直して後悔したが、銃はモデルガンだったため失敗に終わった。舞台は大成功を収め、打ち上げパーティーで4人は初めて顔を合わせる。ロビンは席上、“親友”フィリックスの次の仕事となる映画『復讐の囁き』に主演すると宣言し、さらに自分の協力でエレナが劇作家としてデビューすることを告げた。ショックの連続で、思わず笑いだすフィリックス。アカデミー賞発表の夜。プレゼンテーター(ニコール・キッドマン)が『復讐の囁き』でのロビンの最優秀男優賞を告げた時、彼の隣には輝くばかりに美しいエレナの姿があった。それをテレビで観ているヒラリーは、書斎にこもりっぱなしのフィリックスとの生活に早くも孤独を感じ、涙ぐむのだった……。
スタッフ・キャスト
- 脚本
- バージニア・ダイガン
- エグゼクティブプロデューサー
- ジュリア・パラウ
- ミハエル・リャン
- 製作
- ベアティル・オールソン
- ポール・ラファエル
- 撮影
- ジャン=フランソワ・ロバン
- 美術
- キャロライン・ハナニア
- 音楽
- エドワード・シェアマー
- 主題曲
- ゲイリー・バーロウ
- 編集
- ハンフリー・ディクソン
- 衣装デザイン
- ラファエル・フレミング
- 字幕
- 古田由紀子