劇場公開日 1952年3月21日

「【”地球の未来はこれで良いのか”当時の東西冷戦を憂慮した製作陣が、地球の未来を危惧する宇宙人を描く中で重いメッセージを発する本格的SF映画であり、現在でも十二分に通用する作品でもある。】」地球の静止する日 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”地球の未来はこれで良いのか”当時の東西冷戦を憂慮した製作陣が、地球の未来を危惧する宇宙人を描く中で重いメッセージを発する本格的SF映画であり、現在でも十二分に通用する作品でもある。】

2025年7月24日
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鑑賞方法:VOD

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■ある日、ニューヨーク・ワシントンにUFOが飛来する。
 その中から現れた或る惑星からの来訪者・クラトゥは、全銀河系の要請として地球上の原子力開発による戦争の即時的中止を勧告するため、ロボット・ゴートを引き連れて来たのである。
 大統領との会見、および全世界の首脳との会議を拒絶された彼は、その強力な力を示すため、12時から30分間だけ地球の動力機能を静止させるのだが、軍により撃たれてしまう。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・全世界できな臭い状態が続く2025年に観ても、今作を監督したロバート・ワイズの重きメッセージは十二分に通用すると思う。

・通常、宇宙人映画と言えば、侵略者として描かれるパターンが多いが、今作での或る惑星からの来訪者・クラトゥの態度は紳士的であり、そのメッセージは原子力を開発した地球人の行いを危惧して飛来した事が分かる。

・愚かしき米軍はそんなクラトゥと、ロボット・ゴートに銃を向け、戦車迄出動させるのである。だが、ロボット・ゴートは光線で銃と戦車のみを溶かすのである。
 それを見た米軍は、クラトゥを敵とみなし、話し合いもせずに銃で撃つのである。この時点でロボット・ゴートは、銃を構える兵士ともども、光線で攻撃するのである。

・驚異的な治癒力で回復したクラトゥは、全世界の指導者たちとの会議を要望するが、首脳たちは”自分の国で行うなら参加する。”と言う返事を彼に返すのである。
 そして、再び撃たれたクラトゥ。ロボット・ゴートは彼をUFO内に運び、一時的に傷を治すのである。

<そして、全世界のリーダーたちがUFOの前に集められた際にクラトゥが重々しく言った言葉は重い。
 ”惑星連合は相互間で監視している。地球が無為な争いを地球で行った際には・・。”
 今作は、当時の核開発競争を行う東西冷戦を憂慮した製作陣が、地球の未来を危惧する宇宙人を描く中で、重いメッセージを発する本格的SF映画であり、きな臭い2025年に観てもそのメッセージは十二分に通用する作品でもある。>

NOBU
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