タワーリング・インフェルノのレビュー・感想・評価
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【”全世界の消防士に捧ぐ。”今作は、電気配線の手抜き工事による減災の人為的瑕疵と初動の遅れが惹き起こした”ガラスの塔”で起きた大惨事を、臨場感溢れる描写で描き出したパニック映画の逸品である。】
■138階建ての超高層ビル”グラス・タワー”の落成式当日、多数の招待客が最上階で式を楽しむ中、電気系統の手抜き工事が発覚する。
81階の貨物室で火災が発生し、設計士のダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)はオーナーのダンカン(ウィリアム・ホールデン)に落成式の即刻中止を進言するも、拒否されてしまう。
通報を受けた消火隊の隊長・オハラハン(スティーヴ・マックィーン)は、決死の救出作戦を展開する。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・〇十年振りに再鑑賞したが、今観ると今から50年以上も前にこの映画を、良くぞ製作したモノだと驚嘆する。
それは、大掛かりなセットを始めとして、若輩者の私でもわかる大スターの出演人数の多さである。
・その中でも、一際存在感を放っているのは、矢張り消火隊の隊長・オハラハンを演じた碧眼の漢、スティーヴ・マックィーンである。
業火が最上階の招待客に迫る中、彼は隣のビルから一人乗りのゴンドラで客を救助する事を即座に決断し、実行したり、展望ゴンドラがビルの爆風を受けて宙づりになった際にも、率先してゴンドラに乗り込み、ヘリを誘導しロープを固定し地面に降ろす陣頭指揮を執っている。
正に有事の際の、的確なる判断に基づいた即断、即決の漢であり、率先垂範のリーダーである。男であれば、かくありたいモノである。
・対照的に描かれるのは、オーナーのダンカンの娘婿であるロジャー・シモンズ(リチャード・チェンバレン)である。
義理の父に頭が上がらない中、コスト抑制を指示された彼は、チーフ設計士のダグ・ロバーツが、アフリカに旅行に行っている間に、電気配線をダグが書いた設計図面とは違う細くて安い配線に替えたために漏電が発生し、超高層ビルは81階の貨物室から火が出てしまうのである。
更に、この男は一人乗りのゴンドラに、我先に乗り込んで同じく乗ろうとする人たちを蹴散らすのだが、ゴンドラそのものが落下するのである。正に天誅である。
<そして、ラストの最上階にある給水タンクを爆破し、一気に炎を消そうとするシーン。ここでも消火隊の隊長・オハラハンは、爆薬を抱えて戻れる見込みが無いのにダグ・ロバーツと協業して、爆破させる姿には、ハラハラドキドキである。
このシーンは、今でも良く覚えているほどインパクトがあった。
柱にロープで身体を括り付ける人たち。
だが、一部の人は物凄い水流に押し流されビルのガラスを突き破り落下していき、別の人達は天井から落ちて来たモノで圧死する。
そして、水流がガラスの塔の業火を消し去った時にオハラハンは、苦い顔で呟くのである。”今後、もっと多数の死者が出る・・。”と。
今作は、ご存じのように、以降の超高層ビルパニック映画に多大なる影響を与えた作品である。
尚、この作品はタワーマンションの建築基準法(特に、耐火壁。スプリンクラー。)改正に大きな影響を与えた作品である・・・、かどうかは私は、知らない・・。>
いやあ、怖いわ。
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主人公の設計技師の会社が130階建くらいのビルを建設。
しかし技師のいない間に、社長の甥が手抜き工事をしていた。
そのため大々的なお披露目パーティー中に80階付近でショートして出火。
パーティー会場は130階くらいだったので下層階に会場を移そうとした。
しかし見栄のために避難指示が遅れ、手遅れとなる。
最初に降りた人たちはエレベーターが火につつまれ焼死。
続いて外の展望用エレベーターで降りた人達も一部は焼死。
残った人達は隣のビルにワイヤーを通して1人ずつ脱出するが、
時間的に全員脱出するのは無理だった。
しかもこのタイミングで社長の甥が自分だけ助かろうと強引に乗る。
そしてお約束で、落下して死亡。アホ過ぎ。
最後は勇敢な消防隊員が爆薬を持ってヘリからビルへ。
そしてギャンブルで最上階の貯水槽を爆破する。
その水で火事は消えるも、水圧で多数の人が転落死。
しかし主人公やこの消防士その他、主だった人らは助かった。
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高所恐怖症のおれからしたら、ホンマに怖い映画。
実際にあんな場面に遭遇したらおれはどうするんやろうなあ。
少なくとも、自分だけ助かろうとするような事はせんと思うけど。
でも怖くて積極的な動きは出来んくなる可能性は高いね。
それにしても130階ってめちゃ高いやん。
現実世界を調べてみたら、ブルジュ・ハリファが162階で最も高い。
でも2位は118回なんで、このビルは今でも2位やん(場)
午前10時の映画祭
何度となく見た気がしていたが、改めて鑑賞。
思ったことは…
最後、あっと驚く貯水タンク爆破のアイデアは、物語にまったく絡んでいかない地上司令部?の建築士と軍の指揮官だったコトと分かり唖然とした。
後々ダグとオハラハンが協力して爆破実行するのは言うまでもない。
普通にセオリー通りいくと、主演級のポール・ニューマンかマックイーンのどちらかが、その奇想天外なアイデアを言い出しそうなものなのだが…
主要キャラクター達の人間模様といい、その描き方のバランスといい本当に巧妙に描かれていて娯楽大作として楽しめる。
だから、ココの一点だけが腑に落ちなかった。
うがった見かたをしてしまうと、
両優に花を持たせるようとした製作陣営の忖度で、脚本上の細工があったかどうか??
