「子どもたちの恋と謀反。」小さな恋のメロディ ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもたちの恋と謀反。
「結婚しよう」
砂浜でダニーがメロディにそう言ったとき、なぜだろう、「永遠」を感じた。
僅か10歳くらいの子どもの口約束。
たぶん性欲すらまだ前提にしていない、
純粋にただ「好きな人と一緒にいたい」という願い。
思春期を迎え3年後にはもう2人は心変わりしているかもしれない。
10年後には一緒にいないかもしれない。
それでも感じたあの「永遠」。いったい何だったのだろう。
そして彼らを押さえつけてきた大人に反旗を翻し、クラスメイトたちとだけで2人が挙げた「結婚式」。
そして大人たちの反撃にクラスメイトの男の子が放った爆弾(失敗を重ねてようやく成功した)。
大人たちの追跡を振り切って手動式トロッコで駆け落ちする二人の姿。
痛快でこの上なく美しかった。
ダニーとメロディの「なぜ今結婚してはいけないの」という純粋な問いかけに、彼らを納得させるだけの答えを提示できる大人はどれだけいるのだろう。
個人的にはダニーの友人・トムの心の揺らぎや、ダニーへの想いがちょっと切なかったな。
あとメロディがとても可愛い!ダニーと一緒に彼女に恋した。
学校の教室、クラスメイトとの目配せ、秘密基地の廃墟、小さな身体で接する家族、街へのないしょのお出掛け。
子どもの世界はいつもたくさんの冒険と大人に囲われた壁に満ちている。
そしてこの映画は音楽が素敵。古きよきフォークソングテイストな挿入歌も良い。子どもたちのじゃれ合いに挿入歌が寄り添って、とても優しく美しいシーンになっていた。
特にダニーとメロディが初めて二人で墓地に行くシーンの歌が印象的。
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