地下鉄のザジのレビュー・感想・評価
全6件を表示
監督の名前だけで興行すべきでない。
『ストはいつまで?』
『政治に興味はない』
以上の会話を指摘するまでもなく、全ての会話が噛み合わない。
勿論、話に起承転結はない。
笑えない。泣けない。恐怖に震えるわけでもない。心が揺さぶられるわけでもない。
ガキのいたずらに翻弄されるたけの話。勿論、もう二度と見たくない。後、一時間もどんなネタがあると言うのだろう?地下鉄って言いながら、まさか、地下鉄がでてこなかったりして。
1960年と言えば、アルジェリアがフランスから独立する四年前の事。地下鉄がストをしている理由が気になるが、多分、徴兵制反対とかじゃないかなぁ?
兎も角、とりあえず
フランス パリの観光映画としておこう。そのくらいの価値しかない。
後、30分位。
この映画の欠けている部分が分かった。『毒が無い事』。同じ様なシュールな話として、モンティ・パイソンをあげると、イギリス人の描くギャグは毒が満載。この映画は上品ぶって、辛くないカレーを食べてるみたいだ。
さて、ザジを見ていて、アメリを思い出した。アメリはこの映画をリスペクトしているように感じた。この映画に魂を吹き込むと『アメリ』だ!つまり、この映画には魂が無い。言い切れる。
踊りも歌もまともな音楽も無い。それで、演じる者の魂もないわけだから、いっその事、パリの市民でも撮った方が経費が浮くと感じる。
ドタバタを1時間30分見せられた。パイ合戦ポルカ位バックグラウンドすれば、芸が残ったろうに。
最後の方にナチスを引っ張り出されても、閉口するのみ。
やっぱり、地下鉄は出てこなかった。高架鉄道だ。さて。やっと終わった。
我がサイコ親父がよく言っていた。『フランス映画の名作は犯罪映画しかない』理解出来ない親父だったが、今となっては理解できてしまう。まぁ、
フランス人のギャグって面白くないのかも。上品ぶるからかなぁ。
もっとも、日本の様にボケとツッコミ見たいな様式はないと思うから、日本人には分からないスタンダップ・コメディアンなのだろうが。
シュルレアリスムタッチのスラップスティック・コメディにみるルイ・マル監督の斬新さ
「死刑台のエレベーター」「恋人たち」のルイ・マル監督第三作目。緊張感と深刻さが勝るサスペンス映画と恋愛映画に続いて発表した作品は、映画のそれもサイレント映画の娯楽作品であったドタバタ喜劇のスラップスティックを1960年代に再現した斬新さに、制作当時27歳のマル監督の純粋な映画愛が溢れている。しかも主人公を10歳の少女ザジにして、大人顔負けの怖いもの知らずな子供の自由奔放な行動をカルカチュアした背景には、彼女を取り囲む大人社会への痛烈な批判も感じられる。単なる映画遊戯に終わっていないところが、この若きフランス人監督の驚くべき才能である。演出は他愛もないように見えて計算されていて、例えばエッフェル塔のシーンはシュルレアリスムタッチの技巧を凝らしたカメラワークが楽しめる。映画好きには堪らない、マル監督の野心作であろう。
役者もいい。コメディの演技ほど俳優の演技力が試されるものは無い。屈託のない笑顔を振りまくザジ役のカトリーヌ・ドモンジョは、嬉々として演じているのが自然であり、彼女だけの独特な個性も充分表現されている。「ニュー・シネマ・パラダイス」や「イル・ポスティーノ」の名優フィリップ・ノワレは、30歳には見えない貫禄と演技で謎めいたガブリエル伯父さんを演じていて流石の存在感。登場人物の中でひとり異様にして、能面の如く表情が変わらないアルベルティーヌのカルラ・マルリエの凛とした美しさ。殆ど家の中にいたアルベルティーヌが、夫の衣装を届けるために夜のパリを移動するシーンがいい。脚本と演出の巧さが光る。スラップスティックを全開に楽しませてくれるのが、ザジの冒険に同行するトルースカイヨンのイタリア人俳優ヴィットリオ・カプリオーリ。この紳士と絡むムアック未亡人のイヴォンヌ・クレシュの悲哀と痛さも印象に残る。