だれか知ってる人いないかな?
あと、
やはりマックイーンっちゅうヤツは唯一無二、希代の俳優な気がした。
思い出を込め加点
緊張しました
まさか1974年の映画をスクリーンで観られるとは。
そしてまさか私が生まれるより前に138階高層ビル火災の作品があったとは。
すごく有名な映画らしいのに、これまで知りませんでした。
削ってはいけない安全保持のためのコストをカットして私服をこやしたアホな娘婿の、最後まで己の責任を感じることなく、後悔も謝罪もないクズっぷりにイライラしてしまいました。
でもこの作品にあるように、タイタニック、ホテルニュージャパン、姉歯事件など、本来最優先されるべき安全保持が軽視されたことは過去何度もあったし、こういうテーマの映画も何度となく作られてますね。
あぁいうクズが現実にいるということです。
恐怖の火災シーンはずっと「いや、映画だから」と思ってみようとしても緊張して、ちょっとでも上手くいくとホッとして、この緊張と緩和がバランスよく、怖かったけど、とっても楽しめました。
パニック映画の傑作と言われてるのもうなずけます。
主役2人がとんでもなくカッコ良くて、崩落した階段の跡から子供達と女性を降ろしたときや、エレベーターが無事に隣のビルに届いたときは心の中で叫びましたよね。
マイナスはその、子供を助け出すのに手を貸してくれた、とっても素晴らしい女性がエレベーターから放り出されるシーンがショック過ぎたことです。
でも良い作品に出会いました。
きっとまた観ます。
恐怖という娯楽
火の恐怖、水の恐怖、高さの恐怖、そしてなにより人間存在の恐怖を描いた傑作。恐怖がスクリーンのこちらでは娯楽になるというところも怖い怖い。
勧善懲悪ではなく、善の塊のような女性が転落死、悪の根源の社長は生き残る。
しかし、スティーブ・マックィーンのかっこよさったらないね。『大脱走』ですっかり開眼、本作もよかった。以前はもひとつだった『パピヨン』も、今大スクリーンで見たら見解が変わるかしら。
50年前の映画とは思えない素晴らしさ。迫力。
子どもの頃観て大好きだった映画。最近TikTokで見かけてもう一度ちゃんと観たくなり、鑑賞。
50年も前の映画なのにすごい迫力。1970年代にこの豪華さ。
子どものころから何度も見て結末も誰がどうなるかもわかってるのに
毎回ハラハラドキドキして涙する。
本当に不正はいけない。
いくつになっても
子どものころ観たのと同じ感想。
不正はいけない。あの娘婿の憎らしいこと。
しかしフェイ・ダナウェイの美しいこと。
フレッド・アステアを使って、こんな緊張感の無い映画はゴメンだ
登場人物が多すぎて、相関関係が分からない。
もはや指摘する事ではないが、火災での死亡の多くはガスである。従って、火が回る事だけが怖いのではない。ここまでの火災だと、もう少し、死者は出たと思う。また、
可燃性ガスは爆発だけが怖い訳では無い。配管に火が回って、爆発すれば、そこから火の勢いがます事が怖いのだ。従って、爆発後に階段を慎重に下る場面があるが、そんな余裕はないと思う。
また、
水で火が消せると言う考えはそもそも間違っている。
『何年かしたら、一万人を超える災害があるかもしれない』と言ったセリフがあるが、正に911があった。『そういった災害を出さない建築を願っている』と言ったセリフが続くが、つまり、高層ビルなんか作らなければ良いと理解出来ないのか?高層ビルの良さなんて、それを利用する側から見たら、虚栄心を煽られるくらいで、なんのメリットもないと感じる。シンボルタワーになるから、建物の持ち主の虚栄心を煽るだけの物(トランプタワー)と考えを、変えなければならないと思う。
階段をやっと下った女性を簡単に死亡させてしまう。その場面、後味が悪かった。フレッド・アステアを使って、こんな緊張感の無い映画ゴメンだ。マックイーンのアクションも最低。
消防士が背負っているボンベは酸素じゃない。圧縮空気である。酸素なんか吸ったら、死ぬ。
ロープを切断する場面があるが、酸素ボンベと可燃性ガスのボンベは何処にあるのだろうか?
