「フィルム・ノワールの最高傑作だ。」チャイナタウン 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
フィルム・ノワールの最高傑作だ。
ある探偵が、浮気調査の対象である水道局幹部の死に遭遇。その依頼主である夫人は、偽者だった。探偵は、本物の夫人や、夫人の父親である町の有力者と対峙する、、、。
本作は、1910年代に起こった、ロサンゼルス市とオーエンス渓谷の農民や牧場主の間で起こった水利権をめぐる政治的紛争、「カリフォルニア水戦争」を参考に、舞台を1930年代に移している。
ジャック・ニコルソンは、本作撮影後、『おかしなレディ・キラー』の撮影中に、タイム誌の記者から、姉だと教わった女性が実母で、両親だと思ってた人物が母方の祖父母だと知らされている(その時既に、祖父母も母も逝去している)。
本作は、生々しい道徳的退廃と奥深い腐敗を、魅惑的かつ超然と描いている。これは面白い。ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイの素晴らしい演技も相まった、フィルム・ノワールの最高傑作だ。
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