黄金狂時代のレビュー・感想・評価
全4件を表示
【アラスカ黄金を求めて狂奔する人々をヒューマニズムとギャグを交えて描いた、絶妙に可笑しい作品。善性溢れるチャップリン演じる小男は故に女性にもてるのである。】
■ゴールドラッシュに沸くアラスカ。雪深い山に金鉱を探しにきた1人の小男(チャールズ・チャップリン)。
猛吹雪に遭い、転がり込んだ小屋にはお尋ね者のブラック・ラーセンがいた。
やがて、金鉱探しのビッグ・ジム・マッケイもやってくるが、寒さと飢えがピークに達し、彼らが行った事。
◆感想<これだけの名品なので、好きなシーンのみ記す。
一応Caution!内容に触れています。>
・食べるものが無くなった小男が行った自分の靴を煮て食べるシーン。
ー ここは、絶品で靴紐をスパゲッティのように食べたり、靴自体が美味しそうな食べ物に見えて来て、ビッグ・ジム・マッケイの皿にナイフで取り分けるシーンはホント、凄い。
・小男とビッグ・ジム・マッケイが籠っていた山小屋が、夜のうちに強風で流されて断崖絶壁の上で絶妙にバランスを取っているシーン。
ー 二人はその事実を知らないので”何だか、小屋が揺れるなあ・・。”何て言っているが小男が様子を見に小屋の戸を開けると空中に出て、慌てて二人で小屋を間一髪脱出するシーン。
ドリフターズのギャグのようであるし、小屋が斜めになって二人で攀じ登ろうとするシーンは後年、様々な映画で取り入れられている。-
・小男がジョージア達、踊り子の前で”じゃ、踊るよ。”と言って、二つのパンにフォークをさして、二本の脚のように見せて躍らせるシーン。
<そして、記憶を取り戻したビッグ・ジム・マッケイが隠していた金塊を掘り起こし、小男は好きだったジョージアと一緒に成るのである。
目出度し目出度し。>
十八番を演じているだけの喜劇になったしまった
ひもじさに負けて革靴を食べるシーンやロールパンのダンスなどで話題になりました、奇抜な笑いを織り交ぜてはいるがアラスカの雪山は観ていて寒くなるだけでストーリーは中庸だし、彼の持ち味のペーソスは感じられず十八番を演じているだけの喜劇になったしまった。
ちなみに革靴は昆布製で63テイクもやり直したので流石に下痢になったという、笑いの陰に涙ぐましい努力があったのですね。ナレーションの加わったリメイク版をBSで鑑賞。
素晴らしかった
改めてチャップリンの魅力がすごい。貧乏なんだけど気高くて前向き。町の女の子たちが大晦日に家に来てくれると準備していたのにすっかり忘れられているのが悲しい。そんな彼女と最終的にハッピーなエンドを迎えられてほっこりする。
雪山の動きのセットを使ったアクションもすごいけど、チャップリンがベルトがなくてひもをベルト代わりに使うと犬の首輪につながっているのとか、パンにフォークを刺したダンスとかどれも最高にアイディアが詰まっていて面白い。キャラもいいし、アイディアもいい。神がかっている。靴はギリギリ食べられそうだけど、確実においしくなさそうだ。
チャップリンらしい見所がいくつもある
総合:65点 ストーリー:65 キャスト:75 演出:70 ビジュアル: 55 音楽:65
1925年製作という、もともとはサイレント時代の古い作品だけあって画像の悪さは仕方ない。だが靴を煮込んで食べたりフォークとパンで踊ったり崖で山小屋を傾かせたりという有名な見所があり、チャップリンらしさが見て取れる。もてない小男チャップリンが、愛するジョージアが来てくれると思ってその様子を想像している姿が楽しくも物悲しい。ここが彼の真骨頂。
そんなチャップリンだったはずなのに、最後の場面で結局あれほどご執心でお金持ちになったら迎えに行くよと言っていたジョージアを迎えに行ってないのがわかる。偶然船で二人が出会わなかったらどうなっていたのだろうか、そんなことでいいのかというのが疑問として残ってしまった。
全4件を表示