CGは無いが、クロマキは重要なアクションとして存在する。まぁ、この映画はスタントマンの為にあるような映画。どうせなら、スタントマンに演技をやってもらって、人件費を減らしたほうが良いと思う。勿論、上映時間も長すぎる。
午前10時の映画祭での上映もあと3日
追記
一番印象に残った場面は、広報部長とその秘書との別れの場面。
もう、既に火は回っており、助けを呼びに行ける状況ではなかったのに、あえて火の中に飛び込んでいった。女性の立場から言えば、あの場面では一緒にいて欲しかったのではないかと思った。女性が「もう私たちの関係も誰にも知られることはないのね」みたいなことを言う場面があるが、とても切なかった。
スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンの二人の競演という夢の大作映画。
135階建てのビルの火災という事件を元に、映画でこそ味わえる感動を届けてくれる。
オールスターゲーム
どなたかご存じでしたら教えてください。
警備主任役のOJシンプソンが 救出した猫を抱き、
落ちてくる天井を見事なカットバックで避けながら廊下を走り抜けるシーンが
あったような記憶があるのですが、レンタルして見なおしてもそんなシーンが
ありませんでした。(猫を抱きあげるシーンのみ)。
果たして 例の事件後カットされたのか?それとも単なる私の幻想か?
建築費をケチるとロクな事にならない
最高に楽しめました。
・スティーブマックイーン、ポールニューマンの好演
・個々に繰り広げられるヒューマンドラマ
・ディザスター映画として
・撮影の迫力と特撮技術の素晴らしさ
色々な面で語りがいがあり、見応えのある素晴らしい作品だと思います。
その中で、私が特筆したいのは、このような事態を引き起こした原因が、様々なところにある、というのを描いている点です。
直接の出火原因を作ってしまったのは、材料費を設計とは違う安物に変えてしまった憎らしいアイツ(娘婿)ですが、そのきっかけを与えたのはオーナーの「建設費を安くしろ」という指示ですし、完成後に実物確認をしなかった設計屋(ポールニューマン)にも落ち度があります。あと、完成後にスプリンクラーの運転テストや避難訓練を怠ったビルの運営会社も悪い。
また、異常を感知していながら、運営会社の初動が悪いし、火災が発生してからの連絡の悪さも目立つ(何はともあれ、すぐに避難させろよ!)。完成披露を優先して避難をさせてようとしなかった、オーナーも悪い。
そういった様々な要因が運悪く重なって起きた、大惨事である。色々と、改善点が分かりやすく示されており、教訓モノとしても優れていると思う。
炎と煙の恐怖・・
序盤こそまだ火の勢いが弱かったので、映画の中の人たちと同じく緊張感は感じれなかったけど、中盤以降、火の勢いが増してから、イッキに緊張感、緊迫感が出て、ハラハラの展開が続いていきました。火の勢いが凄まじく、自分のいる場所にもどんどん迫る恐怖、その中で何もできない焦燥感、更には、隙間から容赦なく入り込む煙の恐怖、このあたりがスゴく克明に、残酷に描写されていた。定期的に高層ビルの引きの画面で、火の侵食レベルを見せるのも危機感を煽っていてよかった。
その中でも、勇敢に、逃げ遅れた人たちを救出しようとする消防士や設計士の命がけの行動、ホントに心に刺さりました。ただいろんな救出作戦がことごとくトラブり、危機的な状況から抜け出せず、息つく暇がない。ヘリコプターの墜落しかり、展望エレベーターの停止しかり。特に、展望エレベーターの停止はショッキングでした。そして、最後の屋上爆破作戦。この作戦も大きな犠牲を払う衝撃的なものでした。洪水に流され、溺れる人、ビル外に落とされる人など描写され、さらにショッキングな展開に。鎮火後も、犠牲になった消防士の描写など、胸が締め付けられるようなシーンのままエンディングを迎える。最近の映画にはない全体通して、残酷で、重いストーリーの作品でした。
人間模様も時間をかけて表現されていたけど、ほとんど互い心配する男女ペアばっかりだったので、もっとパターンがたくさんあった方がよかったかな。
キャストの中では、やっぱりマックイーンが圧倒的存在感。なんでこんなにカッコいいんでしょうか 笑
炎の中で繰り広げられる圧巻のドラマ!