ルイ・マル作品の中で、映画を創りながら監督も楽しんでいる様に感じられる点では「ビバ・マリア!」に近い。また、少女が持つ女の怖さを描いたところは、ブルック・シールズ主演の「プリティ・ベビー」と似ている。後期の代表作「さよなら子供たち」から分かるように、裕福な家庭で恵まれた人生を送ってきたルイ・マル監督には幼少期のトラウマがある。「恋人たち」「鬼火」「ルシアンの青春」など、大人の視点で人間の生き方を追求した真面目さと厳しさの基本には、子供時代の人間の育ち方への関心の高さが窺われる。
「死刑台のエレベーター」のモダンさは一目瞭然だが、この映画の真剣な遊び方も粋でありモダン的である。そんなルイ・マル監督は、1962年の29歳の時、日本に初来日して京都を満喫している。淀川長治さんの話では、金閣寺や平安神宮の素晴らしさに感動して、その美しさはイタリアのフィレンツェだって及ばないと絶賛していたという。純日本式旅館に一週間以上滞在して、清水寺と法隆寺の美しさなどに魅了されたとある。日本の監督では、溝口健二と黒澤明が好きというのも、興味深い。これら古都の美術への関心の高さがあって、作家としての感性、創作における新しい試みが生まれるのではないかと想像する。「地下鉄のザジ」は、マル監督のモダンさが最も発揮された異色のバーレスク映画である。
名匠ルイ・マル監督の作品としては…
キネマ旬報での評価が高かった(第7位)
ので、何かあるのだろうと辛抱して観たが、
全く理解が及ばないうちに鑑賞を終えた。
エッフェル塔の詳細な描写こそあるが
期待したパリ賛歌の作品にも思えないし、
子供の目から見た大人社会の理不尽さを
描いたのか、
それに伴い、最後にきて混乱の会場に
黒シャツ隊が現れたので、
隙のある社会でいると
ムッソリーニのような人物が現れて
支配されてしまいますよ、
という教訓的意図があるのか分からないが、
パリの街中を使った三流ドタバタ劇を
見せられた気分で楽しめなかった。
また、ザジについても狂言回しの役割にしか
感じられず、彼女の思考の変遷を
感じることも出来なかった。
確かに凝った編集で独特の作風ではあるが、
コントの羅列のようなこの作品を、
なぜ専門家が評価したのか
(キネ旬では3名の評論家が第1に選出)、
当時の前衛性に評価があったのかも
知れないが、現時点で振り返ってみての
普遍的な意味合いではどうだろうか等々、
納得出来ないままの1時間半の上映時間が
とても長く感じられるばかりで、
観ていてとても辛い作品だった。
ルイ・マル監督は「死刑台のエレベーター」や
「さよなら子供たち」等々のたくさんの名作で
魅了させて頂いたが、
この作品には幻滅感ばかりが支配した。
近々、「ニュールンベルク裁判」や
「招かれざる客」等々の名作で感動させて
頂いたスタンリー・クレーマー監督の
「おかしなおかしなおかしな世界」という
コメディ映画を観る予定。
同じような鑑賞後感にならなければ
良いのだが。
おしゃれドリフ
エッフェル塔の撮影が、こ、怖い。危ない。見ててドキドキした。車の撮影も、これ公道?ヒヤヒヤした。ワインボトル割りまくり、集団破壊、などなど、やってることがまんまドリフじゃない? というか、ドリフの方がかわいいかも。フランス人の本性を見た。
ハチャメチャだけど…やはり、お洋服が洒落てるよね。赤いセーターにグレーのプリーツスカート、めっちゃいい。フランスはやはり、おしゃれの本家だった。
全6件を表示