「横溝正史?」チャイナタウン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
横溝正史?
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サム・シェパードやフィリップ・マーローなど私立探偵ものの人気は根強い、警察官と違って物差しは善悪だけでなく情にももろい、何よりルールは自身にあると言った一匹狼的な刹那と哀愁が持ち味、本作もその雰囲気、流れに沿ったオーソドックスな探偵もの。
よくある浮気調査と引き受けた軽い案件だった筈が予想外の展開、謎解きは探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の視点で描かれるから観ている方も小さな証拠でも見逃さないように必死で画面を追ってしまう、まさにミステリーの王道です。
(ここからネタバレです)
ただ観終わってみると実際にロスは水の問題で苦しんでいた史実をダム建設を巡る陰謀に仕立てて大風呂敷を広げたのはいいがあの顛末ではまるで横溝正史のようなドロドロ感、殺し屋も演じているポランスキー監督には申し訳ないがどうみてもチンピラ風情で怖くない、かっての同僚の警部補も馬鹿丸出し、不条理なお涙落ちは好みの分かれるところでしょう、ただ劇中の唐突に鳴ったクラクションが伏線だったとはやられました。
チャイナタウンというタイトルは場所というより不条理の代名詞として使われているようです、30年代のロスのチャイナタウンがどうだったのか知らないので、いまいち理解に及びませんでした。
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