劇場公開日 2022年11月3日

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「ラストの演説が感動的で、多くの人に見てほしい。他にも曲芸やコントなど見どころがいっぱい」独裁者 p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 ラストの演説が感動的で、多くの人に見てほしい。他にも曲芸やコントなど見どころがいっぱい

2025年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

有名なラスト5分の演説は言うまでもなく素晴らしい。演説の始まり方がとても良い。床屋の主人であり、一般人らしく、普通の会話のように始まる。リアルさがあり、聞きたい気持ちにさせる。そこからだんだんと熱く語るようになっていく演出が強く心を打つ。

演説の中心になるメッセージは、Don't give yourselves to these unnatural men! かな、と思った。「異常なやつらに、魂を売るな」ということだと思う。現在の世界にも独裁政治はあるし、いじめる対象を作って扇動するのもたくさんある。なので、今も大事なメッセージであって、多くの人に伝わってほしいと思う。

チャップリンの曲芸も見事。有名な「地球儀バルーンのシーン」だけでなく、たくさんの荷物を抱えて、体操の平均台のようなところを落ちそうで落ちないというシーンもすごい。それから、音楽に合わせて髭を剃るシーンもピタリと合っていて見事。
独裁者ヒンケルがヘリング元帥に対して怒って突いたりするシーンが何度か出てくるけど、どれも笑える。へリングの「それはないよ~」という顔が絶品。
最後の5分と対になる形で、最初の方にヒンケルの演説がある。ヒトラーの特徴を的確に表現しつつ、ヒトラーを茶化している。このシーンもチャップリンの演技がすごいと思う。

Wikiによると、
・映画のストーリーを練ったのが、1938年からで、ナチドイツがオーストリアを併合した頃である。(映画でも終盤に“オーストリッチ”が攻め込まれる)
・そして、撮影を開始した時期は、ナチドイツがポーランドに侵攻した時期とほぼ同じで、
・映画の封切りの時期は、ナチドイツがパリに入った半年後である。
当時絶頂のヒトラーに対して、チャップリンは、リアルタイムで映画という手段を使って戦っていたということだ。この勇気と信念が感動的。改めて尊敬する。

p.f.naga
Mさんのコメント
2025年7月23日

チャップリンは凄いなあ、と素直に思った作品でした。
演説部分は何度見ても感動します。

M
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