「マックィーン、飛躍」戦う翼 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
マックィーン、飛躍
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第二次大戦下、英国にある米第8空軍基地。
これまで8回出撃し、25回出撃すれば帰国出来る。
通称“女体号”はその日も一機、また一機、出撃していく。
如何にもハリウッドらしい戦意高揚映画っぽいが、異端の人物が。
隊を率いる機長のバズ大尉。
性格は粗野。命令は無視。部下の命を危険にさらす。何より、戦争で戦う事こそが生き甲斐。
副機長のボー。
性格は穏やか。何より平和を愛する男。
ことごとく真逆。任務や部下の事で対立。
そんな時…
ボーがダフネという女性と出会い、恋に落ちる。
交際はすこぶる順調であったが…、バズがダフネに色目を使ってくる。
性格真逆→対立から、最悪な険悪関係に。
そのまま重大な任務を帯びた出撃に。
そして、絶体絶命の危機に…!
普通に考えたら、バズはアブナイ人間だ。
しかし、“映画”という媒体で“スティーヴ・マックィーン”というスターが演じた事によって、カッコいいと認めざるを得ないアンチ・ヒーローとなった。
ちょいワルでありながら、漢の魅力。孤高。そして何処か悲しみを感じさせる。
死など怖くないとバズは言う。
が、ボーもダフネもその言葉の逆の意味を読み取る。
バズは、生きるのが恐いのだ。
まるでそれはあたかも、マックィーン自身も言ったかのように思えた。
戦闘シーンは実写や合成や特撮を駆使し、なかなか迫力と臨場感ある見せ場になっている。
戦闘機好きにも堪らないだろう。
ラスト、彼は散った。が、
公開は1962年。『荒野の七人』~『大脱走』の間。
マックィーンにとってイメージを決定付け、上昇気流に乗った作品と言えよう。
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