ダロウェイ夫人

劇場公開日:

解説

老いや死を意識し始めた女性の心の移ろいを描いた一編。20世紀を代表する女性作家ヴァージニア・ウルフの長編小説『ダロウェイ夫人』の映画化。監督は「アントニア」でアカデミー外国語映画賞を受賞したマルレーン・ゴリス。脚本は舞台女優としても有名なアイリーン・アトキンス。製作はリサ・カテセラス・パレとステファン・ベイリー。製作総指揮はクリス・J・ボール、ウィリアム・タイラー、サイモン・カーティス、ビル・シェパード。撮影はスー・ギブソン。音楽はイロナ・セカス。美術はデイヴィッド・リチェンズ。編集はミヒャエル・ライヒヴァイン。衣裳はジュディー・ペッパーダイン。主演は「ディープ・インパクト」のヴァネッサ・レッドグレイヴ。共演は「デビル」のナターシャ・マケルホーン、「英国万歳!」のルパート・グレイヴス、「魅せられて四月」のマイケル・キッチン、「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」のアラン・コックス、「ジャングル・ブック」のリナ・ハーディ、「エレファント・マン」のジョン・スタンディングほか。

1997年製作/97分/イギリス・オランダ合作
原題または英題:Mrs. Dalloway
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1998年8月8日

ストーリー

1923年6月。下院議員夫人クラリッサ・ダロウェイ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は、自宅で催す夜会のための花を買いに行く間、青春時代の恋人ピーター・ウォルシュ(アラン・コックス)のことを思い出していた。彼女はロマンティックなピーターではなく、今の夫リチャード・ダロウェイ(ジョン・スタンディング)との平穏な人生を選んだことが正しかったのかと自問する。一方、通りでは退役軍人の青年セプティマス・ウォレン・スミス(ルパート・グレイヴス)が戦争神経症による幻影に苦しんでいた。クラリッサは彼の姿を目撃する。そして帰宅したクラリッサは、自室で30年前の青春を再び思い出す。その夏クラリッサは、親友サリー・シートン(リナ・ヘディー)や、ピーターと、古い慣習にとらわれない自由な精神の日々を過ごしていた。そこへ後から現れたのが、平凡な安らぎを与えてくれる若き日のリチャード(ロバート・ポータル)だったのだ。あれから30年。クラリッサは50歳を越えていた。そんな時、突然インドに行っていたピーター(マイケル・キッチン)が5年ぶりに帰国し、クラリッサのもとに訪ねてきた。ピーターは人生に失敗して絶望しており、今はインド人の人妻との不倫問題で悩んでいる。クラリッサは複雑な気持ちになった。そして夜、クラリッサの自宅でパーティーが催された。彼女は夫リチャードと大勢の客人を迎える。その中には今や5人の子持ちである旧友サリー(サラ・バデル)や、ピーターの姿もあった。始めは乗り気でなかったクラリッサも、徐々にパーティーを楽しみ始める。そこに、通りで目撃した青年セプティマスが飛び降り自殺したというニュースが彼女の耳に飛び込んできた。クラリッサはバルコニーに出て、青年の死について思いをめぐらせた。そして彼女は思索の末、生きる気力を取り戻すのだった。

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