戦うパンチョビラのレビュー・感想・評価
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街角のポスターに・・・。
11月21日(木)NHK・BSで「戦うパンチョビラ」を。
「いちご白書をもう一度」の歌詞に「雨に破れかけた街角のポスターに過ぎ去った昔が鮮やかに蘇る」という歌詞があるが、昔は街中に映画のポスターが貼ってあった。近所の映画館で上映中の作品のポスターを街角でよく見かけた。ユーミンは私と同い年である。「君も見るだろうか『いちご白書』を」
「戦うパンチョビラ」のポスターの前を通った記憶がある。ユル・ブリンナー、ロバート・ミッチャム、チャールズ・ブロンソンの3人の顔のデザインのポスターの前を通って通学していた。ちょうど「さらば友よ」を名画座でみた後で、チャールズ・ブロンソンはどんな役なんだろう?と思いながら歩いていた。「戦うパンチョビラ」を映画館で観る事はなかった。
あれから五十余年、今日NHK・BSで放映された。監督バズ・キューリック(ハンター)、脚本サム・ペキンパー(ワイルドバンチ)、ロバート・タウン(チャイナタウン)、音楽モーリス・ジャールと中々のスタッフである。
あれ?どうした?!実在したメキシコ革命の英雄パンチョ・ビラ(ユル・ブリンナー)が主演のはずなのに、反革命軍に武器を売っているリー(ロバート・ミッチャム)やビラの副官フィエロ(チャールズ・ブロンソン)の方が目立っている位で、メキシコ革命の英雄の姿が見えて来ない。ユル・ブリンナーが実在の人物に寄せて髪と髭があるのがまたしっくり来ない。リーの色恋やフィエロの非情さを描くシーンはあっても英雄パンチョ・ビラの掘り下げが足りないのだ。リーとフィエロも反目し合っているが、普通はどこかで和解し意気投合するものだが、そんな事もない。
脚本も音楽も良いところが感じられないね。ラストも尻切れ感が強い。
大統領を暗殺する悪い将軍がハーバート・ロムだったり、将軍にビラの銃殺を命じられる兵隊がフェルナンド・レイ、最後にレストランでリーと一緒に食事をしている女がブロンソンの妻であるジル・アイアランドだったり脇役の顔ぶれを楽しんでしまった。
ブロンソンと再婚した(前の夫はデビット・マッカラム)ジル・アイアランドは、この作品以降のブロンソン出演作品にはセットで必ず出演するようになった。
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