小さな泥棒

劇場公開日:

解説

16歳の少女の青春の軌跡を描くドラマ。製作はジャン・ジョゼ・リシェール。フランソワ・トリュフォーとクロード・ド・ジヴレーのオリジナル脚本を基に、監督・脚色は「死への逃避行」のクロード・ミレール、共同脚色はアニー・ミレールとリュック・ベロー、撮影はドミニク・シャピュイ、音楽はアラン・ジョミイが担当。出演はシャルロット・ゲンズブール、シモン・ド・ラ・ブロスほか。

1988年製作/109分/フランス
原題:La Petite voleuse
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1990年4月28日

ストーリー

'50年、フランス中部の小さな町。伯父夫婦(ラウール・ビルレー、シャンタル・バンリエ)と暮らす16歳の少女ジャニーヌ(シャルロット・ゲンズブール)は、5年前に彼女を残して去って行った母親からの手紙を待ちながら、映画と盗みに明け暮れる毎日を過ごしていた。ところがある日、洋服屋での盗みがばれ、さらに教会でお布施を盗ろうとしているところを捕まってしまい、こっぴどく叱られたジャニーヌは家を出る決心をし、住み込みのメイドとして働き始める。やがてジャニーヌは、一日の仕事を終えて出かけた映画館でミシェル(ディディエ・ブザス)という男性と出会い、恋におちた。自分を大切にするように悟すミシェルに、ジャニーヌはあっさりと家具職人相手に初体験を済ませ、2人は逢瀬を重ねてゆく。ミシェルの勧めでタイピスト学校に通うようになったジャニーヌは、ある日ここに盗みに入ろうとしていたラウール(シモン・ド・ラ・ブロス)という少年と出合い、次第に好意を寄せてあってゆく。そして遂に、ジャニーヌは住み込み先の家で金目の物を盗み、ラウールと共に逃亡の旅に出る。しかしテントを張った海岸で、ラウールの留守中にジャニーヌだけが警察に捕まってしまい、そのまま矯正院に送り込まれる。やがて情状酌量の余地なし、と判断されたジャニーヌは、ここで親しくなったモリセット(ナタリー・カルドーヌ)の恋人の手引きで脱走するのだった。モリセットの大切にしていたカメラをもらって彼女と別れたジャニーヌは、伯父の家に帰りつくが、そこには彼女の居場所もなく、ラウールの行方も分からぬまま、カメラを手術代に堕胎してもらうのだった。ふと入った映画館で、インドシナ戦争へ向う兵士達を映したニュース・フィルムに、ラウールの姿を認めたジャニーヌは、その夜取られたカメラを盗み出し、ひとり海岸線を走るバスに乗り旅立ってゆくのだった。

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映画レビュー

3.5少女の痛々しさが心にしみて

2014年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

幸せ

フランソワ・トリフォー原作ということで、同監督の「大人は判ってくれない」の少女版とも言われているそうです。16歳の多感な不良少女をシャルロット・ゲンズブールが好演しています。
ちょっと眩しそうな目線と半開きのお口が印象的で、その行動は繊細さと大胆さを合わせ待ち、歳幅のある二人の男性に身体を委ねたり、盗みや脱走を繰り返していきます。大人目線で観ると、「これで正道にいくかと思いきや、どうしてまたするりと逃げるの?」と穏やかではいられません。とはいえ、捉えどころのない薄幸少女の魅力を最大限魅せている作品としての価値は大いにあります。

少女はいつかは小さな泥棒でなくなり、ぬくもりを手にした大人の女性に変わるかもしれない。それは母になった時。。そんな希望を残してくれるラストでした。

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sonje
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