「SFマニアの心が歓喜する作品です」地球最後の日 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
SFマニアの心が歓喜する作品です
感動しました!
大昔に観たはずなのに何故か記憶から消失していました
これはSF 映画ファン、特撮ファンならマストの作品です
何故なら「妖星ゴラス」の元ネタだからです
そしてなによりその特撮のクォリティ!筋立てのの的確さ!
感嘆するばかりです
SF ファンとしての琴線が震えるのです
米国の円谷英二に当たるジョージ・パルの辣腕や恐るべしです!
1951年のカラー作品です
ゴジラの3年も前、円谷英二はまだ東宝から公職追放を受けていた頃になります
本作の13年後の1964年の東宝特撮「妖星ゴラス」はほぼ本作のリメイクと言っても良いくらいです
本作は、遊星ベラスが地球と衝突するというお話です
ベラスは地球の10倍の大きさを持ち猛スピードで接近しており8ヵ月後には地球と衝突する事が序盤で判明します
この遊星ベラスは、衛星としてザラスを従えています
そしてザラスは観測によると地球と同程度の大木さで、環境まで似ているというのです
もうベラスとゴラス、一文字違いだけです
ザラスが地球に似た環境を持つためには、宇宙を放浪している間、地表を地球とにた環境に保つだけの熱放射がベラスに必要なはずです
だからベラスは地球に接近するにつれオレンジ色の天体として大きく夜空に浮かんでいるのです
それが妖星ゴラスが矮星であった設定の由来だったのです
ベラスとの衝突で地球が崩け散るなら、人類は滅亡です
そこで地球に似た環境を持つザラスへの宇宙船での移住が提案されます
国連での提案、宇宙船発射基地の建設、宇宙船の建造と物語は進みます
国連での国際会議のシーン、基地建設の土木作業シーンは明らかに「妖星ゴラス」に継承されていることがハッキリわかります
しかし「妖星ゴラス」は、本作に大きな影響を受けているのは明らかです
それでも宇宙船によるノアの箱船の部分を地球そのものを動かして衝突を避けるという肝の部分で、大きなオリジナル性を持っておりその価値を損ねるものでは無いことは断言できます
しかし、他天体との衝突によるデザスターが起きるということでは、この種の映画の全ての始祖であることは間違いありません
メテオ、ディープインパクト、アルマドゲンも本作の影響化にあります
最後は神のお導きという形という御都合主義となりますが、それでも感動します
地球を破壊してた遊星ベラスは、地球から移住してきた若い男女40数名のいる衛星ザラスを従えて宇宙を放浪していくのです
宇宙船に若い男女が乗り込んで発進するのですが、もしかしたらそれは「宇宙戦艦ヤマト」のその設定も本作の影響下にあったのかも知れません
ザラスが地球の軌道と入れ替わるという設定は劇中ではないので、そのまま遊星ベラスを公転しつつ太陽系を抜けて、恒星間宇宙の中をさまよっていくのだと思います
素晴らしいロマンを感じませんか?
忘れていたセンスオブワンダーです
もしかしたら、米国以外の他国の宇宙船もザラスに着陸しているかも知れません
そして新世界に於いてもまた人類の闘争が始まるのかも知れません
しかしそれはまた別のお話
SFマニアの心が歓喜する作品です