劇場公開日 1957年11月5日

脱獄囚(1957)のレビュー・感想・評価

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5.0凶悪な脱獄者との息詰まる攻防と切れ味

2022年3月19日
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鑑賞方法:映画館

鈴木英夫特集にて鑑賞

主演は池部良ですが、のちの曲者俳優の佐藤允が準主演に初抜擢された鈴木英夫作品で、撮影が成瀬巳喜男と名作を連発している玉井正夫なのでそこも期待したが中々の出来栄え。

冒頭から10分で5人も殺す凶悪な脱獄死刑囚の佐藤允(ターミネーターも真っ青な速さ)迫力と相変わらずセリフが棒な藤田進が印象的

ちなみに死刑脱獄囚は3人で、一人は恐喝とテキ屋の罪で死刑囚に認定されたらしい。(そんなアホな)

工場の警備員を殺すシーンの陰影と光の使い方がとても見事な撮影と強烈な場面だがここを筆頭に全体的に映像などの照明と撮影が素晴らしい。

立て籠もった家での攻防戦も中々の迫力で、犯人を射殺して余り余韻なくパタと終わるのもイイ。

最近の作品に比べるとあっさりした印象で多少は変なところもあるが(女の人質は縛らないなど)向かいの家での息詰まる攻防は、ウィリアム・ワイラー監督の傑作『必死の逃亡者』を彷彿させて、類似点も多くておそらく元ネタだと思う。あちらほど深みは無いが面白い。

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