「間違いなくオールタイム・ベストの一つ」黄昏(1981) かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
間違いなくオールタイム・ベストの一つ
原題は『On Golden Pond』。
「黄金の池で」という意味。
ヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダの親子が、劇中でも父娘役として出演して話題となった作品。
奥さん役のキャサリン・ヘップバーンと共に、主演のヘンリー・フォンダもアカデミー賞を受賞しています。
【ストーリー】
大学教授のノーマンとその妻エセルは、今年も湖畔の美しい別荘に避暑におとずれた。
そこにやって来たのは、何年も音沙汰のなかった娘のチェルシー。
彼女は婚約者のビルと、その息子のビリーを伴って懐かしのそのログハウスを訪れたのだ。
ビリーだけを残し、チェルシーとビルはハネムーンへと旅立つ。
「趣味は、陸釣り(ナンパ)」とのたまうビリーに、ノーマンは釣竿を持たせて湖での船釣りを講釈し、「白鯨」を押し付けて読ませる。
ノーマンといえば各所で有名な偏屈者で、その口から出てくる言葉は常に相手を傷つけるほど辛辣。
傲慢な態度に、思春期のビリーは最初、強く反発するのだが……。
どんな感情を用意してこの作品を見ればいいのか、大人になっても分かりません。
ただ、幼少の自分がこの映画で撮られた湖畔の美しさに魅せられた事実だけは否定のしようがありません。
ショップでDVDを見つけてあわてて購入しました。
ストーリーもうろ覚えながら、大好きないくつかのシーンだけは鮮明に覚えていて、中でもノーマンとビリーが日課の釣りをしていると、湖のヌシがかかってバタバタしてボートが座礁、二人とも湖面に投げ出され、奥さんのエセルに救出されたその後日。
さんざん叱られ釣りの中止を命じられ、やっとお説教から解放された途端いそいそと二人で釣りの用意をして湖のヌシを釣る用意を整えログハウスを出たところで、待ち受けていたエセルの、冷たい表情での一言。
あ、言いませんよ。
ぜひこの映画史に残る美しい映画を見て、確認してください。
そのシーンで笑っちゃわない人は、少ないと思いますから。