DVDで鑑賞(字幕)。
直近の映画だと、「スカイスクレイパー」しかり。
直近の小説だと、五十嵐貴久「炎の塔」しかり。
今日まで多くのリスペクトを集め続ける名画です。
ビルの中層階で発生した火災で、落成パーティーの参加者たちが取り残される事態に。スティーブ・マックィーン演じる消防士とポール・ニューマン演じるビルの設計士が、前代未聞の非常事態に知恵と勇気を武器に敢然と立ち向かいました。
極限状況で繰り広げられる人間ドラマが圧巻。上流階級や政治家など、様々な人間模様が入り乱れました。これぞパニック映画の醍醐味。スペクタクル描写も大事ですが、人間ドラマの無いパニック映画はパニック映画じゃないと言い切りたい。
小事が大事へと発展していく冒頭の展開はいろいろと身に摘まされました。「まぁ、これくらいどうってことないだろ」と云う油断と楽観が取り返しのつかない事態へと発展していくのは世の常。高校生の頃に初めて本作を鑑賞しましたが、仕事をしている今になって観返すと余計にそれを実感しました。なんでもなぁなぁでやっちゃあダメ。教訓になりました。
[以降の鑑賞記録]
2024/03/10:Blu-ray(吹替)
※修正(2023/07/14)
タワーリングインフェルノ
古い有名な映画とは、知っていたが
今まで見たことがなかった。今回初めて見た映画だけど、凄い映画だ。
高層ビルの途中で火災が起こり、感知器が鳴らない。電気の使いすぎで火災が起こり、スプリンクラーが動かない。コスト削減により、安全をないがしろにする。
今の時代と全く同じことだ。
単なる、火災の映画と思っていたが、まったく違う。消防士が活躍するだけの映画とも違う。何もかも、現実にありそうな作り方、現実にありそうなストーリーだ。
久しぶりに、手にあせをかいてしまった。
三時間と長い映画だけど、いい映画みたかんじだ。
次回、大脱走がある。
これも古い映画だけと見に行って来ようかな。
古い映画は、ストーリーとカメラワークがだいすきだな。
すごい見ごたえ
午前十時の映画祭で、初めてスクリーンで鑑賞した。昔テレビで何度も見たように思うのだがすっかり内容を思い出せなかった。
大変な困難に正面から向き合い、必死で取り組む人々が描かれていてハラハラしながらも非常に感動的で、とても見ごたえがあった。オールスターキャストだと焦点の絞れないぼんやりした作品に陥りがちなのに、そんなことなくてよかった。マックイーンの登場が若干遅かったのがよかったのかもしれない。
一酸化炭素中毒が全く描かれないのは絵的に地味だからかな。クライマックスに貯水タンクを破壊して水が出るのだが、津波の恐怖を知っている目で見ると、あのような水しぶきではなく、ゆっくりと水かさが増して、いつの間にかすべてを流し去っていくあの怖さの表現じゃないかなと思った。もちろん天井から水が降ってくるのでちがうのだが。
電気系統を安物にすり替えた娘婿は、もっと無残な死にざまが見たかった。「火事はこいつのせいだ」とばらされて、リンチに合うとかそういうのがよかった。
実際は手すりなんか熱くて触れないんじゃないだろうか。パニックに備えて常に軍手を携行して、ぶら下がっても這い上がれるように懸垂ができるようにしておきたい。
虚飾の栄華が一転して地獄になるところに悪趣味な喜びを感じてしまうのは禁じえない、そんなことを意識させられるところも恐ろしい映画だった。
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